454-年金

 

 僕の関心事のひとつに「年金」がある。先の選挙でも日々の新
聞でも「年金」は実にピンと来る。
 

 そんなわけで、新刊「すごい!自己啓発」の文中、年金につい
て書いた。詳しくはぜひ読んで頂きたい。

 そういえば先日の新聞にも年金絡みの記事が、米国のハリケー
ンの記事の隣に掲載されていた。

 内容を要約すれば、未納中である莫大な国民年金のうち時効を
迎えた額の合計が今年度に10兆円になるそうだ。

 10兆円?

 あまりに非日常な桁であるため大きな数字であるのはわかるが
ピンとこないけれど、凄い額であることはわかる。
(ちなみに納められた年金の5年分に相当するそうだ)

 国民年金の月額は13580円であるから、割り算で何ヶ月分?で
何人が未払いなんだろう?

 ちょっと前に別の記事で40%の国民が不払いとあった。

 なかなかタフな数字だ。

 しかしなんでこんなに払わないんだろう?

 払えないのだろうか?月1万ちょっとが・・・

 65歳から毎月66000円の小遣いでは少ないと反抗しているのだ
ろうか?40年も13580円も払ったんだぞ!てな具合で・・・

 しかーし国民年金を投資と考えるとなかなかの金融商品だ。

 ちなみに昔は毎月の掛け金も安かったはずだから。まぁ平均月
10000円を40年掛け続けたとして480万。

 戻ってくる金額といえば。

 65歳から100歳まで生きるとすると35年間毎月66000円支給され
るわけでなんと2千772万円だ。

 480万が2772万。

 おおおお!凄いまる得じゃん!と思うのですが。

 反論として「俺は長生きしないから・・・」との声が聞こえま
す。

 しかし計算してみて下さい。65歳から71歳まで丸々6年受け取
れば収支はトントンです。年金が破綻しなければという前提で言
えば、人並みに長生きさえできれば儲けがでるわけです。

 リスクは極めて低い。国がデフォルトした時は、たぶん貯金も
株式市場も全部駄目なはずで、それは戦争時と同じレベルでヤバ
い。

 確立はゼロではないが、国も馬鹿じゃない。たしかに30年後は
わからにけれど・・・

 さてこう考えてみると、月10000そこそこの金額をなぜ払わな
いのでしょう。ますます疑問が大きくなります。

 制度がコロコロと変わりそうな感じだから?65歳支給が70歳に
なるとか・・・金持ちへの支給は減らすとか・・・
 国を信じてないのでしょうか?

 うわさのようなニュースがもっともらしく流れています。
 僕はそんななんとなくのイメージが問題だと思うのです。

 だからこそ、国はとにかく明確に「絶対払う」と約束を宣言す
ることが先決だ。
 
 なにせ現在でも税金に厚生年金からの持ち出し等、あらゆる手
段で66000円を死守しようとがんばってる(逆に言えば、このこと
事態が不公平を生んでいるわけだがわけだけど)とにかく宣言す
ればイメージはずいぶん回復する。

 ところで、年金問題と騒いだお陰で巷の理解は「どうも年金は
もらえんらしい」「逆ピラミッドな人口構成では土台無理」とい
う意識になってしまった。

 しかし諸外国と比べても結構立派な制度だと思う。

 どうも実態以上にイメージが悪くなりすぎちゃった。おかげで
払わない人が増え結果もっと払わない人が増えた。このままでは
ほんとに立ち行かなくなるんじゃないかな?

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 年金もたしかに問題なんだけど、100歳になって楽しく生きれ
るかも大きな問題なんだ。

 もし年金以外に収入がないと月66000円じゃあ長生きしても楽
しくない。年金を小遣い程度に考えられるくらいの資産を別も持
てればきっと精神的にも豊かだろう。

 もし資産が2000万でもあれば、金利5%で100万。年金と併せれば
充分生活は可能なはずだ。

 今必要なのは具体的な議論なんだよね。

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  2005年09月28日   岡崎 太郎