572-リーダーシップの本質

 リーダーシップを発揮するためには、発揮する側とされる側と
の間に信頼関係が必要であり、これが本質の入り口である。


 では信頼を得るリーダーとはどういった信条を持つ人だろう。

 それは小さな約束を実直に守る人間である。

 それは自分の間違いを認める勇気をもった人間である。

 それは相手を思いやる心を持った人間である。

 それは深い愛情を惜しみなく提供すると決意をした人間だ。

 それは力で相手をコントロールできないと知っている人間だ。
(暴力による強制やこれをやればあれをあげるよといった取引の
関係ではない真の力で相手と関係しようとしているかが問われて
いるのだ)

 それは向上心を失くさず努力を続ける人間だ。
(過去の栄光にすがるようなリーダーに魅力はない。常にリーダ
ーは成長し続け追いつけないなぁと尊敬される存在が望ましい)

 それは表面的な問題解決に終始せず問題が発生する根本を見定
めその根本的な部分への働きかけを忍耐を持ってあたる人間だ。
(表面の問題は左脳的にシステムで解決できる。しかし根本が解
決されてなければ同様の問題が繰り返される。根本の解決には右
脳的な解決力が必要とされる)

 それは理屈ナシに相手を理解しようと受け止める人間だ。
(理屈で考えると損な役回りでも腐らず大らかに対処する人間で
なければ信用はできない。損得を超えた世界で物事を見切れる人
間が大きな人間だ)

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 考えなく発した軽い一言で相手を苦しめることがある。その一
言で人間性が透けて見えることがある。信頼の残高が一瞬でマイ
ナスに堕ちてしまうことがある。

 口は災いの元とはよく言ったもんだ。

 相手がどう受け取るかを熟考したいものだが、もちろん全てを
考えることなど不可能だ。だからといって考えなくていいわけで
はない。できるだけ失言を減らす努力を行い、想定外の反応には
誠意で対応するしかない。

 そのためにも日頃からの信頼の預け入れを怠ってはいけないの
である。信頼残高が高ければ少々の失言は中和される。

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 リーダーとして認められる人格を磨かなければならない。

 その努力は人前ではもちろん人の見ていないところでも継続し
なければならない。

 なぜなら信頼を裏打ちするのは「尊敬」という感情が影響する
からである。

 尊敬されるに値される人物とは、深い思慮に溢れ、礼儀礼節を
わきまえ、問題の矢面に立つことから逃げず、知的好奇心に溢れ
模範となる行動言動を示す者である。

 また真面目一本やりの成人君子ではツマんない。この人みたい
に成りたいと憧れをもたれる存在になるためにはキラリとしたジ
ョークで場の雰囲気を一瞬に変えるスキルやお洒落も大切だ。

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 深い思慮を体得するためには試練が必要なようである。数々の
理不尽な修羅場を体験しなければ達することは難しいようだ。
(現実多くの尊敬する先輩は修羅場を通り越すことで人間として
の迫力や洞察の鋭さを学んだと聞いている)

 だからといってわざわざ修羅場に足を突っ込むことはない。

 きっと必要な時期に必要なトレーニングがやってくるだろう。
その時には逃げずに構えを開き物事に対処したいものだ。

 なんか重たい内容になってしまったが、リーダーの資質は多岐
にわたる。その資質のすべてを身につけることは不可能だが強い
部分が弱い部分をカバーすれば問題はない。完璧な人間などいな
いのだからね。それに未熟さをカバーしようとして背伸びをした
ところでいつか嘘は露呈する。誠実さはリーダーの持つべき大切
な資質のひとつだと思う。

 この人は信頼できると相手に感じさせる気を身につけるべく修
行を続けていこう。

 

  2006年08月02日   岡崎 太郎