543-90.2

タイトルの90.2は、日本の原油輸入における中東依存度の
数字である。


 中東依存度90.2%
9割を超えたのは37年ぶりだそうだ。

 国内需要が大幅に増えたために輸出が少なくなった中国原油の
影響と言うが、あまりにも偏り過ぎている。ちなみにアメリカの
中東依存度は約20%(5億バレル)。

 その中東がかつてないほど緊迫の様相を呈してきた。

 サウジアラビアの石油精製施設を狙った自爆テロ攻撃。核開発
をめぐって新たにアメリカが緊張を打ち出したイランとの対立。
依然鎮火しそうにないイラクの内戦状態。

 おかげで「とうもろこし」の先物相場まで高騰している。

 石油代替品として注目されているエタノールの原料だからだ。
もちろんエタノールも急騰していて2005年春と比べ約2倍まで達
した。戦争勃発の予感にゴールドも高騰。

 先のオカザキマガジンで紹介した食料や水の自給率もそうだが
石油を筆頭にしたエネルギーの問題も待ったなしにヤバイ。

 そんな理由から第三次世界大戦級の戦争がはじまれば、日本は
簡単に干上がってしまう。

 その時、マンションのエレベータもすべてストップ。田舎から
都市への流通もすべてストップ。インフラというインフラがアウ
トになる。車なんてガソリンがなければただの鉄くず。

 一気に一世代前の生活におし戻されるだろう。

 備蓄されてる量次第だが、何ヶ月分だったかしら?
 しかも原油の急騰には歯止めが掛からない。

 中国・インド・ブラジル・東南アジア・そしてアフリカ・これ
から猛烈な勢いで自動車が経済が石油をエネルギーを消費はじめ
る。原油が安くなるなんて長期的にはあるのだろうか。

 太陽光発電や水素系の出力アップの開発に期待したい。それま
で天然ガスにエタノールやバイオディーゼル。そして風力に地力
に水力そして核といった発電システムで石油を代替するしかない
のである。
 
 1バレル100ドルを超えても「買わない」と言う選択肢を持
たない日本。その時エネルギーは金で買えるという幻想が壊れる
時かもしれない。

 

  2006年05月01日   岡崎 太郎