697-受け入れる

 僕はモチベーションシートという手帳日記術を啓蒙しているけれど、先日
ある若者に手帳の大切さを話していたところ、「現状使っている手帳に別段
問題を感じていない」と言われた。


 

 どうやら僕のアドバイスをケチと受け取ったのかも知れないが、彼の話を
聞いていると、これまで試行錯誤の中で今のカタチに落ち着いたので、変え
たくないという。それも人の心だなぁと想い、彼の使い方を聞いた。

 ところが驚いたことに、それはただノートに書くだけであった。

 このレベルでアドバイスを受け入れる気がないとは、やはり僕のアドバイ
スをケチ程度にしか聞いてないのだろう。

 (上司や先生という立場にある人は、相手に自分の意見を、できるだけ抵
抗感なく受け入れさせる話法や工夫と努力を忘れてはいけない)

 自分の意見に凝り固まり、情報を排除するなら成長はない。まだ自分は発
展途上だという意識を持ち、自分と違う意見を受け入れることだ。

 人間その柔らかさが大事なのである。

 反対に言えば、成長を求めないと、新しいことを受け入れる必要がないわ
けだ。素直さと謙虚さを失っては成長できないと言ったのは、元ボストンコ
ンサルティングで現ドリームインキュベータ会長 堀 紘一氏である。

 そういえば、先日ココシス社長の佐藤氏がこんな事を言っていた。
「子供の頃から、まず断るというコトが身についちゃってるんだよね、
それも知らず知らずのうちにね」

「なるほど、また面倒なことを押し付けられるという、拒否反応や防御反応
なんでしょうか」

「まぁそんなところかな」
 佐藤氏の、この着眼は鋭い。

 さて、モチベーションシートの手帳日記術が既存の手帳と違う点を整理し
ておきます。

 まず特徴的なのは、スケジュールよりも日々の記録を重視すること。

 次に行動から生まれるさまざまな「想い」を記録すること。そしてその想
いを束ねることで、将来の目指す方向や目標がクリアーになること。

 次に「よかった出来事」を記録し感謝の心を養い、自信が育つこと。この
記録を通して、よかったを感じるアンテナの感度がよくなります。

 そして、アイデア体質になるためのトレーニングができること。僕は人生
をより豊かに生きるためには、優れたアイデアが欠かせない考えています。
もちろん仕事もそうですが、大切なことは小さな変化や事象に着眼できるこ
と。おやっ?あれ?なんだ?とピンと感じれる能力を高めることです。

 最後に、これらの記録をグルーピングという体系によって、まとめ振り返
りを行い。人生の質の向上を目指すこと。

 グルーピング技術を使い、アイデアを記録集計すれば、仕事の効率は飛躍
的に向上します。このことひとつをとってもモチベーションシートの独自性
と現場での実効性は特筆するべきものがあります。

 またMSで採用しているマンダラ9マスシートのマーケティング領域での
使い方は、工夫次第で「ターゲットの決定」「コンセプト立案」「企画」
「商品開発」「業務フローの確認」「情報の整理」など多岐にわたり活用が
可能です。

 この部分は僕自身、マーケティングの現場で日々実践し、さまざまな事例
を整理しているので、随時ご紹介したいと考えています。

 まだまだ細かいポイントはたくさんありますが、どうぞモチベーションシ
ートを生活に組み込むことで生まれる質の向上を感じていただければ嬉しい
です。

  2007年12月12日   岡崎 太郎