695-インターフェース

 グラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)とは、ソフトウェ
アーの画面デザインのことだが、GUIで肝心なことは


操作を間違え難いこと・操作がスムーズに流れること・シンプルステップ
を心がけることの3点に加え、フレンドリーなデザインを採用することだ。

  操作を間違えないとは、言葉の使い方や選び方にはじまり、ボタンの大き
さやデザインを、その重要度や頻度によって設計することである。

 たとえばドコモの位置確認サービス「イマドコサーチ」を例に言葉の使い
方を考えてみよう。

 携帯の設定画面には、「探される方」というのがあるが、これは相手を
探す側のことなのか、探そうとしている側のことなのかが判別しにくい。

 この言葉に続く「探す方」という表現とセットではじめて、どちらを指す
言葉かが明確になる。それにしても「探される方」を他の表現に置き換えら
れないものだろうか?主語の問題かもしれないが、とにかく紛らわしい。 

 また、先日も誤った操作で携帯電話の電話帳を全消去してしまった。
ぼんやりと別の事を考えながら操作していて、思わずうっかりやってしまっ
たのだが、そもそも一件削除と全件削除が同じリスト上にあるのは安易すぎ
る。確かに確認のページが表示されていたが、いつもの調子でポンポンと
クリックしてしまった。うっかりで削除してしまったわけだが、うっかりミ
スを回避できる方法はいくらでも考えられる。たとえば画面の色を赤に変え
るとか白黒点滅させるとか、ともかくお金をかけずにできることがある。

 もちろん電話番号預かりサービスなどのバックアップサービスは有効だが
もっとリスクを考えて「復旧サービス」など用意して欲しいと思う。
とくに携帯はやり直し機能がない。
 
 次に操作がスムーズとシンプルステップだが、もっとも代表的なのは、
アマゾンの1クリックだろう。事前にある設定をしておけば、1クリックで
購入が終了するというものだ。

 できるだけ入力の手間や重複を排除し、簡単シンプルなフローを構築する
ことだ。たとえばカーソルが移動した時点で、半角カタカナで入力してほし
ければ、IMEを適切なものに切り替えるようコントロールしておくのは当
然である。また最低限欲しいものだけに入力項目を絞ることはもちろん、
重要なものとそうでないものの優先順位を明確にすること。その際既存のル
ールを考えすぎると大きく変更できないので、まっさらな気持ちと視点で業
務を見直すことだ。実際のお客様の動きや接客の順番を再点検すれば、必ず
新たな発見があると思う。ぜひ点検してみて欲しい。

 そういえば、新幹線のチケットを「緑の窓口」で購入する際、タッチパネ
ルの画面を忙しく操作する職員を見て、もっとどうにかなるだろうといつも
思う。

 覗いていると、入力フィールドが単調でツマラナイ。さまざまなオプショ
ンに対応するためいろいろと追加されて歪になっているのだろうが・・・
もう少しカラフルにできるだろう。

 それから自動処理できる部分があまりにも少ないと感じる。
「おまかせ」と言葉を考えてみると突破口になると思うのだが・・・

 次に情報の一覧性を考えてみよう。たとえば宿泊施設検索であれば、用途
、エリア、人気、料金などの組み合せで並び換わる機能が重要だが、用途に
応じてリストの並びを動的に変更できるシステムは少ない。

 これは設計する時点と実際の運用局面での想定のズレが原因だろう。
JALの特典航空券の予約画面は相変わらず使い難い。なにせ特典のシート
が満席で予約できないのだ。そうであれば、空いてるシートを一発で表示し
てくれた方がストレスは少ない。これは根本的な操作順番が違うわけだが
設計前に想定することは確かに難しかったかもしれない。

 またすべての情報を表示するのではなく、サマリーを上手に活用し、一部
を非表示にすることで情報の閲覧性が向上する。これはヤフーのNEWSな
どでよくつかわれる。タイトルに続いて、本文を抜粋した3行程度のサマリ
ー情報、そして最後に「詳しくは本文へ」というリンクのある表示形式だ。

 情報は絞ることが肝心だと改めて関心させられる。

 詳細な付帯情報が欲しければ、別のページに用意してあるというのは
懐の深い情報体系である。

  2007年12月11日   岡崎 太郎