739-ハイゼンベルグ

量子力学の基礎原理のひとつに、1927年ハイゼンベルグによって提唱され
た不確定性原理というものがある。

 簡単にいえば、観察者は観察されるものに干渉するということだ。


 

 観察者の観察するという意識がエネルギーとして観察対象に影響を与える
わけだ。そういえば昔クラスター水のクラスターサイズを測定しようとある
大学の研究機関に話を持ちかけた時にも、測定するためにライトで光を当て
るだけで運動が活発になりサイズは変化してまいますよと言われたことを思
い出した。

 水のように感情を持たない無機なものでさえ、影響をうけるわけだから
感情の動物である人間なんて単純なエネルギーよりも強い念を伴ったエネル
ギーの影響をうけるのは当然であり、観察者または関係者の求める答えに
自然とアジャストしようとする行動も理解できる。

 正しく使えば「ピグマリオン効果」期待の力である。

 以下ウィキペディアにある記載からハイゼンベルクが行った思考実験を
抜粋する。
--------------------------------------------------------------------
 量子力学で記述される粒子の位置と運動量について。

 この粒子の位置を正確に測ろうとするほど対象の運動量が正確に測れなく
なり、運動量を正確に測ろうとすればするほど逆に位置があいまいになり、
両者の値を同時に完全に正確に測る事は絶対に出来ない。

 なぜならより正確な位置を観測する為には、より正確に「見る」必要があ
るわけで、極微の世界においては、波長の短い光が必要となる。
(波長の短い光はエネルギーが大きい)

 つまり観測対象へ与える影響が大きくなる為、観測対象の運動量に影響を
与えてしまうのである。
--------------------------------------------------------------------

「波長の短い光はエネルギーが大きい」とは極めて科学的な考察である。
 
 正確には、原子の運動量と位置は同時に計れない。反比例を起こす。
(粒子や電子は肉眼で見ることは出来ないから、間接的な方法で観測するし
かないのです)

 粒子の位置を測定する為には波長の短い粒子で測定する必要があるが、
測定波の粒子の運動にぶつかり、観測対象の粒子ははじきとばされてしまう
ので位置を測定することはできない。

要約すると「電子の本来の姿は観測によって失われてしまう」という事です。
このように目に見えないモノを正確に測定することは難しいのです。

 ただ不確定性原理とは、単純に観測できないと言っているのではなく、
量子力学的な粒子は、本質的に不確かさを持っているという意味を言ってい
るのであって、最近スピリチュアル系全盛の論調の中で使われるような拡大
解釈は行き過ぎだと思いますが・・・。

 それにしても量子学の歴史って意外と古いんですね。

  2008年05月08日   岡崎 太郎