228-騙されるな消費者

■うまい話は詐欺の基本 
■騙されるな消費者!!  詐欺の定義


 詐欺の基本の考え方は「人を騙して物(金)を取る」です。

 では感情はどうなのでしょうか?

 

お昼の不倫ドラマに出てくるような
「奥さんと別れてくるって約束したのに・・・
              あなた私を騙したのね」

 なんて台詞もありますが、はたしてこれは、詐欺にあたるので
しょうか?

 例えば彼女の預金通帳がスッカラカンになってれば詐欺かもし
れませんが、男が貢いでいた場合はどうでしょう?

 騙したけれど、詐欺ではない。

 嘘はいったけれど、物品・金銭は取ってないなら詐欺ではない
でしょう。


 例えを変えましょう。物品を取る場合です。

スーパーの惣菜売り場のオバちゃんに、「病気で働けず貯金も底
をついて、もう一週間 何も食べてない」とお願いし弁当を恵ん
でもらったとします。

 しかしこの同情話がまったく嘘八百だとすると、これは立派な
「詐欺罪」が成立します。

 心優しいオバちゃんは、今時そんな話を信じたからこそ弁当を
タダであげたのであり、その話が嘘ならあげたりはしません。

 つまり騙されて、弁当を騙し取られたという訳です。

 ちなみに窃盗と詐欺の違いを考えるとハッキリします。詐欺の
場合、オバちゃんは騙されたとはいえ弁当をあげたのはオバちゃ
ん自身の意思である事が重要であり、騙すも何もシンプルに物を
取ってしまう窃盗とはその部分が違うのです。

 騙したのか?
 嘘をついたか?

ここがポイントです。
----------------------------------------------------------

エスカレートした営業活動と広告

----------------------------------------------------------
 賞金や海外旅行が当たりましたよなんて、あきらかにそれは嘘
でしょという営業行為は行き過ぎた典型であり、詐欺と言われて
も仕方の無い部分もありますが、大きな意味でシンプルに言えば
、嘘を言って物を提供させたり、利を得る事は詐欺と言えるでし
ょう。

 では何が嘘なのか?

 ■商品については
  
  効果性能の嘘・
  素材・原材料・生産地等の嘘
  賞味期限・

  効果の検証が不十分な商品

 ■広告については

  実際の商品とは明らかに異なる商品写真
  (しかし一般的に違うのが当然と認知されている場合
  は詐欺とは言い切れない)

  嘘のユーザーによる体験談
  でっちあげの記事
  大袈裟な効果効能表現

  自社に都合の良い研究成果
  買収した研究者によるコメント

  実際には使用していないタレントの起用
  (これもイメージ広告だという割切で成立している)

  ポイントは、消費者が購入にあたり重要な決定に
  あたる条件に嘘がある場合、詐欺性が強くなるのです。
  
 ■キャンペーン
   
  実際には存在しないプレゼント
  実際には返金しないキャンペーン
  実際には存在しない無料モニターの募集

  これは詐欺性が強い部分だと言えます。
-----------------------------------------------------------
 こう考えてくると、原価と売価の差が生み出す利益が大きいか
らといって一概に詐欺だとは言えないことがわかると思います。

 「利益が高い」=「詐欺」ではありません。

 利益は少ないけれど、詐欺まがいの会社もたくさんあります。
また利益は多いけれど、誠実な会社もまたたくさんあります。

 問題は、実商品以上に煽り立てた広告なのです。

 付加価値が本当にある商品であればなにも問題はありません。

 普通の商品、または粗悪な商品をいかにも素晴らし商品である
かの如く厚化粧するのは、あきらかに問題です。

 つまり、本当に自信のある商品を適正な利潤で販売する。
これがビジネスであり、売れればなんでも善いでは無いのです。

 企業の血と汗にじむ努力の結果実現した安い仕入価格が理由で
利益が上昇したといって消費者は詐欺だとは言わないでしょう。

 それは、消費者が支払った価格の対価として受け取った、サー
ビスや商品との納得感であり、得した損したは、その差であるわ
けです。

 そしてその基準は他社の良く似た製品やサービスとの比較によ
って消費者は判断されていることを忘れてはいけません。

 この比較から開放されるには、他には存在しない、オリジナル
商品であるか、自社が唯一の専属販売代理店で扱っている商品で
あれば可能です。

-----------------------------------------------------------
 商品を定価のまま販売するのは至難のわざ、まして高く売るな
んて、値引きが一番ラクな選択です。

 この安売りの脅威は、自社以外の会社が間に入った瞬間から、
逃げる事は不可能です。下手な契約を結べば、それこそ自由競争
に反すると指導されてしまいます。

 つまりダイレクトで売るしか道は無いのです。


編集後記

 詐欺には、刑事事件と民事事件で判断が変ります。
つまり、警察に捕まることはないけれど、民事裁判では
 
「馬鹿野郎ふざけんな、お前金返せ」

と請求される事があるわけです。

 また刑事事件の場合、詐欺だと請求されて、お金を返したから
問題が帳消しになるかと言えば、そうではありません。

 罪は罪なのです。

 また民事事件の場合、損害賠償が基本です。
飲食店でのメニューと実物が違うレベルの些細な金額では、事件
としての立件が馬鹿馬鹿しくて話になりません。

 つまり、それ相応の金額が必要なわけです。

 また恋愛が絡む、貢いだ貢いでないに関しては判断が微妙な
所です。

 それから問題が複雑なのは刑法246条が明文で偽罔(ぎもう)
行為を要求している事です。これは相手を騙す行為がなければ、
詐欺とは認められないという意味です。

 「騙す気があったかだって?えっ?」って感じでしょ。

■注意
  騙す行為=欺罔行為の典型例は、嘘をつくことです。
  http://www2.kobe-u.ac.jp/~yamada/99dc1/99dc108.html

どういう事かといえば「詐欺みたいだから詐欺罪にしよう」と
するなら極端な話、あらゆる非道得的行為が詐欺罪として処断さ
れちゃうことになります。

 しかし「罪刑法定主義」という刑法の基本原則によって厳重に
禁じられているのです。

 この部分は複雑な話ですけれど・・・

最後は、その経営者の良心との対話になるのかな?
-----------------------------------------------------------
商品開発について

 価値の無い商品に付加価値をつけるのでは無くて、その商品が
本来持つ価値を、探し出して磨き上げる事で、正当な価格で販売
できる商品開発が目指す方向ではないでしょうか。

 販売価格はどうやって決められるのか?
 価格とは、どう考えればいいのか?
 
 次回はこのあたりを書いてみようと思います。
 ご期待下さい。
----------------------------------------------------------

セミナー、イベントなどでの講師を選ぶって結構大変ですよね。
講演テーマの設定も広すぎると、なんか概念論になってしまうし
各論ばかりだと、参考にならない参加者が出てしまったり・・・

運営サイドは、せっかくだから参加者の要求に答えたいと思うの
は当たり前だと思います。

講師選択って難しいんです。

参加者にとっては、貴重な時間とお金を使って参加するわけです
からね。大切なのは、わかりやすい上に、実践的で応用が出来る。
スグ使える。役に立つ。効果がある。

そのうえ眠たくない話術でないと駄目なようです。 評判が悪い
のは、淡々と話す大学の教授や、講演慣れをしていて心のコモッ
テいない講師のようです。

ついつい、有名人や肩書きに囚われて講師を選定するケースが多
いようです。無難に無難にというところでしょうか?


僕は、講演とは、まさにライブだと思っています。

エンターテイメントでなければいけないと思っています。
つまり「おもしろくて観客をひきつけないと」いけないんです。

考えてみてください。二時間のセミナーだと、映画より長いわけ
です。だから、話は上手に組み立てられていなければ、即興で話
してどうにかなるものではないと思います。

あの「横山やすし・きよし」の一見、即興にみえる漫才でも何百
回も練習に練習して、完璧のさらに上の完璧な「間」を提供して
いるという話を聞いたことがあります。

確かに完璧にただ台本どうりでは柔軟性にかけますが、よくある
数行程度ののレジュメでセミナーをやろうなんて、間違いなく準
備不足です。繰り返しますが、映画より長いわけです。

映画制作といえば台本・演出・音楽・特殊視覚効果・監督、製作
費も高額です。時間も労力もかかってます。そして配給会社が認
めてはじめて映画館で公開されるのですが

収益が立たない事を理由に、公開できずビデオのみリリースとい
う作品もあるほどです。だから映画館で公開されるというのは、
選ばれたお墨付きの作品なのですが、それでも・・・面白くなけ
れば寝ちゃいます。

ですから僕の場合、2時間のセミナーであれば、まず伝えたいこ
とを整理して台本レベルまでしっかり作りこむようにしています。
そしてその後、柔軟性を持たせるため、即興のできるフリースペ
ースを空けていく作業をしています。それでも現場に行って、参
加者の属性や反応に合わせて、テイストや声のトーンや早さを調
整しなければいけないなぁと感じています。

料金を頂く以上、プロとしてセミナーを成功させたいのです。
どうぞ、機会がありましたら、岡崎を採用てください。


得意分野は、

「実践マーケティング関連」
「泥臭い通信販売実務全般」
「やる気モチベーション」

予算15万円からご相談に応じます。 お気軽に相談ください。

出張および社内研修についてのご要望は 
担当・井手まで itm@pictsys.com

  2003年06月17日   岡崎 太郎