106-足るをしる

「知足」という言葉があります。
文字通り「足るを知る」という意味の言葉です。

 

人間の欲望には、際限がないのだから・・・・


「これでもう十分じゃないか」と肥大化する欲望を律する。

そして「今足りてることを」ただ素直に感謝する。
つまり足るを知れば今で充分・幸せがあるという教え。

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家庭には、ほとんどの電化製品が溢れ、今の日本で白い御飯が食
べれない事などまず在り得ないほど、誰の目にも物質的には大変
豊かな資本主義社会です。

それなのに、今の日本社会においてまだ「豊かさを実感できない」
「わたしは不幸だ」と不満を述べる人が大勢います。 


どうしてなのでしょうか?


考えられる原因は、その人がそもそも「豊かさ」を感じようとし
ていない事かなと思います。

「人間の欲望は底無しです。」

その限りの無い欲望・欲求を満たそうと奔走する限り、いつまで
も「何かが足りない?」と満足することはできないのです。 

なので「足るを知る。」です。

足りていることを知覚して、自分自身から「豊かであること」を
積極的に感じようとしなければ・・・「今わたしは豊かである」
と感じる事が出来ないのではないでしょうか。 

「足るを知る」精神・そしてその精神状態に向かう事をマスター
せず、ただただ物質的な豊かさを追求しその結果物質的に成功し
たとしても、結果、その人はさらに悪循環にはまり込む事になっ
てしまいます。

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しかし行き過ぎた「まだ足りない」「もっと欲しい」という
貪欲の反省の反動から「もうこれで充分」という少欲知足の思想
に過剰に反応しすぎるのも・・・・如何なもんでしょうか?

まして「成長を望むこと」が悪いなんて言ってるわけでは
ありません。

生きていくために必要な衣食住など基本的な「欲」から、仕事や
勉学などの「向上心」などいわゆる欲とは、私達が生きてくため
の原動力だと言えます。

しかし、時として「行き過ぎた欲」は自分自身や他の人々をも
苦しめる結果にもなります。

皆さんも経験があるのではないでしょうか?

やっと無理して手に入れた物だとしても、次はもっとそれ以上の
物が欲しくなり、無理をしたり悩んでしまったりするものです。

そうして過剰な欲は、自分を強く縛っていく存在になります。
ですから足る知らなければいけません。

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■「知足」から「喜足」へ・・・・・

「知足」「足るを知る」から「喜足」「足るを喜ぶ」と
いうように言い換えてみましょう。

簡単に言うと「よかったことを大切にしよう」です。

つまり大切な事は、
現在の豊かさに満足するだけでなく、
感謝を忘れない事なのです。 

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■吾れ唯足ることを知る

吾唯足るを知る真の富者は欲少なく足るを知る人である。

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結局、日本は欧米消費文化が流れ込んだ結果、余暇まで手に入れ
たけれど、その代償として「迷い」や「不安」を逆に増してしま
ったかのようです。

最近の新聞統計でも終わりの見えない不況からなのか、老後の生
活が不安という意見が大多数でした。

不況が唯一に原因ではありませんが、人生には、さまざまな悩み
困難がてんこもりです。

しかし僕達は、毎日お風呂に入り、白い御飯を食べて、快適な住
宅に生活し、自家用車に乗ってお出かけをして食事がしたい時に
は食事をして携帯電話で好きな時に友達と連絡を取り・インター
ネットで情報に繋ぎ放題。

どうですか?
出来ないことより出来ることの方が圧倒的に多く
出来ないこと足りてないことが少ないことに気付くはずです。

ぜひもう一度考えてみてください。

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ちなみに足るを知るとは・・・・李繹『五知の知恵』からです。
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難を知る ・つまずく要因は自分にある事を知る
時を知る ・時流と自分の立場、役割を知る
命を知る ・自分に与えられた使命を知る
退くを知る・出処進退の心がまえを知る
足るを知る・高望みをしないで分相応を知る 

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岡崎太郎(おかざき・たろう)
通信販売の部署を一からスタートし、2年間で年商を15億円に。
独自のマーケティング論を確立する。30歳を機に独立し、WEB制
作会社設立、その1年後、現在の経営者・幹部・企画担当・IT
に自信のない方や次世代のマネージャーヘ、IT関連の話題を
中心に継続的に学べる環境を提供する「itmセミナー」を主催す
る。

岡崎の詳しいプロフィールは
    こちらから http://www.it1616.com/o_story/01.html
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  2002年07月22日   岡崎 太郎