117-オカザキ講演禄(7)・最終回・原点に戻る

 

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オカザキ講演禄 (7)最終回
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今回の講演禄は、6月19日に東京にて講演して内容を、
デメケンの亀田さんが書き起こしていただものを転載いたします。

 

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■原点に戻る
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昨日、総務省のホームページにいって人口統計を見てきました。
そうすると2002年の5月1日が出ていて、5歳ごとの男性と女性で
人口がどのくらいいるかが出ていました。

60歳以上でカウントした円グラフで見ると50歳以上の人口が半分
です。それで20代から29歳が17%。30歳から39歳が17%。
40歳から49歳が16%。

どういうことですか、20代、30代、40代同じボリュームしかおら
んのですね。

で、考えていくとどういう話なのかなというのが見えてくるかも
しれません。

1億2700万人中の話ですから。

20歳以上で8300万人ぐらいだと思うのですが、たぶん。所得があ
って、自分の意志で購入が決定できる人、これはもう少し17歳、
18歳まで入れちゃっていいですね。

その数を入れると有効射程が8300万人。
1億2700万人中、通販で自分で意志決定でものを買える人は8300万
人しかいない。

男性と女性でばさっと切ってもいいですね。

半分ですから、だから女性をターゲットにしている会社は全部やっ
ても4000万人しかいない。

じゃ若い人とか中年とかはそんだけしかいないんです、そもそも
お客さんって。

で、新聞のCPOの話をちょっとすると少し見えてくるかもしれ
ません。CPOが0.1%で1000分の1ですね。

0.1%がどういう数字がということにちゃんと集中しないといけな
い。6月20日、明日読売新聞で10万部でも100万部でもいいですけ
れど、折り込みを打ったら0.1%だというわけですね。

ある時間、ある日時、今日限り、限定で0.1%。
じゃないと計算が合わない。

僕が今取締役の会社は4年間で43万人分を作りました。つまり有効
射程からだいたい考えていくと、80分の1ぐらい。有効射程の女性
のマーケットの中で80人に1人が製品を買っているいるという計算
がだいたい出てくる。まあ多くても100人少々です。

そうすると100分の1でしょう。

こっちはさっきの広告反響は1000分の1です。折り込み広告とは、
1000分の1の効果で訴求を何回も繰り返しているのですね。

福岡だけどーんとやって、また3ヶ月後 に福岡どーんとやって、
また3ヶ月後に福岡どーんとやるわけでしょう。ずっと4年間の間
に福岡市だけで、東京なら関東地区だけで何回も絨毯爆撃式に折
り込みを入れていくわけですね。

そうすると1000分の1がある時から低下します。刈り取りやすい、
買いたいと思っているお客様から刈り取っていくわけですから、
当然だんだん売れなくなるのは当たり前と言えば当たり前です。

つまり100分の1だとすると0.1%の反響で10回広告を打ったこ
とになる訳ですが


・・・・1回目より10回目のほうが反響が悪くなる・・・・・

それは常識なんですね。みんなそう思う。
じゃ僕が今やっている仕事で言いますとCPOが下がっているか?
下がっていないんです。

今日たまたま売ったら1000分の1だけど、1年後でも1000分の1なの
です。それは階段的に年齢が1年経てば、19歳の人は20歳になる。
24歳の人は25歳になる。1年経ったら、26歳くらいの女性は、この
辺が厚くなってきたりとか、吹き出物が出てきたりとか化粧ののり
が悪くなったりとかがあるわけですね。

ニーズが順送りになっているからなのかな?
化粧品なら化粧品の中でもニーズが循環している。

ちょっと難しいんですが、1000分の1と100分の1の間に、
循環というキーワードがあると僕は思うのですが。代理店の人と
話をすると、この手の話がとても多いのですね。

稲を刈ったので、また育てないと駄目ですとか、マーケットの話
で、4000万人だから4000万人の何%なんて考えてたら、あっとい
うまに反響が悪くなりますよとか、そういう話が多いです。

僕はやっている感じからすると意外になかなか行き着かない。
循環だったり、ニーズが生まれたり死んだりしてる気がする。

始めて4年間くらいに、毎月何億も広告代を使っているところで、
始めてブランド認識、商品認識ができて、今まで買おうと思わ
なかったお客様に、届いていくような気もするのです。

だからその辺が面白いなというところで、僕は見ています。


この手の話をするときに、最近思うのは、もう1回原点に戻った
方が良いと思うのですね。

そもそもの話というのは、その会社がどう思っているか、もうち
ょっと言うとそこの会社の代表取締役社長が通販事業を年間で何
億円のボリュームの事業部にしたいか、どういう会社に、したい
かが無い限り、そもそもの媒体セレクトから、どんな商品なのか、
そういう話ですよね。

年間売上で、たとえば1億円でいいという話だったら、
月800万円くらい売ればいいわけですから、とてもニッチなマー
ケットで、32歳限定の何とかで通販やっても売れるかもしれない。

ただ社長が「年間1000億円の企業にするんだ」 と言った瞬間に、
そういうわけにはいかないですね。

より汎用性があって、よりマーケットを広く取れる商材で事業を
組み立てないとうまくいかない。



九州の通販事情について話します。

売り上げ順に並んでいるのですが、[ドモホルンリンクル] の
再春館さんが、帝国データバンクによると160億1000万円 。

青汁のキューサイさん、これは純粋に通販とは言えないですが、
通販事業で161億円くらい。ヤクルトおばちゃんのような形でや
っていますから、テレビで最初のサンプル製品をかけているとこ
ろが通販的なのかなというところでいれています。

それから香酢で有名なやずやですね。もともとここも青汁をやっ
ていまして、未だに青汁をやっています。ここがだいたい77億円
で、連結で99億円。

九州自然館というところがあって、ここがニンニク卵黄を売って
います。それから、無添加の100%化粧水。社長の学歴詐称疑惑
でもめていますが、ここ(アスカコーポレーション)がだいたい
80億円(13/8月期)くらい。12年8月期49億7400円ということで、
2倍とはいかなくても、かなりの上げ率できています。

それから熊本に、もともとにんにく卵黄の健康家族があります。
ここはムキムキのおじいちゃんを使ってやっているやつですね。
ここの2002年の売り上げ予測は80億円だということで、12年12月
期33億円で、13年が45億円で14年が80億円です。

それから化粧品のマキアやってるジモスの売り上げは今期42億円
で、来期の目標は70億円。

それから僕が前にいた会社(DIET食品のMIYAB)で、売り上
げは15億円。

次に数字的にわかりにくいので入れていますが、鹿児島の垂水温
泉に、「鹿農」というところがあって、ここが井戸を4本くらい
掘っていて20リットル紙パック入りの名水通販をやっています。
数字がはっきりしないですが、6、70億円やっているのでは。

この社長に会いに行って話をしたのですが、もともととてもアイ
デアマンで、鹿児島の黒豚を使った黒豚鍋、白菜とかしらたきと
かを全部入れて、鍋セットで売り出した。この鍋セットの通販を
日本で一番最初に考えて人がここの社長らしいんです。

それからサメ肝油のエバーライフというのがあって、これは前期
売り上げが10何億円くらい。後期が20何億円くらいで、来期70億
円だそうです。よくわかりません。

それと今言ったのはどちらかというと、単品通販系、もしくは単
カテゴリー系。で実は他にテレフォンショップ発祥という伝説が
あって、福岡はテレショップの会社が多くて、メディアプライス
さんとかブレーンコスモスさんとか佐世保の方にはみなさんご存
じのジャパネットタカタさんとかですね。

それからテレセールスの強いヴァ-ナルさんとかが相当売り上げ
を上げています。

 

  2002年08月01日   岡崎 太郎