234-スズキのスクーター「チョイノリ」

 

スズキが2月11日に発売した。

 59800円の低価格スクーター「チョイノリ」を検証したい。

 

「目標の1ccあたり1000円が目標でそれには届かなかった!」
なんてコメントもありましたが。もし実現できていれば50cc
で50000円?

 この「チョイノリ」当初、月間の販売目標台数 計2,000
台だったのだがそのあたりはどうなのだろうか?

 まず、「チョイノリ」の基礎知識だが、この低価格なので
中国生産?なんて思いますが、実は純国産生産なのです。
ちなみにエンジン組立は静岡県浜松市の本社工場、車両組立は
愛知県の豊川工場なのです。 
  
 各部品のコンパクト化、新開発エンジン・新設計フレームの採
用、樹脂部品の集約等により従来車との比較で約4割の軽量化。
さらに部品点数を約3割も削減し、ボルト・ナット類の締め付け
箇所を約5割削減など設計・生産段階から合理化を追求したことで
この低価格を実現しているのです。

 だからなんと驚きの乾燥重量は39kgと超軽量!

 それなのにカラーバリエーションは、材料から着色樹脂を使用
して塗装を省略して、白、青、黒、黄、オレンジ、ベージュの6
色を用意した事が特筆される

 この専用設計のエンジンの馬力は驚きの2馬力。
確かモンキーでさえ4馬力だったはず。

燃費は30km/h定地燃費で76km/リットルの低燃費。 
 
 距離計、燃料警告灯、リアサスペンションは無し、
メットインスペース、コンビニフック、リアキャリア別売り。
速度計は40キロまで。ここまでが基礎知識。

 そこで気になるチョイノリの売上!
当初の月販目標は二千台でしたが、発売初月の2月が4500台、
3月5500台で併せてなんと1万台を生産出荷したそうです。

 つまり全部売れてれば、2ケ月で59800円の1万台ですから末端
約6億円です。まぁ月平均2億で12ヶ月の一年で20億から24億と
推定、台数で33000台から40000台といった感じです。

 さてこの売上は高いのでしょうか?

 まず全体把握ですが、バイクの国内出荷台数は2000年が78万台
まで落ち込み30年前の水準と騒がれましたが、2001年には75万台
となんと10年前の半分以下になっていますからチョイノリの占め
る割合は4万台で5%となります。

 ちなみにメーカー別でみるとホンダが40万7702台、ヤマハが21
万6823台、スズキが10万6621台、カワサキが1万9540台ですから
スズキさんとしては大躍進といえるでしょう。カニバリが気にな
りますが・・・

 直近2003年5月の50cc原付の国内出荷が44,945台ですから、もし
この月4400台売れてればチョイノリで10%ですから快挙でしょう。

 まぁこれだけ売れるとホンダさんが黙ってはいないでしょうけ
れど・・・

 そんなわけでスズキのお店に行って来ました。

 それで実物の「チョイノリ」を見てカワイイの連発。
極限まで削られた肉体は、いまどきセルモーターではなくて
キックでエンジンを始動させる徹底ぶり。

 試乗はしなかったのですが、最高40kmの常に限界走行のバイク
に僕は自転車を買うように、おもわず買いそうになってしまいま
した。
 そんなわけで店員さんに
「もし買うんだったら、今日もって帰れるの?」と質問をすると

 原付といえども、ナンバープレートが無いと公道は走れないの
ですから・・・まず市役所に行って、申請して・・・と煩雑なのです。

 あたりまえと言えばそれまでだけれど、これだけ製品がお手軽
なのに、これじゃあ台無し!

急に購入意欲が冷めちゃいました。
(まぁ真剣に買おうとは思ってはいないけれどね)

 これは何か仕組みで解決しなければね。

 とりあえずレンタルでまずもって帰ってもらって、料金の設定
は59800円です。返品防止のため!そもそも買うつもりなんだから
ね。まぁ料金の問題は置いといて、そのあたりにヒントがあると
思うんです。保険の契約を先にするとか?書類をほとんど記入さ
せちゃうとか、なんらかの手はあるはずです。

 スズキさんがんばって!

皆さんも、製品の開発手法、原材料からのコストダウンを行い
カラーバリエーションは6色展開など、コロンブスの卵的根本か
らの解決など、見習う点は多いのではないでしょうか?

 「チョイ」というコンセプト。

「チョイぱそ」や「チョイぐるま」に「チョイコピー」などなど
「チョイオーディオ」?など商品開発に一視点!

 後は販売にひと工夫すればさらに大躍進か?

 
  2003年07月02日   岡崎 太郎