812-ダンマリ

仕事柄、いろんな場所でたくさんの方と話をする機会があります。

 話をしていて思うのは「あぁそうですか、わかりました」という簡単な
返事が、できない人がかなりいること。返事どころか、むずかしい顔をして
腕を組み、ダンマリを決め込む人も多くいます。

 こうした困ったちゃん。あなたのまわりにもきっといると思います。

 うなずきも返事もないと、相手は否定されたような気になりますね。
もしかしたら言っている意味がわからないのかなぁと不安にもなりますね。

 振り出し側は、反応から不安になるので同じ意味のことを別の言い回しで
繰り返したり、最後には必要以上に強い口調で命令したりしてしまいます。
  
 それにしても、なぜ、返事ができないのでしょう。
  
 相手の言っている意味はわかるけれど、とにかく納得できない。
とても受け入れがたい意見だ。どの部分がどうだとうまく説明はできない
けれど、共感などできない。

 でも反対意見を唱えるほど、このテーマに自信はない。中途半端に返事を
したら、後で「あのとき、君は返事をしたじゃないか」と攻められるかも
しれない。

 頭の中は、そんなマイナス情報でいっぱいにってると思われます。
 そんなふうにいろいろと考えてしまってダンマリになるわけです。

 曖昧に返事をすることは自分に嘘をつくことと思ってしまう人も多いよう
ですね。

 では、そんな人への具体的なアドバイスです。
 答えはシンプル。

「話している意味・言葉はわかる」ということだけにうなずくのです。
賛成だとか反対という判断は後回し。ただただ笑顔でうなずくのです。

 やってみると、驚くほどコミュニケーションが円滑になります。
  
 表面的かも知れませんが、あなたの意見を理解していますよ、理解しよう
と努力していますよ、という意思を表示することが大切なのです。
 
 また、その場で理解できないことでも、とりあえず「なるほど」とうなず
いてみましょう。「ダンマリは百害あって一利なし」です。
 
 いいか悪いか。うまくできるか・できないか。
 無理な計画かスムーズな計画かなどの判断を同時にしないことです。

 まずは聞くことに集中して、聞いていますよ! というサインを出す
ことからやってみましょう。
 
 そして、話し合いの後、ゆっくりと検討してもやっぱり納得がいかない
なら「あれからゆっくり考えてみたのですが、この部分の意味がよくわから
ないので教えてもらえますか?」と電話をかけるか、メールで問い合わせれ
ばいいのです。

 会話だと上手に話せなくてもメールであれば、ゆっくり時間をかけて言葉
を選ぶことができます。
 話を聞くことが下手な上司が世の中には多いですからね。
  
 仕事におけるダンマリは、百害あって一利なしである。

  2009年09月29日   岡崎 太郎