今回の旅行全般におけるテーマは「躊躇なく行動すること」。
このテーマはジンバブエの到着初日、それも空港から車に乗って流れる
風景を眺めていた時、撮影に最適な被写体を発見がリュックからゴソゴソと
カメラを出しているうちに機会を逸したことで理解した。
大統領選挙前の緊張したこの時期、カメラはご法度。ジャーナリストは
厳格に入国が規制されている。僕は何度も撮影に関して注意を受けていた。
(カメラを出す僕の様子を見られて、また注意されてしまった。注意される
のは当然だが・・・)
その日夕方、リコーのGRという高性能コンパクトカメラで撮影を試みた
が、どの写真も腰のひけたツマラナイ写真ばかりだった。とくにこのGRは
短焦点の広角レンズという特性上、通常より一歩も二歩もグイッと近寄るこ
とがよい写真を撮るポイントだ。
アグレッシブルに行動せよ。
躊躇していたら、被写体を逃してしまう。
もうこの瞬間は二度とやってこない。
朝焼けも夕焼けも車からの光景も子供の笑顔も動物も
モノを買う時もそうだ。工業製品のような土産を売る店ならいざしらず、
ほぼ手作業の一点モノを販売している小さな店で、気に入った品があれば
躊躇していたら機会を逃す。別の店で同様の商品を見つけることはないから
である。
食べ物も飲み物もそうだ。あるべき時にはあるが無い時には無い。
どこにいくにも水は絶対だ。マラリアの薬にしても、ヨハネスブルグの空港
内にある薬局でなければ手に入らない。
また文句を言うべき時に文句を言わなければ、後から言う機会は二度とな
い。「リッスン!アイアムカスタマー」毅然とした態度で主張するべき時は
主張するべきだ。
躊躇する時間などない。飛び込まなければ見えてこない。
行動すれば答えが見える。
良い悪いは関係ない。
行動しなければ永遠に答えは明らかにならない。
仮説と希望の渦の中で永遠にぐるぐると回り続けるだけだ。
その国の法律を守ること。
自分の体を守ること。
他人を傷つけないこと。
それ以外はすべて経験で片付けられる。
それが生きていくということだ。
旅のテーマは躊躇なく行動すること。このテーマが明確に決まっていたお
かげで、僕は悩まずに行動できた。
悩むより飛び込めだ。
複雑に考えるのはもう少し歳をとってからにしよう。
アフリカから帰ってきて少しだけ発想がシャープになっている。
さて今度はどこに行こう。