413-合計特殊出生率 2004

 

そういえば、去年も出生率についてメルマガに書いた。なんと
なく気になってしまう数字である。

 
ちなみに合計特殊出生率とは、一人の女性が生涯に産む子供の
数のことだが、去年は1.29人と過去最低をさらに更新した。

 

 先日、NHKの国会中継を見ていると、民主党の海江田議員が
小泉首相にこの数字を質問し、首相が細かい数字は知らないが去
年より悪くなったと答弁していた。

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 ところで、この出生率だが、世界一の超長寿国日本の福祉政策
および年金財源の予測に大きな影響を与える数字。

 だから、これ以上数字の下落が続くと国はますます厳しい対応
を求められる。それはとても困る。なにせすでに予算は破綻して
いるのだから。

 そんなわけで国は、去年の12月に今後5年間の子育て応援プラ
ンなるものを打ち出した。ちなみに少子化対策のプランを具体化
させるための今年度予算は合計なんと1兆3125億円(前年対比4.9
%)なかなか壮大な予算を割り当てた。

 しかし問題は額よりも中身だ!

 そこで予算の題目を見てみよう。まず児童手当および児童扶養
手当6426億が一番多い。ついで、保育所運営2795億、奨学金1150
億、若年層を試験的に雇用した企業への助成95億、放課後に児童
を預かる施設整備94億・・・と続く。

 まぁ大雑把な見解だが、対象になる子供の数が何人なんだろう
か?人口の統計を見ると0歳から12歳までが約2000万人だから1人
あたり年間65000円、月額5000円程度だ。

 つまり薄く広い投資では焼け石に水であることがわかる。今時
月に5000円もらっても仕方がない。

 そこで問題を見てみよう。

 子供は面倒だ。子供が出来ると旅行にもいけない。自分の人生
を邪魔されたくないという自己中心的グループ。また養育費が高
額すぎる。子供を教育する自信がない。子供を1人立ちさせれな
いと怖い。病気や事故や犯罪を考えると怖いなどと考える心配性
グループ。またそもそも結婚しないと考えてる未婚グループ。

 最近はシングルマザーが増えてるとは言うけれど、出生率を押
し上げるまではないだろう。

 とにかくこれらの問題を解決しないと「産もう!」という気分
にならないと考えるのは理解できるが予算は限られている。

 問題をしらみ潰しで実施するのでは上手くない。手が細かすぎ
るし、そんなのでは間に合わない。

 予算はひとり65000円だ。有効に使わなければいけない。

 目的は出生率の向上だ。ちなみにプランは子育て応援となって
いるので、そもそもずれているのか・・・。もしかすると「よー
し子供を作るぞ!というムード作りに予算が出ているかも知れな
いが、僕は知らない。

 とにかく夫婦が、そういう気持ちにならないと出生率は増えな
い。

 今のように幼稚園や保育園にいくら援助したところで、入園費
用が15万円もかかるようでは、子育てにお金が掛かるというム
ードが払拭できるはずもない。

 ポイントはイメージを変えるだけのインパクトをもった集中投
資だ。広く薄くでは効果はない。

 まずはインパクトのある政策でムードを払拭するのだ。

 たとえば3人目の子供を出産する家庭には、報奨金を50万く
らい出すなんてどうだ?

 これなら少しは作る気になる。

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 近代社会は、人間が本来持っている種の保存本能を弱めたのだ
ろうか。8人兄弟なんて時代はなんだったのだろうか?

 しかし、結婚すれば、やっぱり1人くらい血を分けた子供が欲
しいと思うのが人の気持ち。

 ここがポイントなのだが、やっぱり子供が欲しいという気持ち
があることを忘れてはいけない。

 だから前段階として結婚を推奨させる策も有効だろう。

 限られた予算を細切れにして、根本解決なく細かい問題に対処
するより「結婚最高」「子供はかわいい」「子育て最高!」とい
ったムードをどう作るか、そういう策を考え実施するべきだ。

 ちなみに未婚者を減らす策は何か実施されているのだろうか?
結婚年齢の晩婚化は出生率に影響するだろうし、未婚率も直接影
響する。結婚したくなる連続ドラマでもテレビで流すほうが効果
的だろう。

 とにかくダイナミックな政策で投資効率の高いことを熱望する。

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  2005年06月21日   岡崎 太郎