698-振り返る

 先日、MSユーザーから過去のシートはどうされてますか?と質問をメー
ルで受けた。
 
 答えは、全部保管してくださいである。


 

 聞けば、書き終えたら捨てると言う人もいるようで驚いたのだが、MSに
記録された情報は、人生だと言い切ってもいいと僕は考えているほどで、捨
てるなど考えたことは一度もない。

 過去に縛られたくないという理屈もわからないではないが、縛られるので
はなく、過去を未来の肥やしにするべきだと考えている。

 そのためにも月に一度は定期的に記録されたシートを読み返し、過去を上
手に振り返ること。

 つまり復習である。

 保管方法は、1000円程度で販売されているプラスチック製または厚紙
製のバインダーに日付順に綴じ、背表紙にタイトルを記入しキャビネットに
保管している。

 ただしアイデアや想ったことなど、デイリーシートから転記されたグルー
ピングシートは常用するバインダーに残す。

 とくに仕事上のアイデアやメモをジャンル毎に整理しているグルーピング
シートは絶対で何年分も残している。(意外とコンパクトになり枚数は少な
い)

 思考を再開するツール・方法として最適であるだけに終わらず、思考の整
理、新しいアイデアの源泉としても有効である。

 さてデイリーシートとグルーピングを習慣化すれば、仕事の効率は飛躍的
に向上する。

 最新刊「ザ・モチベーションシート」では、書くことは考えることであり
行動することだと書いたが、紙とペンを使い、手を動かし文字を書くことで
脳が活性化することは、多くの研究や書籍で知られている。

 確かにコンピューターを使えば、検索や並べ替えは便利である。しかし脳
を活性することはできない。

 とりあえず落書き的に書き始めて思考が広がり、そして収斂していった経
験は誰にでもあるだろう。

 しかも紙は液晶と違い、一覧性が高く、見る角度に左右されず、電源もい
らない。電源を入れてからソフトが使えるまでの待ち時間もない。

 また筆跡には、書いた時点での気持ちがずいぶんと反映される。気持ちが
高揚している時は、書かれた字も興奮気味だし、反対に心が静かな時に書か
れた字は丁寧で上品だ。

 これは画一的なパソコンフォントには無い情報です。

(過去に書いたMSを見直してみると、書いた時の感情を思い出してしまう
ことがよくあります。手書きには、パソコンにはない、さまざまな情報が含
有されていることがわかります)

  2007年12月14日   岡崎 太郎