212-中西浩一に惚れる!

4/22日。京都に本社のある株式会社オンリーにお邪魔して
きました。午後の3時半に北山通りのINHALE+EXHAL
E本店で中西浩一会長と待ち合わせ。http://www.only.co.jp/
 
「どもども岡崎はん」
 
とガッチリ握手。
 
ビリビリリイ>「うぉおおあう」
 
なんて凄い気だろう!
 
さすが京都の豪商は違う!
 
今回、中西会長とお会いするのは、福岡・東京についで三回目。
 
 いつお会いしても、満面の笑顔、まさに破顔談笑。
 
 脳溢血で倒れて死の淵を歩いたが、奇跡的に回復した中西会長
の、今、この一瞬にパァアと一生懸命生きてる、生命の輝きがま
ぶしくて、とにかく魅力的な人生の大先輩。
 
 今回嬉しかったのは、会長が僕の「通販丸わかりセミナー」の
CDを二度も聞いて頂いた事!しかも「俺が後20年若かったら
岡崎はんに弟子入りしてましたわ」なんてお世辞でも嬉しいでは
ないですか。 
 
*ちなみにINHALE+EXHALは日本語で阿吽(あうん)
の意味。
-----------------------------------------------------------
 まさか、オンリーさんを知らない方に少しだけ説明を・・・・・・
 
 1999年に日本ではじめて2プライススーツという形態を考案し
たアパレル界の天才で、ザ・スーパースーツストアを知らない人
は少ないのではないでしょうか?
 
 1号店を東京・日比谷に出店し、1万9千円と2万8千円のツ
ープライス制で宣戦布告したのですから当時のスーツ業界は騒然
としたことは容易に想像がつきますね。
 
 最近は、各社オンリーさんの真似で「スーツなんとか?」とい
う同形態で展開していますが真似は所詮マネですもんね。
 
 根底に流れているモノの重さが全然違う。
 
 しかもオンリーは、ただの安売りスーツではなく、厳格にクオ
リティーは守ったまま中国生産と国内の徹底したコスト管理で低
価格を実現しているのがスゴイところ。
 
 
 コスト削減と言っても並の削減ぶりでは無い。
 
 
とにかく象徴的なのは本社。
 
はとても考えられない程老朽化が進んだ社屋にところ狭しとスタ
ッフが働いている。
 
 中西会長の父親が所有していた民家で、木造2階建て雨漏りも
するほど、例えるなら、まるでオバQのラーメン大好き小池さん
が住んでる、アパートと同程度(すいません少し大袈裟です)
 
 店舗ひとつ作るにも長年のコスト削減のアイデアが満載。
 
 さらに会長でさえ新幹線はいつもエコノミーという徹底ぶり。
 
 「経営の状態がいい時でこそ、引き締める」
長い経営の中で会長がつかんだ秘訣なのでしょう。
 
-----------------------------------------------------------
 そもそも会長は1946年京都府生まれ、高校卒業後紳士服のオー
ダーメイド専門店に入社。6年後にオーダーメイド専門店の「紳
士服中西」を開業、そこで自身がお客さまの体を測りパターンを
おこし裁断をする。
 76年には メンズブティック「オンリー」で小売に進出し83年
には日本紳士服技術コンクールで「高松宮技術奨励賜杯賞」を受
賞したというまさに職人の中の職人。 
 
 しかしそんな売上好調なオンリーさんですが、今までのチャレ
ンジはといえばそれはもう普通では考えられない。
 
 なんと1976年の設立以来、新規業態の開発は47業態。
しかも現在残っているのはたった4業態という凄まじいもの。
 
 会長自ら撤退の担当として陣頭指揮をとったそうです。
 
 この経験から1つのブームなんて3年程度と体得したそうで、
オンリーの出店戦略は3年後の撤退を考えカネをかけない。
 
 例えば98年から女性用衣料品を1900円均一で販売する
「19ショップ」内装費用をかけていないにも関わらず、オープ
ン1ヶ月間で約4000万円を売上げ、19ショップは1年で1
2店舗を出店。しかし他の衣料品店が追随1900円の衣料品ブ
ームとなり、19ショップの勢いは落ちたと感じすぐさま撤退。
 
 現在は1店も残っていない。
 
しかし費用をかけていない分、新規業態開発に余力がある。
そこで19ショップを撤退しながらザ・スーパースーツストアを
出店したそうです。
 
 どうですか? 凄まじいでしょ。
 
 また衣料品販売は、倉庫に在庫を持つのが普通だけど、
「1円も生み出さない在庫はバカバカしい」(中西会長)と倉庫で
も在庫の衣料品を販売するほど。
 
 現在オンリーの売上は2000年が約28億円、2001年が
約48億8000万円、2002年が約55億7000万円と急
増中。
 
 
 とにかく中西会長のアイデアは溢れっぱなし。
 
 感心したのは、オンリーの格安でスーツが生産できるノウハウ
で企業のスーツを中心としたユニフォームや、居酒屋のユニフォ
ームなどの法人需要をターゲットしたプランに、スーツの出来上
がりに少々お時間を頂く「早割り」に「満足払いの話」などなど
 
中西談-------------------------------
 
 京都では、馴染みの飲み屋さんへ行ったら1年くらいツケで、
タダでいける。あれ、満足払いやと思うんです。
 
 満足しなかったらお金払わへんか、次に行かへんかどっちか。
そやから、お金をもらわずにスーツを持って帰ってもらって、気
に入った人だけお金を払ってもらうスーツストアがしたいなと。
 
今度やるときも今まであることをすべて否定してやっていきたい
なと思っています。
-----------------------------------------------------------
 
 「スゴイ」の一言。続く言葉がみつかりません。
 
カッコいいでしょ。
「すべて否定して」ですよ。
 
 そこで、中西会長の切り札登場。
 
驚きの次の一手が
 
 「テーラーメイド」
 
 これは、中西流オーダーメイドなんです。
 
会長曰く、フルオーダーメイドでお客さまの体系にあわせ過ぎる
とスーツのバランスが崩れてしまう。かといってバランスにこだ
わると、体型にあわず着心地が悪い。とのこと。
 
 本来スーツとは本来の体型を美しく隠すもの、お腹が出てる人
にそのままお腹の出たスーツを作るのでは芸がないのです。
 
 ましてはフルオーダーで作ると仮縫いの工程に手間がかかり過
ぎてコストが高い。かといって従来のイージーオーダー(パター
ンオーダーとは違う)では横(ウエストやバスト)を弄るので
肩から腰にかけてのスーツのラインが崩れてしまうから問題。
 
 現在、高級スーツの理想に近いのはパターンオーダーらしいが
まだまだ改善するポイントがあるそうで、ある意味パターンオー
ダーの究極を追求した結果が「テーラーメイド」なのです。
 
 真骨頂は、ウェストサイズの測り方ひとつにも、中西会長自ら
オーダーメイドで鍛えたノウハウ・こだわりがあること。
 
 とにかく採寸は力の入れ加減で1センチ2センチは変ります。
この当然ともいえるこの部分にもノウハウがあるんですね。
 
 なにせ、「テーラーメイド」では140サイズの中から絞った
日本人の体系にマッチしたオンリーだけのマルチゲージ服18サ
イズを使って、あなたにピッタリのスーツを作ってしまうという
もの、これまでオンリーが実践してきた、イタリアのバストから
サイズを探し出す方法、スーパースーツで実践した身長からあわ
せる方法などの経験から生み出された、オンリー独自のサイズ理
論だといえる。
 
 さらに「テーラーメイド」ではオンリーのグローバルネットワ
ークを駆使しその中から厳選したスーパー200S&シルクの超細番
手高級服地インスピレーションを発表しているイギリスの「スキ
ャバル」や「ドーメル(DORMEUIL)」にイタリアの「ロロピアー
ナ」など欧州の有力生地を中心に84種類。
 
 しかも価格は国内縫製であるにもかかわらず、38000円からと
既製服とほぼ同じ価格なのが驚きです。
-----------------------------------------------------------
ちなみにロロピアーナ(Loro Piana)といえば「最高の製品のみ
を保証する」というのがポリシーの老舗メーカー。
 
イタリアの中心ヴァルセシアにある180年余の歴史を持つ高級カ
シミア、高級ウールのトップメーカーです。
 
 服地のすべてが最高品質の天然原料を使用していて、どれも原
料の持つ特性を最大限に引き出した本物。
 
また毎年の競売では驚くべき事に、メリノウールスーパー100Sを
年間生産量のなんと30~40パーセントも購入しており、トップラ
インと呼ばれる最良ウールを特権的に獲得している。
 
 また独自に開発されたタスマニアン120sといわれる服地は17
ミクロンという非常に細いメリノウール糸で織ったもので世界に
初めてタスマニアの名を広め業界標準用語にしてしまったほどの
革新的服地を開発したメーカーで有名だ。
 
 また厳選された最高のカシミヤでも有名で。世界の高級カシミ
ア100%の3割はロロ・ピアーナと言われている。
 
http://www.ordersalon.com/html/lorovisit.html
-----------------------------------------------------------
 長い解説にはなったが、ぜひ一度騙されたと思ってこの
「テーラーメイド」を試して欲しい。
 
 驚くほどフィット感がありながら、形のキレイな高級スーツを
なんてリーズナブルな価格で体験できる事を約束します。
 
-----------------------------------------------------------
追記
 
 今回の来社の目的は、本社二階にある会議室に集まった中西会
長・亀井社長をはじめオンリーさんの次世代委員会メンバー10
人対象の通販セミナーだったのですが、そんな話、実は全くの
寝耳に水状態。(森さん事前に教えてくださいよ!驚きました)
 
 なにも用意していなかったのですが、少人数だったのでキャッ
チボールをしながら楽しく出来たかな?
 
 憧れの(笑)本社の玄関で中西会長と記念撮影。
 
 
 夕食は会長のご自宅で奥様の手料理を頂きました。
 
手料理といっても、前菜から最後のデザートまで完全フルコース
素人の域ではない!
 
イタリアの知人から送られた、赤ワインに舌鼓を打ちながら、
奥様も交えて楽しいお食事でした。
 
 帰り際に、奥様から奥様へと「佃煮のおみやげ」を頂き、
これが京都のおもてなしなんだなぁと感服しました。
 
 エレベーターを降り、エントランスを出ると、
 
「たろちゃぁん」と声が。
 
見上げると、ベランダから大きく手を振ってる中西会長。
うーんなんてお茶目でかわいい人なんでしょう。
 
 仕事は厳しくシビアに、でもこのお茶目な性格に、みんな
コロッとたいていの事は大目にみちゃうんでしょうね。
 
 おいしいお食事ありがとうございました。
 
 
ココにオンリーさんの詳しい情報がありますよ。
http://www.supersuits.com/pressroom/index.cfm
 
  2003年04月24日   岡崎 太郎