9月23日、岡崎太郎の新刊が一年半ぶりにでます。
タイトルは「履歴書無用!」
僕の人生で出会ったいろんな人からの教訓を混ぜ込みました!
この本を書く過程で、人生をを振り返ってみた。
■人生
生涯賃金という推計がある。残念なことに総務省だったり
厚労省だったり独立行政法人だったり計算方法の違いによる
のか数字にずいぶん違いがある。
しかしどの統計も大卒と高卒の生涯賃金の格差は5千万円と
ある。4年間も長く働く高卒の方が5千万円も少ないなんて
酷い話だ。
僕は、この格差を新人研修期間に先輩社員から雑談中に教え
てもらう。僕は奮起した。
大卒がなんだ俺の方が社会経験は多いんだ大卒なんて蹴散ら
してやる。
武富士はリアルに実力主義の会社だった。
女性男性の性差・学歴の差・国籍・新卒だろうが中途だろうと
公平に実力で昇進と収入が決まる。昭和63年世の中はまだ
年功序列な時代に革新的だった。
でも今月末の給与が18万円なのに、来月は100万円なんて
ことは現実には起きない。
それであっさり辞めた。
学歴も資金も育ちもよくない僕が成功するには、経験と人脈
そしてどのフィールドで勝負するかを見定めることだ。
好きこそモノの上手なり。
やりたいと臨む仕事だったらがんばれると思って、ディスプレイ
の仕事をやった。確かにモノ造りの現場で充実できた。でも給与は
下の下だった。それで辞めた。金が問題だった。
普通に考えてたら金持ちになんかなれない。
普通の会社で働いてたら、普通の働き方だったら金持ちに
なれない。
同年代がやってない努力をすること。
資金も人脈も学歴もないんだ。
普通じゃ駄目だ。人と同じじゃ駄目だ。
人のやらないことを喜んでやらないと駄目だ。
プライドなんか屁のツッパリにもならない。
やりたい仕事なんかどうでもいい。
法律スレスレなんてヘッチャラ。
信念や志なんて米粒サイズもなかった。
とにかく俺は稼ぐんだ。
そんな風に考えた。
それで訪問販売の会社でクロレラという健食を老人に売る。
完全フルコミッションで売れば金になる給与システムだ。
入社して3ヶ月目に100万円の給与を手にした。
はじめてみる札束に、稼いだという自尊心がもう爆発しそうな
くらい膨らんだ。鼻が高かった。俺は天才だと思い込んだ。
でもビギナーズラックのようなもので勢いは続かない。
すぐに返品の嵐で給与のほとんどを会社に返す。
報酬に見合う安定した実力を持っていなかった。
いつでも何度でも同じように成功できる能力を自信を身につけ
ようと思った。
いろいろあって通販と出会い、24歳で通販事業の会社を任せ
られる。立ち上げからの仕事だ。運よく2年で月商1億円を稼ぎ
だす。儲かった。車はベンツで時計はロレックス。自宅用の分譲
マンションに投資用のマンションも購入した。毎月のように東京・
大阪・香港・中国と飛び回った。
楽しかった。これが幸せだぁと思った。
欲しいモノは何でも手に入った。
さして人間関係も悪くなく。
困ったことは何もなかった。
でもある日、尊敬する先輩経営者に
「太郎君は十年後もダイエット食品を売ってるのかい?」と
尋ねられた。
ちっぽけな成功に安住している自分が小さく見えた。
僕は目標を失っていた。
小さな売上げを守ろうと必死になっていた。
こんなんじゃ駄目だ。もっと大きくデッカく考えなきゃ。
そうは思っても身体が思うように動かない。心と身体が
バラバラだ。若さを武器に勢いでやってきたけれど気がつくと
30歳の一年前だった。
稼ぐことは徹底して稼いだから、次はやりたいこと。
志のある事をやろうと思って自分で起業することにした。
そのまま勤めていればお金は大丈夫だったかも知れない。
でも僕の心が 腐っちゃう。無責任でワガママかも知れない
けれど振り切って辞めた。
しがらみを捨てて社会に飛び出した。自由だけど事業はそう
簡単に軌道に乗らなかった。実際もう資金がほぼ底をついて
倒産も考えた。
起業一年目のことだ。助けてくれた友人の暖かさが身にしみた。
自分の才能と能力で道を切り開くつもりだったけれど、
縁のありがたさにただ感謝する僕がいる。
その後、経営参加した化粧品のベンチャー企業がジャスダック
市場に上場するなどラッキーが重なった。お金があれば自動的に
幸せになるなんて幻想はない。
幸せは感じる能力でお金の大小は関係ない。
人間が感じる、多いと少ない、汚いとキレイ、早いと遅いなんて
感覚は、何と比較するか、どういう設定かによっていくらでも
錯覚を起こす。
つまり何のガイドラインにならない。
新しい領域に踏み入りたいと思う。
まだ訪れてない国を旅し多くの人とふれあいたい。
いろんな事を感じたい。そしてアイデアを語り合いたい。
そして声で音楽で文章で絵でビジネスで表現したい。
僕はあの人に褒められたいという動機で、今日もがんばる。
そして自分の表現がほんの少しでも誰かの役に立つもので
あろうと願う。