146-ダイレクトメールの基本2-1(リストの使い方)

 

今日のポイント。
リストは、絞れば絞るほど有効なのか?
セグメントの注意点。DMの反響は、確かに
ターゲットを絞れば絞るほど有効なのだが?

 

 

ここからは自社リストの場合なのだが・・・

自社リストにDMを送る場合、絞るのはいかがなものだろう?

だいたい何を基準にリストを絞るのか?

ほんとうにその条件で絞り込んでいいのだろうか?
絞られた方と、そうでない方の境は本当に適切なのだろうか?


今一度考えてほしい。


こちら側が勝手にデータから詮索しているに過ぎないのではない
だろうか?本当にお客様一人一人その属性にあてはまるだろうか

過大な期待をそもそも、DBにしてはいないか?
過大な期待をDBマーケティングにしてはいないか?

そんなに、あなたはそのお客様の事を理解しているのだろうか?

では質問です。

あなたは、隣の席の同僚の嗜好をどれほど知っているだろうか?
その人は、単身赴任で、40歳で中学生の子供が一人いると仮定し
よう日曜の夕方六時に標準価格より100円高い洗顔石鹸を三個ま
とめて購入しました。そしてその一ヵ月後、今度は青汁を買いま
した。

このお客様の何がわかるだろうか?


健康と美容に興味がある人?
標準価格より100円程度高くても、中身で商品を選ぶ人?

でも単身赴任で中学の子供がいるから家計は苦しいはずだが?

と分析できるかも知れない。

しかし、それがわかった所でセグメントにそんな有効だろうか?

データマイニングツールを使って分析しようと・・・

所詮、100点満点の答えはでない。条件が整ったとして60点程度
だろう。しかも、まだ商売をはじめて間がない場合や商品構成が
少ない場合、マイニングの基礎データとして不十分であり・・・
現実に実用できない。

想像の域を出ない机上の空論で、リストを抽出を行うことは、
せっかくの商売の機会を逃している場合もあるのだ。

だからどうすりゃいいの?と皆さん思うでしょ。
薄々、データセグメントに対して不審感があるでしょ。

実際何を基準にDM発送データを作ればいいの?ってね

めんどくさいから全データにだしちゃえとかね。
儲かってたら別にそれでも経費的には問題ないですよね。

でも挨拶文ひとつとっても、一回目の挨拶と三回目の挨拶文の
内容がまったく同じだと、読まれませんし、お客様も、そういう
会社の姿勢が伝わりますよね。

であれば、コストと相談しながら、挨拶文だけでも、お客様の
購入回数に連動してお送りすることくらいできないのだろうか?
白黒印刷でコストも安いですからね。

やれDBマーケティングだ個客志向だとか頭でっかちになって
あんまりいろいろ細かくセグメントしようと考える前に、購入日
からの経過日数に対応した的確なフォローDM・商品案内さえ送 
れてないのにそんな事まだ考える段ではないですもんね。

この話は長くなるのでまた今度。
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コストと効果を、考えてほしい。

ハガキのDMを送るのであれば、一枚50円。印刷費と郵便の割引
を考えると、発送通数にもよるけれど、一枚60円程度。

もっと縛られずにどんどんやったらいいんじゃないだろうか?

無責任なように聞こえるかも知れないが、DMの反響率ばかり
気にせずに、コミュニケーションコストと考えれば、安いもの
ではないのだろうか?

アフターフォロー経費として、初回の商品販売のコストにせいぜ
いDM三回分くらいの経費は織り込んどけないものなのか?

これは販売価格・原価率等の構成で設計が変わるとは思いますが
通信販売の場合、新規顧客は赤字の場合がほとんどなので、織り
込めるも織り込めないも赤字だからといわれそうだが?

どうせ赤字なら2ヶ月程度に約3回の60円ハガキDM分の赤字が増
えてもどうだろう?

月商一億程度の会社で月間90万円ほどコストが上がる計算なの
だが?パーセントにして0.9%しかしこのコミュニケーションを
行うことで、当然効果が上がるから、半分は営業効果とみると
約0.5%くらいはコストに影響があるかもしれません。

後は経営判断と言うことになります。

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また実際セグメントをすればするほど、その対象リスト毎に、
DMを製作しなければいけないという事になるのだが、果たして
10万人の顧客リストをいくつのグループに分けて、DMをその種
類分作るということになるのだが・・・

もし作るとして、

当然コストとの兼ね合いになります。

つまりスケールメリットが出る単位になるのかという事です。

製作については、コピー・デザイン・写真等の経費はたくさん印
刷しようが少なかろうが固定費としてかかる費用です。

結果30,000枚DMを印刷しようが3,000枚だろうが、製作コストは
一緒なわけですからね。

そして印刷は、大量発注した方が当然コストが下がるわけですか
ら、そのスケールによる減額効果とセグメントの反響効果が相殺
になりかねないんですね。

まして、商品は同じで、表現の違うDMを作るのか、ターゲット
の属性によって、商品構成まで変えるのであれば、仕入れ先や
在庫のことまで考えなきゃいけなくなりますからね。

セグメントされた各グループのボリュームが10,000件になるまでは
別々にDMを作るなんてことは考えないほうが懸命です。

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自社リストの一番の属性は、私共から少なくとも一度は購入して
頂いている。つまり、その購入された商品になんらかの魅力を
感じていただいたお客様であることを忘れてはいけません。

出来ることからはじめてみませんか?

例えば、複数のDM展開は、ちょっと後回しにして、まずは
一種類のDMをつくり、このDMがヒットしそうな外部リストは
どれだろうと条件を加え絞るだけ絞ってテストを行ってみては
いかがでしょうか?

ポイント
外部リストを活用する場合、徹底的に絞り込むべし。
自社リストを使う場合は、細心の注意を払うべし。

 

  2002年10月17日   岡崎 太郎