111-オカザキ講演禄(3)・手探りの通販

 

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オカザキ講演禄 (3) ■手探りの通販
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ここで一つターニングポイントになるような企画が持ち上がり
ました。

 

福岡にオレンジライフというテレフォンショッピングで50億円か70

億円くらいやっている会社があるのですが、そこの企画の方から、
健康食品のチラシを作って欲しいとオーダーが入ってきました。

 

当時作ったのがB4の裏表です。当時僕はクロレラをやっていま
したから、紙面の半分をクロレラに使いました。それ以外には、
魚のDHAやロイヤルゼリー・キトサン・DNAなどを載せたんですよ。

商材が、たくさんあると売れるだろうと思って。
それから数合わせでダイエット関連商材も二つ入れたんです。
メインのクロレラの値段は頑張って、80万4000円を2980円くらい
にした。

ところが圧倒的に売れる自信があったのに売れないんです。
そして以外にもダイエットのギムネマが売れたんですよ。

これは売れたことが勘違いで、たまたま売れただけで、分析も何
もやっていないので、そのあと大きなトラブル、大きな勘違いで
お金をどぶに捨てるんですが。

とにかく、その時は、ギムネマが売れたのでとても気をよくして、
オレンジライフで売れるのだから、全国どこでも売れるのではと
思ったのです。

福岡には何故か通販会社が多いんですね。オレンジライフの結果
が出た次の日にある会社が僕の所に商品を売り込みに来たのです。
その会社がダイエット食品を批判するのですね。

「だいたいお宅は何をやっているのですか」と聞いたら、実は通
販をやっているので、どんな通販をやっているのかと、
「遊びに行きますよ、社長を紹介してください」と言って、そこ
の会社に行ったのです。

そしたらすごく太った社長が出てきて、雑誌を見ていたのですね。
それがコミック誌なのです。
女性のレディスコミックで、この中に載っているダイエット食品
で白黒1ページの、薬事法バリバリに違反した反響広告が載ってい
るのですね。これを僕が24歳の時に見たときに、これはやりたい
と思ったのですね。

なんでやりたいのかもう少し細かく言うと、中学校の時に漫画家
になりたくて、「少年ジャンプ」とかに投稿していたのです。
3回くらいしか投稿してないですが、2次選考まで行ったというの
が僕のちょっと自慢でして。

漫画家になりたい、漫画家には成れなかった。でもマンガの本に
は広告が出せる、これが当時僕のモチベーションになりました。
またマンガの編集の人と話ができるきっかけになるかもしれない
とワクワクしたんです。

僕はこの業界を全く知りませんでしたから、当時は。

「いくらくらいですか」と聞いたのですね、びっくりしたんですよ。
その社長は10万円と言ったんです。

「えっ、全国誌の週刊誌に広告を入れて、広告代10万円ですか」。
可愛かったんでしょう、僕がね。
いちいち、「えっー」 とか「すごい」と言うので、太った社長
が何でも教えてくれたんです。

「岡崎君ね定価100万円するんだよ」
「100万円するものが何故10万円になるんですか」
「それはね、たくさん出すとかいろいろ言うんだよ」
「そうなんだ、なーんだ」と思って、

ドラマは始まったばかりですね。

その会社から僕が帰ってくる途中にたまたまガソリンスタンド
に寄ったんです。そこに、「アンアン」という雑誌が置いてある。
それを暇だから読んでいたら、1色連合広告というのが、当時出
ていまして、6分割です。

上にタイトルでアンフォメーション。アンフォメーションのアン
のロゴデザインは「アンアン」のロゴ風です。このページのお問
い合わせは「どこどこへ」となっています。

ここを見ると全部同じなのです。
どこもニュースリリースなんです。
でもこの1時間前に太ったおじさんの話を聞いているので、もし
かすると広告なのではと。ここに電話番号が書いてある。その場
で携帯でかけてみました。

「すんません、出先から電話しているのですが」。

そうしたら音田さんという、今、僕と一緒に仕事を福岡でやって
いるのですが、彼が出てきて、

「あ あ、わかりましたかこれは広告なのです」。
(はっはー、そうか、これか)
「いくら するんですか」
「定価28万円くらいかな、24万円」
「もう一声」
「20万円」
「もう一声」
「18万円」

僕の中では1ページ10万円だから。発行部数の概念は全然ないし、
おかしいじゃないか、小さいスペースなのに。
そしたら発行部数がどうのと言われて、

「わかりました、一回やってみましょう」。

で、オレンジライフで一番当たった商品がギムネマですから、
僕の頭の中にはギムネマしかないですね。

で、出したんです。
ギムネマの写真を入れて、1980円ですと。これが売れたんですよ。
当時びっくりするぐらい。80万円も売れた。広告代が18万円で原
価が1本650円ですからほんと儲かった。

ところでこの原価650円の秘密ですが、

<オカザキ講演禄 (4)へつづく>

 

  2002年07月28日   岡崎 太郎