5 顧客が納得する値段設定を考えろ ザ・リッツ・カールトン東京の45階にあるロビーラウンジの、オリジ ナル・ブレンドコーヒーは1600円である。しかも、サービス税がプラスされる。 |
単純に考えれば、場所代が加味された値段であることは誰でもわかる。
しかし、1階のカフェでザ・リッツ・カールトン東京スペシャルブレンド
コーヒーを飲むと600円とリーズナブルである。これはどう考えればいい
のだろうか。
一方、マクドナルドの「プレミアムローストコーヒー」は期間限定だが、
一杯100円。わずか6週間で3000万杯が売れたそうだ。
同じ珈琲で(まったく同じわけではないが)、1600円と100円。
価格とはいったいなんなのだろうか。
モノの価値とは何なのだろうか?
改めて考えさせられるよいケーススタディであろう。
モノの価格は、商品の原価や場所代だけで決定されているわけではない。
利用客の総数によって従業員の数も変わり、求められるサービス品質を保つ
ためのコストもかかってくる。そして、安易に高い値段を設定するだけでは
顧客はついてこないのも事実だ。
安く売るためには赤字を覚悟すれば可能だが、高く売るには、モノの価値
を高める物語と環境を構築し伝える努力が絶対に必要となる。
ちなみに、ネットで一番高い珈琲を出しているところを検索してみたら、
群馬県を中心に北関東にチェーン展開している(株)ゲンジフーズの「貴族
の森」のメニューに貴族王族珈琲9995円(税込10494円)というのがあった。
高い商品の意味を調べて学ぶことは、自身の販売する商品の価値をあらた
めて考え直すいい機会になると思う。
自分が扱う商品にどういうエピソードがあるのか、今つけている価格を
本当に顧客が納得しているものなのか、また、いくらまでだったら許される
のか、ぜひ真剣に考えてみよう。
課題5
今、自分が扱っている商品の価格はどこまで高められるか?
そして付加価値を高める物語は生み出せるか?を、比較検討しながら考えて
みよう。