122-商品スペックに溺れるな!

商品がいいのは当たり前。
しかも手前ミソに自分で自分の商品をほめたところで・・・・

消費者から見れば、自分で悪いなんて言うはずないもんねとなり
ますから・・・・・・気をつけないといけません。

ポイントは、「ワクワク感」と「体験を売る」の二つです。

ワクワク感とは、この商品を使ってその先、近い将来自分がこう
なる、こう変身できるという期待感を先にイメージさせれる事。

これは住宅の販売の場合を考えてください。
このマンションに引っ越して、この素敵なリビングに、あの北欧
の家具をおいて、照明はあのメーカーのこの感じで・・なんて、

自分がこのマンションを手に入れたら?

をイメージさせてワクワクさせる。コレがポイント。
夢を見させることがセールスの常套手段なのです。

新車の販売もまったく同じ。
このスポーツカーであの娘を横に乗せて,お気に入りのあの曲を
鳴らして、あの海辺をかっ飛ばして、あそこの温泉まで・・・・
なんてイメージさせて初めて、お客さんもだんだん、その気にな
るんです。

ただエンジンの出力がどうでこうで馬力がどうで購入決定する
なんて・・・マニアな消費者だけなのです。

高校卒業して初めて車を買うあのドキドキを思い出して下さい。

ドキドキがないと、その後の支払いやら車検やら保険の煩わしさ
と対決できないのです。めげちゃう。

また購入後のイメージ以外にも、店頭であれば、ディスプレイ・
内装・POPなどを工夫したり、プレゼントキャンペーンやポイ
ントプログラムを活用する事が考えられます。

また大事な要素は、接客です。
店頭であれ、電話であれ、人間と人間が接触する機会を大切にし
なければいけません。

どんなに良く出来た内装のお店でも、スタッフの笑顔がなければ
本末転倒です。

作り物の笑顔だろうが、無愛想よりは百倍ましです。

こんな当たり前のことさえ実践できない企業が多いんです。
マーケティングなんて一生懸命やる前に、やんなきゃいけない事
が山済みですよ。

東芝クレーム事件の後でさえ大企業の中で働く一部の考え無い社
員の失態は、無くなることはありません。

最近もぼくの知り合いがドコモからJ-PHONEに乗り換えた
ら、どうもその電話が最初から調子が悪かった、サービスセンタ
ーと何度かやり取りがあって、最終的に交換ってことになったん
だけど・・・・・

そのサービスセンターの女性の対応があまりにも悪くて・・・
トドメは「すいません」の一言も無いことで、お客様センターに
電話をしてクレームをつけたんです。

そうしたら非通知で携帯に男の人から電話がはいって、ガタガタ
文句をいわれたらしいんです。交換じゃ無くて修理しろとか?

考えられないでしょ?
非常識でしょ?
東芝の教訓はどこに逝った?

J-PHONEの社員・スタッフがすべてそうだとは思いません
が、こういう社員が一人いるだけで・・・・アウトですよね。

まぁ雪印の事件から最近の日ハムまで、そうですが・・・・。

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話は戻って、体験を売るですが、
「コムサドール」って知っていますか?

キャナルシティー博多のメガバンドールの改装後(2001/11OPEN)
の1F2F・梅田ヨドバシビル(2001/11月OPEN)・神戸のハーバー
ランド熊本鶴屋デパートのWING館に入っているコムサブラン
ド満載の「コムサストア」の中にあるんだけど・・・・・
http://www.tsuruya-dept.co.jp/floorguide/wingkan/wingkan.htm

正式名は「C&Dコムサドール」・
自分だけのオリジナルぬいぐるみが作れるワクワクと体験を売っ
てます。

腕のいいコンサルかプランナーがバッチリやりました!ってな感
じがプンプンします。

中でも目を引くのは、大きなショーケースの中に、綿が雪のよう
に舞っている。

「なんの為なの?」

まずコムサドールの数十種類のぬいぐるみを選びます。
(熊や犬やネコ・サルなど、その中でもペロペロドックが可愛い
 もしかしたらペロがひとつ多いかも?)

選んだ、ぬいぐるみのお腹に、この綿を詰めるんです。

さらに私の願い事のカプセルとオルゴールを詰めれるんです。
(ちなみにぬいぐるみの心臓になる星という設定)

カプセルのメッセージは、おまじないでも彼氏の名前でも・・・
お腹を閉じて、ブラッシングをしてあげて、さらに服を着せて、
名前を付けたら、出生届けをして記念写真を撮ります。

自分だけの「ぬいぐるみ」というだけでも充分なのに、ここまで
凝りに凝った売場で物語が組まれちゃうと愛着が湧きますよね。

彼女の誕生日や子供の誕生日なんか記念日に作ってみたら?

「世界でたった一つの自分だけのぬいぐるみを作ろう」
このコンセプトがここまで力強いとここまでやれるんだなと
関心しちゃいます。

ぜひぬいぐるみ作ってみてくださいね。

  2002年08月20日   岡崎 太郎