407-闇縛り

 

経済的な自立と精神的な自立があると思うんですが、精神的な
自立については、ちょっとおもしろい話がある。

 
師匠の橘川さんから聞いた話なんですが、彼が28歳くらいの
時になんだか怪しい修行の一環で「闇縛り」という荒行を自宅の
風呂場で真似してやったそうです。

 

 窓とドアの光はメバリで遮断して、本人はすっぽんぽんで目隠
し。食事は一日一本のバナナ。一応友だちが死んじゃいけないっ
ていうんで交代で見張ったそうです。

 一日目は、まぁ大丈夫だったらしいんだけど、真っ暗なうえあ
んまりにも無音で静寂なもんで、だんだん自分が存在しているか
どうかわからなくなってきて・・・

 二日目は、目隠ししているから自分の体が見えない。

 立っていても座っていても自分の高さや大きさが曖昧になって
いくのが怖いから壁に身体を押しつけたり自分で自分の体を抱き
しめたり触って存在を確かめたそうです。

 三日目になると、今度は自分の細胞が自分の意識に対して
「ばかやろう!なにやってんだ死んじゃうだろ」ってな感じで
暴れだして大声で怒鳴りだし

「出せーもういいから出せ!」って一日中暴れたそうです。

 でも外にいる友だちは「おお橘川頑張っているな」それだけ大
きな声が出せるなら、まだ体力があるんだろうから大丈夫。あい
つも絶対あけるなって言ってたから」なんて感じでいたそうです。
 ところが4日目の朝、あんなに怒鳴って暴れていたのに、すっ
かり怒鳴ることをやめた途端、友達の方が、もしかして橘川が死
んでるんじゃないか驚いて、急いで目張りを外し風呂場をあけた
そうです。

 橘川さん曰く、もういいやって全部投げだしちゃった瞬間に俺
と友達の間で恐怖が移動したんだよね。これ闇縛りに対しての闇
返しなんだ!って笑って話してくれた。

 まぁなんとも変な話です。


 これは極度の心配性な彼氏が彼女に、毎日20回以上電話をし
て「今何しているの」「今日は何時に会える?」という場合もお
こりやすい現象だ。

 当然彼の過剰な行為に彼女はうざいなと思っているわけですが
これが三カ月四カ月続いたあと、ある日ピタリと男が連絡を絶っ
たとします。

 そうすると、めんどくさいなあと思っていた彼女の方が反対に
男に電話をしまくっちゃったりする。

 これなんて、まさに闇芝居の闇返しですね。

 うーんなんだ今日のメルマガは・・・

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  2005年05月31日   岡崎 太郎