175-同梱ツールのセレクティブバイニング

通信販売で商品を袋詰めまたは箱詰めにして宅急便で送る際。
商品以外に送るものを同梱物と呼びます。

 

同梱物には

<1>挨拶状(はじめましてお買上ありがとうございます)

<2>カタログや情報誌または特売のチラシ等

<3>伝票(納品書・場合によっては領収書等)

<4>FSP*注1ポイント関係(現在のポイントと引換品紹介)

などがあります。


今日はこの挨拶状を考えて見ましょう。

では最初の質問:
  一回目の挨拶状と二回目の挨拶状は内容が同じでいいのか?


もし同じであれば、へんな話になってしまいます。
ですが、意外に同じ内容の会社が多いのです。ナゼでしょうか?

多分、ツールを作る製作者または管理者の人数が足らないので
しょう。

ではどう作ればいいのでしょうか?

実際の店舗での接客を想像してみるといいでしょう。
目の前にお客様を想像し、シミュレートしてみてください。

「わざわざ遠くからありがとうございます」
「前回ご注文のお品はいかがでしたか」
「前回のご来店から随分お久しぶりじゃないですか」
「あらら、今日はこんなにかわいい娘さんとご一緒に」

なんて、相手が見えていればスムーズに対応が出来ることがあり
ますが、通販ではどうしても相手が見えない分制限されてしまい
そうです。

しかし大切なのは、「もてなしの心」と「感謝の心」をどう言葉
で表現するかなのです。

一回目の挨拶文であれば、
まず「はじめまして私は何々です」
「私共こういう事を考えています」
「これからも末永くご愛顧下さい」
「それから新製品の案内を少し」
       最後に社長の直筆サイン。

こんな感じでしょうか、スペースに余裕があれば
「商売の姿勢・製品開発のポリシー」を平易な言葉でスローガン
にならないように注意しながら書くといいでしょう。

ポイントは「はじめまして」です。
二回目に「はじめまして」はありえません。

もしあなたの会社の挨拶状が同じであれば考え直してください。

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では2回目の挨拶状はどうあるべきでしょうか?

シンプルに
1>ご注文いただきありがとうございます。に始まり
2>商品をお買上げ頂き社員全員が喜んでいる事。
3>その上で毎日仕事が楽しい事・充実している事。
4>お客様からの声の紹介二つ程度紹介し、感想を述べる事。
5>ありがとうございました。
6>売れ筋商品の紹介・または新商品の紹介。
とこのような流れでしょう。

全体にポジティブで読むと元気になるような前向きな文面が好ま
れます。

ここまで読まれて何か気付きませんか?

文章が、会社からお客様へ向ってだという事なのですが。

気付かれましたか?

今時ワントゥワン的思考で考えればオンデマンド印刷を活用して
対応しなければとなるところでしょうが、実際難しいのです。

理由は、センターで1回目の電話を受注する場合。
せいぜい通話時間は2分から3分。長くても5分です。
こんな感じ
 ご注文でいらっしゃいますね。ありがとうございます。
 ご注文の商品をどうぞ>No12045の黒1個ください。

 ありがとうございます。No12045の黒1個ですね。
 ではお名前をどうぞ>オカザキタロウです。
 ではお電話番号をどうぞ>092-738-0350です。
 ではお届けのご住所を郵便番号からどうぞ
   >810-0024 福岡市今泉1-12-23・・・
 お届け時間のご希望はございますか?>夕方かな。
 では25日の夕方に佐川急便さんでお届けします。
 代金は代金引換・・・・・合計12000に・・・・ありがとうございます。

なんて感じで別段お客様から質問がなければ淡々と終わります。

つまりお客様の属性データーなんて全然無いも同然です。
せいぜいお伺いできて「性別」「年齢」程度です。

もし電話で、好きなスポーツを聞いて、ゴルフと答えたからとい
って挨拶文に、最近ゴルフはどうですか?なんて書いてもどうでしょうか?人間関係の希薄な状態では逆効果です。

つまり顧客情報をベースにしたワントゥワン的に気の利いた挨拶
文は作りづらいのです。

それに大袈裟でないにしろ「心に残る事件」が存在しません。
新規受注用コールセンターでは大量の電話をいかに効率よく捌く
かを考えたマニュアルで処理されているわけですから無駄がない
のです。

詰まるところお客様からみると印象や思い出が薄いのです。

なので、まずはこちら側(会社)の情報を伝えるしか無いのです。
しかし、四角四面のいかにもの文章ではどうでしょうか。
ですから工夫しなければいけないのは、文章の表現なのです。

お客様が読みたくなるような序文の書き方>内容の広がり。

お客様が読んで、「いい会社からいい商品を買った」と思える様
な挨拶文でないといけないのです。

最後に私は、オペレーターの能力とCTIの活用しだいでは店頭
以上または同等のコミュニケーションが可能だと考えています。

最後は結局、接客に従事している人間が信頼関係構築に集中して
いるかどうかだと思うのです。

「あなたが薦めるなら、ぜひ試しに買ってみるわ」みたいな。


■注1:FSP:フリークエントショッパーズプログラム
FSPとは、優良顧客い込みを目的とした、マーケティングプ
ログラムのことです。
ポイント制度やロイヤリティープログラムなどとも呼ばれます。
有名なものでは、各航空会社のマイレージの事です。


 

  2002年12月19日   岡崎 太郎