114-オカザキ講演禄(5)・1000分の1の確率

 

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オカザキ講演禄 (5)
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こんにちは、オカザキ・マガジン配信スタッフの井手です。

オカザキが上海出張から帰国していますが、オカザキ講演禄
は全7回。残りを毎日配信していきます。

今回の講演禄は、6月19日に東京にて講演して内容を、
デメケンの亀田さんが書き起こしていただものを転載いたします。

 

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■1000分の1の確率
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サクマの飴みたいな味にと探求心が生まれてきて、それで作った
のです。

でも当時100人くらいにこの企画の話をしたんですよ。
100人中99人がなんと言ったか、

「頭がおかしいんじゃないか」
「甘いものを食べてダイエットができるなんて思わないよ」

「そんなことはない」
「どうせやるんだったらうまい方が良いに決まっている」

「いいやそんなことはない」

と押し問答があって。でも、結果とてもおいしいものが出来てき
て、480円でいけるという話になったので、1000本作って48万円。

何にも怖いことがない。広告はたったの18万円。
商品を作って18万円で、テストマーケティングが7、80万円ででき
るという、それで社長を通した。そしたら一発目から大ブレイク
です。何にも問題なし。どかんと注文が来た。

僕はその時本当に思った。

「両肩に神さまが乗っている」。

この話をただの笑い話で終わらせたくないんですね。

世の中 常識に惑わされすぎなんですね、はっきり言って。広告
代理店の方が言うんですね。

「広告を載せることによって、マーケットに認知が生まれる」

これは嘘、全く嘘です。全く関係ない。
一回打って、一回CPOをピシャッと併せないと単品通販で雑誌
とか折り込みとか新聞とかでやるスタイルのものは、よっぽど大
きな会社で、いくらでもお金を湯水のように、砂漠に水をまくよ
うに使わないと成り立たない。

CPOをいくらで、確実に一回一回のワンチャンス、ワンタイム
でコストを併せていく。

そこにとことん力を集中していかないと、社員が総出でそこにか
からないと、やっぱり上がるものも上がらない、これが一つです。

それから今言った100人に企画を流して、一人しかいいという人が
いなかった。それが何故マーケットで成立するのか。

これを考えないといけない。

僕が今、取締役で入っている会社は福岡で化粧品の通信販売をや
っていて、折り込みでだいたいやっています、だいたいひどいと
きは月で6000万部くらい。

沖縄から北海道まで、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、日経新聞、
福岡は西日本新聞、細かいの全部入れて、日本の朝刊の総部数が
5300万部ですから一回転ちょっとです。

ちなみに普通折り込みを打つときは折り込みの部数表の8掛けに
します。ひどいところは7掛け。それはその販売店さんがそれだ
け新聞を撒いてないから。


話を戻します。

だいたい反響率というのが、どのくらいかという話です。
よくて 0.1%。よくてですよ。悪いとコンマ01以下。

じゃ良かったときのCP0でものを考えましょう。悪いことで考
えてもしようがないですから。0.1%というのは1000分の1でしょ
う。これでものを考えないといけない。

だから僕の所にも毎日のようにいろんな商品が提案に来られたり、
新しい商材の提案があったり、アメリカでどうだこうだと来ます。

岡崎太郎のセンス的に言うと、「これ売れないよ」と言うのは簡
単なんです。でも1000分の1ですから。

999人が「俺、絶対買わない」と言っても、一人が圧倒的に買う。

じゃこの1000分の1の確率が日本の人口で言うと、1億2700万人の中
の有効射程、当社が考える女性ターゲットで25歳から45歳のだいた
い4500万人くらい。

つまりそのターゲットに対して1000分の1に訴求をかけて成り立って
いる訳だから、だから商品セレクトの問題、商品セレクトの所から、
そもそもセンスのない人が、その人の勝手な思いこみをしたらもの
が売れない。

買わない999人のセンスかもしれないんだからものが売れると思って
チョイスしたものが売れない。ものが売れないと思って取り扱わな
かったら、それはもしかしたら売れていたかもしれない。

どうですか、誰もわからないですね、結論からいくと。


対象ターゲットにヒヤリングしたらいいのか。
じゃその1000分の1で確率で本当に1万部打って10件取れるか?
わかりませんから。

一番大切なことはテストをすることです。どんだけ考えてもここに
しか行き着かないです。どんなに賢い人でもこれしかありません。

コンピューター屋の人と話をすると、必ず出てくるのが、データ
マイニングの話。これがそもそも大きな勘違い。

だってないでしょう、基のネタがもとになる基礎データが?

今僕が話しているのは、新規をどのくらいで取ってくるかという
話ですから、新しい企画なのにそんな都合のいいデータはないん
ですよ。だからコンピューター屋さんの話だともうさよならとい
う感じで、テストに集中をする。

じゃ次に何が大切か。


<オカザキ講演禄 (6)へつづく>

 
  2002年07月30日   岡崎 太郎