836-金がないなら知恵をしぼれ5

 

5 顧客が納得する値段設定を考えろ
 1万円の珈琲は誰が飲むのか?

 

ザ・リッツ・カールトン東京の45階にあるロビーラウンジの、オリジ

ナル・ブレンドコーヒーは1600円である。しかも、サービス税がプラス
される。

 

 単純に考えれば、場所代が加味された値段であることは誰でもわかる。
しかし、1階のカフェでザ・リッツ・カールトン東京スペシャルブレンド
コーヒーを飲むと600円とリーズナブルである。これはどう考えればいい
のだろうか。

 一方、マクドナルドの「プレミアムローストコーヒー」は期間限定だが、
一杯100円。わずか6週間で3000万杯が売れたそうだ。

 同じ珈琲で(まったく同じわけではないが)、1600円と100円。
 価格とはいったいなんなのだろうか。
 モノの価値とは何なのだろうか?
 改めて考えさせられるよいケーススタディであろう。

 モノの価格は、商品の原価や場所代だけで決定されているわけではない。
利用客の総数によって従業員の数も変わり、求められるサービス品質を保つ
ためのコストもかかってくる。そして、安易に高い値段を設定するだけでは
顧客はついてこないのも事実だ。

 安く売るためには赤字を覚悟すれば可能だが、高く売るには、モノの価値
を高める物語と環境を構築し伝える努力が絶対に必要となる。

 ちなみに、ネットで一番高い珈琲を出しているところを検索してみたら、
群馬県を中心に北関東にチェーン展開している(株)ゲンジフーズの「貴族
の森」のメニューに貴族王族珈琲9995円(税込10494円)というのがあった。

 高い商品の意味を調べて学ぶことは、自身の販売する商品の価値をあらた
めて考え直すいい機会になると思う。

 自分が扱う商品にどういうエピソードがあるのか、今つけている価格を
本当に顧客が納得しているものなのか、また、いくらまでだったら許される
のか、ぜひ真剣に考えてみよう。

課題5
 今、自分が扱っている商品の価格はどこまで高められるか? 
そして付加価値を高める物語は生み出せるか?を、比較検討しながら考えて
みよう。

 
  2010年06月02日   岡崎 太郎