446-■報酬と税金の関係を知らずに先には進めない-1

 

 社長(個人)と法人の報酬は、片方を増やせば片方が減るとい
う逆相関関係にあります。

 

 ですから社長の報酬を増やせば当然社長個人にかかる税額が増
える反面、会社の利益は少なくなりますので法人の税金は減るこ
とになります。

 まぁ当然の話です。

 それでは、社長(個人)と法人の税率がほぼ同じになる報酬額
はいくらなのでしょう。

 ポイントは収入ではなくて所得を考えるのがポイントなのです
が・・・

 答えを先に言ってしまうと、社長(個人)の報酬が年間2500万
円(所得は約2250万円)になります。

 これ以上の報酬は会社でも社長(個人)でも税率的の差がなく
なります。(差がないのであれば、どちらに残すかは社長の考え方
次第ということになります)

 社長(個人)と法人の手取額の合計が、いちばん最大になる選
択は、年間で2500万円まで社長(個人)に報酬を払い、残った利
益から法人として税金を払うのがお得という事になります。

 さて、知っているようで知らないその税金。もう少し説明して
おきます。起業する上でも税金は必要不可欠の知識ですから、法
人にかかる税金と社長(個人)にかかる税金の種類およびそれぞ
れの税率の違いだけでも覚えておきましょう。

■個人
所得税
市民税(各市町村によって税率が違う)・
県民税(各県によって税率が違う)

たとえば
個人の所得税は所得額に応じて4段階で税率が変わります。

 330万まで10%
 900万まで20%  -33OOOO円を引く
1800万まで30% -1230000円を引く
1800万以上37% -2490000円を引く

■市民税            ■県民税
 200万円以下  3%         2%
 700万円以下  8% 100000円   2%
 700万円超   10% 240000円    3%  70000円 

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■法人
法人税
事業税
法人市民税(各市町村によって税率が違う)+均等割税額
法人県民税(各県によって税率が違う)  +均等割税額
留保金課税

 法人税は税引き前利益に対して
800万円までは22%、
800万円超える部分から上に30%
 という2段階で計算されます。

次に大きな税金が事業税です。

事業税は資本金や従業員または支店数によって、また各県や市町村
によって軽減税率の適用ルールおよび税率が若干違います。

福岡の場合、事業税の税率は400万以下が5%・800万までが7.3%
800万を超える場合は9.6%を税引き前利益に乗じて計算します。

つぎに法人にかかる市民税と県民税です。

諸条件がなかなか細かいのですが資本金1000万以内の法人であれ
ば、だいたい法人税の20%程度です。(税率は各自治体によって
異なります)また、利益があってもなくても市と県あわせて7万
から8万円の均等割の税が上乗せになります。
(法人の大きさによって細かく規定されています)。

注意 税率に関しては年度によって特例措置等が施行されますので
かならずご確認ください。

さて次回は、わかりやすく具体例を挙げてみます。
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  2005年09月08日   岡崎 太郎