762-第4世代の手帳術

スティーブン・R・コヴィーの名著『七つの週間』の211ページに
「時間管理の4つの世代」という章がある。


 内容は「手帳」について中核ともいえる部分なので要点をまとめてみたい
と思う。

 第一世代は「メモ」や「チェックリスト」を特徴としている。
 アイデアや雑記等の備忘記録も同様である。

 第二世代は「カレンダー」や「予定を書き入れる手帳」
 将来の出来事や活動をスケジュール化するためのモノ

 第三世代は、前2つの世代概念に「優先順位」と「価値観の明確化」
そして「目標設定」の概念を加えたもの。具体的な中長期の目標を設定し
価値観と調和したカタチで目標の達成に時間と労力を集中させる方法だ。

 ただし第三世代の到来は時間管理に大きな進歩をもたらしたが、能率的に
チェックリストの中身をスケジュール化しただけである。

 実はこのアプローチでは本来の目標をむしろ妨げる場合もあると認識され
だしている。これは能率や効率に集中するあまり、深い人間関係の構築
または予期せぬ事態への柔軟な対応ができないなどだ。

 たとえば、過密な予定を組むことで、偶然の出会いを大切にすることが
できない。時間に予定に縛られていると感じ時間管理に嫌悪感を示し
第二世代または第一世代に逆戻りしてしまう人も多い。

 なかでも僕が感銘を受けたのは下記の一文。
---------------------------------------------------------------------
「時間管理という言葉自体誤りである。なぜなら時間は管理できるものでは
ない。唯一管理できるのは自分自身でしかないからだ」
---------------------------------------------------------------------
 そこで第四世代では、モノや時間に集中するよりも「大切な人間関係」
「生活の役割」、あるいは「大切な目的の達成」の手法である。

 そしてテーマは緊急と重要のマトリックスに移る。
僕らがトライすべきことは「緊急ではないが重要なこと」へいかに多くの
時間を割り当てるかである。
 
 これが新しい時間管理のもっとも肝となる概念だ。

 それには目標達成と目標達成能力のバランスを向上させるプロセスが
必要になる。

 なるほどプロセスなのである。
 今回あらためて「七つの習慣」を読み目から鱗が落ちた。

 単体の機能がどうであるかよりも、ひとつひとつが連動し「大切な目的の
達成」に収斂されていく道筋があることなのだ。

「モチベーションシート」の本質も間違いなくここにある。

 夢・目標を発見するための習慣と方法>そして夢を実現を加速させる習慣

次に「よかった出来事」や「感謝」の記録によるモチベーションマネージと
その分析による「自分のトリセツ(取扱説明書)づくり」。

 そして自分の時間を知るための「行動記録」>そして見直し改善。
 タスクチェックと連絡事項を使ったコミュニケーションの徹底。

 最後は目標達成能力アップとして、情報収集と毎日ひとつのアイデアを
発想する習慣となる。

 ポイントとなるのは、MS7つの機能への記録とグルーピングを実行し
見直すことだ。

 時間管理では、ドラッカー博士の名著「経営者の条件」の第二章「汝の時
間を知れ」を読むと大変参考になる。全文を引用したいほどだ。


 

  2008年09月02日   岡崎 太郎