791-ハイファイオーディオ

タイムドメイン社という国産スピーカーメーカーがある。

 ライセンス製品としては富士通や日立マクセルまたBauXarといった複数の
メーカーから多数発売されている。有名どころではラグビーボール型の製品
でアップルストアーにも常時並んでいる。


 

 技術的な説明はあえて省くが、とてもこのサイズのスピーカーとは思えな
い音が鳴る。

 中でもフラッグシップの「Yoshii9」の音に数年前から興味を持っていた
が視聴することなく過ごしてきたので「モチベーションシート」のタスクに
「Yoshii9視聴」と追加しておいた。

 とにかく設計が今までのスピーカーとはまるで違うのだから
 どんな音がなるのが興味深々なのだ。

 先日、南青山にある「ソシテ So Shi Te」という素敵な雑貨屋に置いて
あるとのことで立ち寄った。http://www.mabysoshite.com
(東京には11箇所も視聴できる場所がある)
(ソシテのオーナーの四郎さんはとても親切でした)

 結論から言うと、もう手放しに素晴らしい。

 ポータブルCDのヘッドフォンジャックから専用アンプに供給されたサウ
ンドとは到底思えない。

 女性ボーカルのアカペラとアコースティックのギターやピアノの演奏など
を中心に聞いたのだが、「息づかい」「弾かれた弦」「共振する楽器」など
なんともみずみずしいフレッシュな音が再生された。

 正直驚いた。

 今までのオーディオ理論はなんだったのか?
 ハイファイオーディオの世界のCDデッキなど数百万もする。
 電源やケーブルはなんだったのか?

 この「Yoshii9」専用アンプと左右のスピーカーで¥315,000(税込)
である。

 安い!
 
 今週僕の事務所に納品される「LUXMAN-C9」は約10年前に発売された
中古で38万円というのに。なにせ納品前なので判定はできないが、
定価で350万以上のオーディオでも敵わないのではと途方に暮れている。
(もちろん匹敵する音を鳴らす希望はある。なにせ名機であるマランツの
「CD16-D」から「LUXMAN-C9」そして左右1台づつ「LUXMAN-B10」を配し
この4台を「フルバランス」接続しスピーカーを鳴らすのだから・・・)

 そういえば最近の僕の関心のひとつが「アップルTV」を、さらに良い
音質で再生することなのだが、「Yoshii9」に出会うほんのさっきまで
「アップルTV」と「アンプ」の間に高級「D/Aコンバーター」を光端子
で接続などと考えていた。(CECからDA53Nが今年の3月発売される。高級DAC
バーブラウンのPCM1794を内蔵するそうだ)

 理論的にはこの方法で音質は向上するはずだ。もちろんデジタルデータは
MP3で圧縮するのではなく「アップルノンレス」でエラー修正を行った
ピュアデジタルデータを用意する。
 
 そんなことを真剣に考えていた。
 ところが「Yoshii9」はポータブルCDで「この音」なのだ。

 今までの努力はなんだったのだ?
 もう何も信じられない。そんな気分になった。

 では「Yoshii9」を僕は購入するか?

 悩む。正直悩む。
 たしかに音はいい。

 でも結局は買わないだろう。
 価格の問題ではない。 

 忠実に原音を再生する最終回答としての「Yoshii9」。

 本当に最終回答っぽいから「旅」が終わってしまうではないか。
「最高の音」を「至高の音」を追い求める旅が!

 お金さえ出せば簡単に手に入るようで「どうも嫌だ」

音楽を楽しむ意外にも
「学んだり」「調べたり」「工夫したり」「作ったり」そんな楽しみが
オーディオにはある。

 仮説を検証し、時には喜んだり、時には落胆したり。
 僕なりの独自性を捜し求めたいのだ。

 そのためなら積極的に苦労したいぐらいだ。
 
 安易な道など求めていない。
 なにせ「音の良さ」とは最終的には個人の「好み」なのだから。
 
 これって自己正当化なのだろうか?

 

  2009年02月18日   岡崎 太郎