473-DNYD2 デイリーニューヨーク日記 No2 1/2

10月26日 

 どうも時差ぼけで眠れない。朝の4時くらいから一時間おきに
目が覚める。

 

 16階にある部屋の窓から街を眺めると、小雨のせいで少し霧
っぽいせいかビルから漏れる明かりで大気が墨絵に濃い橙色を滲
ませたような色をしていて妙に感傷的だ。

 でも読書という気分にもなれないのですぐに寝る。そんなこと
を繰り返していたら、少しづつ外が明るくなってきた。

 朝焼けになるかもしれない・・・

 そう思いカメラに手を伸ばす。

 ビンゴだ。左の方から空が明るくなってきた。僕は急ぎシャッ
ターを切り画面で写りを確認しながらホワイトバランスと露出を
調整する。

 橋をとらなきゃ!21階のラウンジがベストだろう。

 僕はダウンジャケットを羽織ると右手にカメラを持ち部屋を出
る。エレベータが遅い。急げ朝焼けは短い。

 ラウンジは夕方のみのオープンらしく誰もいない。
僕は逆光に照らされる橋と河を夢中で撮影した。

 しかし屋上からは少し斜めのカットしか撮れない。正面からの
カットも狙いたい。

 今度は急ぎエレベーターで一階に向うと正面玄関のドアから飛
び出した。

 鱗上の雲がすっかりピンクに染まっていた。すぐにカメラを構
える。数枚撮影し結果を確認する。

 なかなか見たままの色を撮影できない。

 次のポイントを探す。僕以外の人影は無い。まだ朝の6時だ。

 橋を真ん中に捉えながら動いていく。通りには通勤だろうか車
が増えてきた。強烈な太陽が昇ってきた。振り返ると朝日を正面
から受け眩しそうな高層ビル達がいる。

 こっちもあっちも僕はどんどんシャッターを切る。なにせデジ
カメだ。同じアングルをシャッタースピードや露出を変えながら
数枚撮影しておく。後のお楽しみだ。

 頭上では橋に併設されたまっ赤なボディーのトラムがドンブラ
と動き出した。ルーズベルト島を結ぶロープウェイだ。

 そんなわけで乗ってみよう!
 トラムからの景色もきっと最高だろう。

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 トラムは滑らかにスルスルと上昇すると、ちょうど河の真ん中
に細長くあるルーズベルト島まで約3分の片道でちょっとしたエン
ターテイメントだ。(でも島には病院と居住用のビルがあるだけ
でトラムに乗ってる方が楽しい)

 さて今回はこの橋を何枚撮影するんだろう?

 30分程度でホテルに一旦戻る。

  2005年11月04日   岡崎 太郎