少し古いデータだが、2000年度の日本における第一種、第二種
の広告郵便物(いわゆるDM)の数は、なんと32億1,200万通とい
う莫大なモノ、とりあえず1通50円で計算してみると1600億円と
いうわけで、周辺産業(デザイン・封緘・企画等)まで含めると
莫大な市場規模になる。
ではスパムはどうだろうか?
これはなかなか算出が難しい。郵送料という感覚では計算でき
ないし、流通量も特定が難しい。
ちなみにネットの広告代理店を使う場合は一通3円から20円く
らい、自分でメルアドを取得して自作サーバーでスパムをばら撒
くのであれば、やり方によれば送付料金はゼロでも可能だ。
つまり郵便dmに比べて格段にコストが安いことがスパム万歳
というべき、まるで無法地帯と言うべき、めちゃめちゃな状態を
作り出しているのだ。
なにせ僕の場合、今朝のメールチェックで新着160件中の143件
がなんと外国からのスパム。
「なんじゃこりゃ?」ですよ「おいコラどうなってんねん」です
よまったく。英語の文面の最後に「no more」、つまり
オプトアウト。ここのメルアド書いて返信すれば、配信を中止す
るという仕掛けのつもりらしいが、
「お前ら嘘つくなよ」ここに書いてくる奴は、奴で別のDBで
管理して、そのうち別の会社からスパムを送るつもりだろう!と
疑ってしまうのは当然だ。
しかもオプトアウトのページには、丁寧にスパム撃退用のソフ
トのバナー広告。
「おいおいお前ら敵じゃないのかよ」
「グルなのか?」それじゃ、美人局と同じ構造じゃないか。
googleで僕のメルアドを検索してみると、なんと3件も
表示されちゃっている。これも原因と考えられる。さっそく削除
依頼のメールを送る。
しかし根本的な解決は、ないのだろうか。ベクターでも迷惑メ
ール関連のフリーソフトを2本ダウンロード。
ついでに、前述の撃退ソフトの30日試用版も試してみる。
英語がよくわからんので効いているかどうかは後日報告をお楽
しみに。
しかし、郵便物とスパムを比較すると、郵便物の場合、コスト
はすべて送信者持ちだが、携帯へのスパムやモバイルユーザーへ
送られたスパムの場合、実はスパムを受信した側つまりユーザー
がお金を払っているわけであり、メールのサーバを管理している
プロバイダにしてみても、必要以上の設備投資やスパムの対策費
等の負担をかけている。
そんな事情から国内では、法的な対策も厳しくなってきている
出会い系などの携帯向けスパムが世間を騒がせた平成14年の「特
定商取引に関する法律」の改正で、本人請求に基づかない広告メ
ールはメールアドレスと解除方法を明記しなければならなくなっ
たほか、表題部に「未承諾広告※」と掲げることが義務付けられ
た。
違反した業者は指示または業務停止命令の行政処分を受ける
わけで、悪質事業者への罰則は、指示違反の場合は100万円以下
の罰金、業務停止命令違反の場合は300万円以下の罰金または2年
以下の懲役またはその併科(法人の場合は3億円以下の罰金)。
この改正で国内のスパムメールは激減したのだが、アメリカ発
のスパムは増加の一途だ。
行き過ぎたイタチゴッコに解決の糸口はあるのだろうか?
下記はベクターで見つけた迷惑メールソフト。
■迷惑メール削除法案
http://www.vector.co.jp/soft/dl/winnt/net/se286672.html
Outlook Expressのレジストリを書き換えることで、通常設定
できない特殊なルールを追加し、迷惑メールを自動削除できるよ
うになります。主に海外からのフリーメールを利用したスパムを
ターゲットに。
■SpamHoiHoi
http://www.vector.co.jp/soft/win95/net/se220621.html
英語や中国語で書かれたワケの解らないメールを受け取っていま
せんか?「受信トレイに一度でも入ることすら許さん!!」という
神経質な人向けに、メールを取ってくる前に削除してしまおうと
いうのがこのソフト。
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ちなみに国内の郵便物の引受数はこちら、各カテゴリーほぼ
8年ぶりのマイナスで、それぞれ2%のダウン。
これはeメールの利用拡大が原因と考えるのが一般的だろう
http://www.japanpost.jp/pressrelease/japanese/yubin/030514j201.html
(年賀は4.6%のダウン。さて今年は、もっと減るのだろうか?)