574-ジャパンネット銀行

 2年ほど前に口座開設をしただけで一度も使用していないジャ
パンネット銀行からDMが届いた。


 今までも何度かDMはもらっていたのだが、シンプルな封筒に
これまたシンプルな案内文だけだったので、そのうち中も見ずに
処理していた。

 ところが今回はなかなか手の凝ったDMだったのでちょっと
紹介してみたい。

 体裁は官製ハガキサイズで厚みが1cm。ビニール袋にコンパ
クトに収まっている。送付方法はメール便だ。

 何だろう?

 まるでポケットティッシュのようだが中身は何だろう?

 僕は袋を開け中をみた。

 何だ?

 ダンボールが3枚ほど重ねてあり。真ん中にはUSBメモリー
らしきモノが納まっている。

 さっそく取り出してみる。

 予想とは違いUSBメモリーでは無いようだ。(紛らわしい)
 
 同封の取り扱い説明書を見る。

 なになに?

 「ワンタイムパスワードだって?」

 読み進めるとその小さな機器の白黒液晶に表示されている6桁
の数字が60秒ごとに変わるそうで、この番号をネットに入力す
るとアクセスできるという最新のセキュリティーシステムだそう
だ。

 たしかに安心のようだが・・・

 なかなかその概念、新し過ぎてよくわからない。

 ちなみにこの機器のことを「トークン」と呼ぶそうだ。

 ははぁ・・・

 説明書にはたくさんの文字で説明を試みている。
 Q&Aもある。

 でも読めば読むほどわからないことばかりだ。

 僕がわからないという事はわからない人がたくさんいるという
事だ。

 さてここで問題だ。

 僕はこの銀行へアクセスするためのIDを忘れてしまっている
なにせ一度も使って無いんだもん。まったく覚えていない。

 ちなみにこの新システムへ移行する手続きには、その忘れた
IDが必要になる。

 あはは。使えない。作業できない。
 
 どういう想定をしているんだろう。

 どうも顧客状態を想像できていないと思われる。

 もちろんこの方式を採用するかしないかで会議は大変だったろ
うね。

 でも本当に他に安全な方法はなかったのだろうか?

 たしかにハッキングの手口はどんどん巧妙になるからこれで充
分ってのは無いけれど。一回の事故が信用問題になるのもわかる
けれど。

 でも60秒ごとに変わる番号を確認するために、そのトークン
という機器を持ち歩かなければいけない。車の鍵にでも着けるの
だろうか?財布には入らない。まぁ持ち歩かなくともそれは小さ
くてすぐに引き出しの中でさえ何処かへいってしまいそうだし。

 失くしちゃったら最後、再発行まで使えないわけだけど。

 毎日使う顧客はどうするんだ?

 どうやって生活と折り合いをつけるんだろう。

 そう考えていくと、なんだ?この仕組みは?

 安全と差し替えに使い勝手は悪化するのは常だが、経営的に見
て、ユーザーが便利悪さに離れるというシミュレーションはしな
かったのだろうか?

 新しいチャレンジは認めたいのだけど・・・

 大丈夫なのか?
 僕の心配することではないけれど。

 

  2006年08月09日   岡崎 太郎