839-財政

 民主党の信任を問うべき国政選挙が行われます。

 今回のポイントは10%の消費税。この数年、低迷を続ける経済状況を
憂い、返済目処のない、ばら撒き予算で赤字国債を増発してきたツケが
まさに消費税増税です。

 

 たしかに年金を含めた社会保障には膨大な金がかかります。
しかし安易に増税でいいのでしょうか。
 
 年金問題は何にも解決していません。ただ解決を待ってからだと手遅れに
なりかねません。

 また消費税の話に必ず登場する、高級品は高く、一般食品は税率を低く
という付加価値税の導入は、国民に「贅沢は敵」という短絡的な価値観を
強化してしまい、労働意欲そして消費が低迷する可能性があります。

 そんなわけで今回のオカザキマガジンでは国家の財政について考えて
みたいと思います。

 まず簡略化して言えば、日本は約900兆円の借金があり、約700兆円の
国の資産があると言われています。なので資産を査定し売却するなら借金は
約300兆円位と言えます。(国民の資産がどう組み入れられてるかは不明)

(財務省発表の3月末「国債等の残高(借入金・政府保証債を含む)」
では、なんと国債が720兆4890億円(前年比+約40兆円)他に
借入金56兆4063億円(前年比 約-1兆円)
政府短期証券106兆0281億円(前年比 約-2.5兆円)で、
合計の残高は882兆9235億円(前年比 約+36.5兆円)です。

 ただ日本の国債は94%は国内保有。ギリシャは70%が外国保有なので
ギリシャのように、今すぐに破綻するとは言いませんが、先進国の中でも
危機的レベルにあります。

 それにしても2008年たった1年で48兆円もの国債が上積みされたという
のは、ホントに驚くべきことですね。これは国民1人当たりに換算すると
約40万円もの「借金」を新たに負った計算になります。

 借金は、これだけではありません。

 国の借金とは別に47都道府県とそれぞれの市町村の借金があります。

 地方債および債務負担行為による債務から、積立金残高を差し引いた
実質的な借金の残高は、都道府県で80兆4932億円、
市町村も53兆1644億円といわれています。

 標準財政規模を100としたとき、一般会計等が抱える借金(地方公社等
含む)が、どれだけなのかを示す「将来負担比率」は、

 都道府県平均で219.3%、
 市町村平均で100.9%。

 つまり都道府県は歳入の2倍以上。市町村は歳入とほぼ同額の借金を抱え
ていることになるのです。

 ちなみに東京都の連結負債は(特別会計や監理団体なども含める)と
2004年度末で、すでに16兆9508億円、都民一人当たり負債額約135万円と
なります。これは全国最多です。

 最近話題になった大阪府の負債は約6兆円。
 金額が多きすげて理解できませんが、県ではなくて市で見てみると、
岡山市はなんと借金7000億。

 とても地方財政で返済できるとは思えません。

 だいたい何に使ってるんでしょうね。

  http://bit.ly/cqas7S (pdf) MOFの資料によると、

国家公務員人件費は約5.3兆円で
地方公務員人件費が22.1兆円とあります。ちなみに地方税収は34兆円です。
約3分の2が人件費なわけです。
これに独立行政法人の給料や準公務員の給与なんかも加味すると恐ろしい
金額になると思われます。

 ちなみに財政が破綻したギリシャでは4人に1人が公務員。

 日本の公務員数は400万人(国家100万人・地方300万人)ですが
準公務員を含めて考えると、5人に2人の割合という説もあります。

 他にも新幹線や高速道路に地方空港にたくさんの赤字第三セクターなど
表沙汰になってない借金がたくさんあるようです。
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 うーん。暗い話になったけれど、結局、日本人の国民力を向上すること
なんでしょうね。つまり「教育」なのでしょうが、問題はその中心にある
価値観がぶれてることなんです。

 さまざまな価値観を肯定し多様性を認めた、そのおかげで日本はいろんな
意味で自由になった。選択肢が多すぎて、国家のビジョンも個人の目標意識
も希薄化して低下している。この状況はその代償だと思います。

 なので道徳や日本の心みたいな話から武士道や論語まで引用されるわけ
ですが、今さら「働かざるもの食うべからず」なんて一元価値を通すのは
難しい。

 いま日本は財政以外にも、食糧とエネルギーそして外交と防衛まで
重たい問題が山積しています。

 短絡的に解決できる問題はひとつもありません。

 過去の勝ちパターンが通用しなくなってきた今。
強力なリーダーシップを求めるのはわかりますが、本当に将来どうすんの
かを本気で討議するタイミングなのです。

  2010年06月29日   岡崎 太郎