379-融通

 

今週も東京に出張である。

 東京の宿泊はホテルなのだが、羽田空港が基点なのでどうして
も品川か浜松町周辺を利用することが多く、ここ最近は「品川プ
リンスホテルの新館」を使うことが多い。

 

理由はアクセスとコスト、そして予約。

 急な出張が多いため、実は「予約」を入れやすいというのは中
々ポイントが高いのです。これは客室数と人気に関係してるのだ
が「品プリ」の場合、新館が満室でも・別館・本館・エグゼクテ
ィブタワーのすべてが満室という場合は少ない。

 つまり一回の電話で予約が完了するわけで、予約できないから
他のホテルを探すという面倒が無い。

 また同じホテルを利用していると自動販売機はどこにあってチ
ェックアウトの込み具合はどの程度で館内のレストランやメニュ
ーの味などを知っているので、安心感というか気心が知れている
ので疲れなくていいと思う。

 実際、打ち合わせ等で新館2階のカフェに6時間なんて長時間
居座ることがあるが、最近は事務所の会議室にいるがごとく違和
感がなく快適。

 そんなわけで「品プリ」なのだ。

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 ところが今回、「お受験シーズン」のお陰で予約がとれなくて
困った。楽天トラベルで周辺のホテルを探すけれど、3泊の連泊
での予約が難しく、ホテルの手配に数時間を要した。

 最終的に昨年オープンした汐留にあるヴィラフォンディ-ヌを
予約。このホテルは「ゆりかもめ」に直結していてアクセスもよ
さそうだしなにせ室内のサイズと設備(特にベッドが広い)がナ
イスな割りに料金が安い。

 なんとオープン記念で1万円ポッキリで朝食までついている。
(ずいぶん前からJR新橋駅の看板で気になっていた)

 僕は漠然と「こういった事がきっかけでブランドチェンジって
おこるんだよなぁ」なんて思ってしまった。

 なにせこの5年間ほとんど「品プリ」だったのだから。

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 さてアクセス・料金・設備と三拍子揃ったこのホテルだが実際
はどうだったのか感想を述べたい。

 まず点数は68点。品プリと比較してみたい。

 設備は三重○。価格も三重○。アクセスは△。予約は△。

 まぁこんな感じである。こう書いているうちに思ったことが数
点ある。それは「融通」である。

 こんな事から感じた。

 実は予約の手違いで、3泊予約したつもりが2泊しか取れてい
なかった。確認しなかった僕が悪いのだが、当然フロントで3泊
目をお願いした。

 すると「満室です」との返事。
「まぁ仕方ない」ただし問題はここからである。

「キャンセル待ちは出来ますか?」と僕。
「申し訳ありません。当館ではキャンセル待ちというシステムが
ありません。お客様の方からお尋ねいただけますか?」とこれで
終わり。

 状況は、夜遅めのチェックインでフロントには僕一人。

 この対応には正直不満を感じた。
「ところでこちらのホテルは人気ですよね」と僕が尋ねると
「はい。お陰さまで・・・いつもお客様からキャンセル待ちはで
きないのと尋ねられるのですが・・・」との返答。

 しかし話はそこで終わり。

 これは発想が貧弱というか、お客様のことを考えていない。

 ホテルというのは、顧客の利便とストレスの緩和に最大限の努
力をするべきではないのだろうか?それがホスタビリティーでは
ないのか?

 「近隣のホテルの予約を確認する」または「近隣のホテルのリ
ストを渡す」など考えられないのだろうか?

 努力可能なはずである。 

 しかしこの日は「お受験シーズン」どこのホテルも満室。
部屋のインターネットから検索した結果、この宿泊したホテルの
お隣「パークホテル」を予約した。料金は26000円。正直ビジネ
スで使うには高いが仕方がない。

 そしてチェックアウトの朝、フロントでのやりとり。

「すみません。キャンセルは出てませんか?」

「申し訳有りません満室でございます」

「そうですか・・・ところでこの荷物をお隣のパークホテルの
フロントに持って行ってもらえませんか?」
(寝坊してしまい待ち合わせまであまり時間が無いという状況)

「すみません。当館そういうサービスはしていないんです」

とチェックインの時と同様で配慮の余地はなし。これには正直呆
れた。ほんの10分あればできることである。

 融通というか何か代案は出せなかったのか?

 せめてクロークで荷物を預かりましょうか?とか言えなかった
のだろうか。

「リッツカールトンホテル」だったらどう対応しただろうか?

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 やはりホテルというのは全体最適なんです。石森章太郎の漫画
「ホテル」のようだが、細かい点をいえば、マッサージのおばち
ゃんの質が悪かった。愛想がない。優しさがない。これも減点で
あった。従業員の自覚が薄い。

 これはホテルの歴史が作る文化かも知れない。

 そんなわけで、今日はパークホテル。最高のホスタビリティー
を感じたいものだ。

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  2005年02月24日   岡崎 太郎