550-クレーム

 今時。もしクレームをつけようと思えばどんな些細なネタでも
クレームになる。

 
法律違反や企業の怠慢またなんらかの被害や危害がある場合と

比べてあきらかにどうでもいいような内容のネタでである。

 たとえば

 商品の遅配・パッケージの汚れ・広告写真との色の違い。ダイ
レクトメールの割引について・広告文中の漢字ミス。

 冷静に注意してくれるだけならわかる。

 ところが

 この世の終わりが来たくらいのテンションで声を荒らげこれで
もかと罵声を執拗に繰り出し怒鳴り散らす。しかもシツコイ。
まるでストーカーの親戚のような悪質なクレーマーだ。。

 全国紙の朝刊に謝罪文を掲載しろなどほとんど脅迫のようなケ
ースもある。しかも問題は極めてどうでもいいようなネタであり
なぜそこまで怒っているのか理解はできない。

 もちろん企業はどんな些細な問題でも速やかに改善に臨むべし
であるが、実際の電話の応対としては「申し訳ありません」をた
だ繰り返すのみであり、まるで通り過ぎ行くハリケーンを無策に
やり過ごす状況と同じである。

 何か策はないのだろうか?

@  @  @  @  @  @  @  @  @  @

 実際に謝罪が必要なほどの重大なクレームの場合、すぐに菓子
折りをもって訪問することがまず大切である。

 クレームは初動が肝心と言われるのは理解している。

 僕も過去、健康食品に含まれる蟹殻抽出成分に極度のアレルギ
ーが出たお客様の対応にあたった事がある。

 診断書から顔がパンパンに赤く腫れ上がった写真に僕は痺れあ
がった。

 これは重大な問題だぞ。今すぐどうにかしなければ大変な事に
なるとエマージェンシーな状態で対処に奔走した。

 状況は酷かったが、お客様とはあくまで紳士的に話をすること
ができ、結果治療費とお見舞い金を差し上げた。

 しかし難癖をつけられた場合はそうではない。
 相手側の要求は「ただ困らせたい」なのだから対処に困る。

 相手の思う壺である。困っている姿を楽しんでいるのだ。
(ちなみに金品が目当ての場合は恐喝で、そうなればまた話は別
であるが・・・)

 そんなわけで、いろいろと考えてみた。

 しかしどう考えても謝るしかない。相手の要求が「ただ困らせ
たい」という嫌がらせであっても粛々と謝るしかない。
 
 もしその電話が一時間続いてもだ。

 企業はツライよである。

  2006年05月22日   岡崎 太郎