575-レコード

 時代はアナログに回帰すると思われたが・・・

 アナログからデジタルへの流れが一巡した後、揺り戻しの如く
デジタルからアナログへの還流が起こるのは自然の流れかも知れ
ないが時代を振り返るとそうでもなかった。


 

 しかし一部にはマニアがいる。

 レコードに関しても同様でCDに押され家庭から排除され尽く
されたと見えるレコードだが、DJ需要と一部のマニアに愛され
野太く生き残っている。

 アナログの良さは、この「野太さ」である。

 これはデジタルには敵わない。
 優等生には無い味わいとも言える。

 先日、アルゼンチンボッサの名盤「Sebastiao Tapajos」のレ
コードをネットで手に入れた。ヤフオクでは16000円と言う高額
で取引されているのだが、なんと復刻版を3000円で手に入れるこ
とができた。

 そのおかげでターンテーブルを買うはめになった。

 実は当初一万円程度の機械でと軽く考えていたのだが、いざ買
う段階になって気が変わり結局テクニクスのマーク5を手に入れ
た。もちろん同時にカートリッジも買った。しめて約60000円の
投資となった。(パナソニックの音響ブランドがテクニクス)

 一枚のレコードを聴くための投資と考えると面白い。
 まさかターンテーブルを買うとは思ってなかった。

 そんなこんなで家で眠っていた中学生時代のレコードを事務所
に持ち込んだ杉真理・大滝詠一・佐野元春のナイアガラトライア
ングルメンバーに尾崎豊にヴァンヘイレンにナイトレンジャにR
ATTにモトリークルーそしてマイケルフォーチュナーにデビッ
ドボーイにBBキング(なんかバラバラですね)その他。

 暑い中、街に出ては中古レコードをジャケ買いした。
 スタッフの1人も家から懐かしのレコードを持ってきた。

 事務所は80年代一色になった。
 
 軟弱な邦楽ビート系は録音が悪く、もう聞くこともないかとい
う感想なのだが洋楽はCDなんか目ではない。

 とくにボブマーリーのタフコングから出てるオリジナル盤なん
て凄い。神様ボブの息吹きが再生される実に鳥肌もんだ。それか
ら驚いたのは未だ現役のセルジオ・メンデスの名曲マシュケナダ
のオリジナル。女性ボーカルとメリハリの効いた演奏。

 とにかく素晴らしく野太いのだ。

 デジタルの理屈は吹っ飛んだ。アナログいいじゃないか。


 

  2006年08月10日   岡崎 太郎