■DMの落とし穴
DM(ダイレクトメール)を出す場合、ハガキ・定型封筒・定型 |
普通に考えれば、表現の面積が広い、封書にパンフを入れた方が
反応が高いといいたいところですが、以外にラミシールのめくる
ハガキタイプの方が高い反響だったり。
カラー印刷より白黒の方が反響が良かったり・・・・・。
最近はセオリーが壊れているというか・・・。
■違うタイプのDMをCPR(レスポンスコスト)で比較して
みましょう。ある商品のDMをタイプ別に反響率を調べました。
■DM1万枚 購入単価10000円 ■表1
反響率 発送単価 反響 売上 CPR
モノクロハガキ 0.5% 60円 50件 50万 12000円
カラーハガキ 0.8% 75円 80件 80万 10000円
カラー定型封書 1.1% 145円 110件 149万 13181円
定型外DM 1.6% 234円 160件 160万 14625円
たまたまですが発送コスト(デザイン・印刷・郵送)の高いほど
反響率もまぁ高いという傾向を示しています。
しかし、DMの評価に使われる「CPR」から見てみると、あら
不思議ですね・・・
なんとカラーのハガキが最も高効率ということになります。
つまり、この商品の販売には「カラーのハガキDM」が最適と
言えます。
「えーほんとかな?」
CPRだけでは決まらない場合
それはDB(データベース)の総埋蔵量を考えてください。
データが2万件しかなかったと仮定しましょう。
また、その商品を1台売れば20000円の粗利益が上がるとします。
4種類のDM企画で、それぞれ2万件を発送した場合の最終粗利益
をシミュレーションしてみたのが次の表です。
なお、計算を単純化するため、印刷数によ発送単価は変動しないも
のとしています。
■DM2万枚 粗利 20000円 ■表2
反響率 発送単価 反響 純利
モノクロハガキ 0.5% 60円/120万 100件 800000円
カラーハガキ 0.8% 75円/150万 160件 1700000円
カラー定型封書 1.1% 145円/290万 220件 1500000円
定型外DM 1.6% 234円/468万 320件 1720000円
いかがですか?
(反響Χ粗利)-することの発送料金を引くと純利になります。
すると一番効果があるのは、定型外を選択郵便にするのが正し
いことがわかりました。
調子にのって粗利を50000円にしてみましょう。すると・・・・
■DM2万枚 粗利 50000円 ■表3
反響率 発送単価 反響 純利 CPR
モノクロハガキ 0.5% 60円/120万 100件 3800000円 12000
カラーハガキ 0.8% 75円/150万 160件 6500000円 9375
カラー定型封書 1.1% 145円/290万 220件 8100000円 13181
定型外DM 1.6% 234円/468万 320件 11320000円 14625
さらにダントツ定型外なんですね・・・・・
だからといって定形外がいいというわけではありませんから、
勘違いをしないでください。
ようするに、発送コストの変化より売上げの変化の方が大きい場
合こうなるわけです。
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つまり「最低のCPRのDMが最善だ」というのは間違いです。
駄目押しで計算すると・・・・
販売価格が5000円で粗利が2000円なんて場合には・・・・?
■DM2万枚 粗利 2000円 ■表4
反響率 発送単価 反響 純利
モノクロハガキ 0.5% 60円/120万 100件 マイナス100万円
カラーハガキ 0.8% 75円/150万 160件 マイナス118万円
カラー定型封書 1.1% 145円/290万 220件 マイナス246万円
定型外DM 1.6% 234円/468万 320件 マイナス404万円
(CPRは表3と変わらず)
今度はモノクロハガキが一番赤字が少ないという事になります。
つまり一般的にはCPR/CPOは有効であるけれども・・・
ある条件下ではあんまり意味のない時もあるんですね。
また発送先データに制限がある場合は、反響が悪いなりには
アプローチしないと売上あがりませんから・・・・
セグメントしてセグメントしていくら反響がよくても、
DMの通数が500件なんて分母が少なくなってしまうと・・・
当然売上げも決まってしまいます。
難しいもんですね。
景気が悪いことから安易に、企業も封書をやめてハガキに移行
しがちです。しかし、コストが安くなった以上に売上げが落ちて
しまったら元も子もありません。
対象にDMを送る場合、
ポイントのひとつは顧客データの数と商品の利益率です。
このあたりを踏まえて、DM分析を正しく行ってください。