147-ダイレクトメールの基本2-2(DMリストの活用と計画の注意点)

今回はまず顧客データの有効活用を考えて見ましょう。

現場の忙しさに流されて、一度テストした後、その顧客データが
手付かずに放置されていたり、スケジュールに沿ってDMの発送
が組まれていないため、その場その場のいきあたりばったり的な
販促になっていないだろうか?

DMの企画をする場合。

どのタイミングで一回目のDMを発送した後、二回目のDMは
いつ発送を行い、三回目の駄目押しDMはいつの時点で発送する
のかを計画段階で見積もる企画担当とそうでない場合では、効果
も効率も随分違って当然です。

まして、一回DMを発送することに集中しすぎると、次の戦略が
組みづらく、整合性がとれなくのも当たり前です。

例えば、10,000件のリストに、まずDMを発送します。一週間経
過した後、反響を集計すると、2%の200件だったとします。
では、その一ヵ月後、まったく同じDMを購入しなかった9800件
に発送すると・・・・結果はどうなるでしょうか?


反響はどれくらいでしょうか?

まだこのリストには購入してくれなかった98%の9800件のお客様
が残存していますよね。

経験から言うと、もし最初の反響が2%であれば、最低半分の1%
の反響は得られるはずです。

ですから、それでコストがあっていれば何も考えずに同じDMを
同じリストに送ってください。

これは冬山で遭難し、取り残された人を、自衛隊のヘリコプター
で救出するような話ですから、素早く計画的に行動する事で、
たくさんの命が助かります。

ここまでは簡単な話です。
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では次に、一回目と二回目のDM表現を変えると反響はどうなる
とあなたは、思いますか?


反響はアップするのでしょうか?
反響はどう変化するのでしょうか?


これは、スグには答えられません。

なぜなら、製作されたDMのクォリティーに依存しているからで
す。クォリティーとは、文字・写真・デザイン・色味・購入特典
・等の総合評価ですから、一概にこのDMはよくてこれは悪いと
は判断がつかないものなのです。

まぁ全く、お客様の視点を無視している駄目なDMは論外として。

ですが、小規模なテストマーケティングを繰り返してトライする
べきです。

まずは一旦仮説を立てます。

例えば、一回目は通常タイプのDM・二回目は特典を強調したタ
イプ・そして最後駄目押しの価格強調タイプのDMを製作して
実施して数字を分析してみてください。

一つだけ言えるのは、同じ内容のDMの場合よりは努力次第では
反響をアップさせる事ができるかもしれないと言う事です。

まずは出来ることからやってみましょう。
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■スターDMが生まれたら

もしあなたが、小規模でテスト的にDMを発送し、反響が高かっ
たスターDMは他のデータにも積極的に使い廻しなさい。

こんな簡単な事が現場では出来ていないケースが多いのです。

あなたが責任者の場合すぐに確認をしてください。

出来ない理由は、担当者がDMは季節に併せて、常に新しい物を
製作して提供しなければ!と思い込んでる場合や、販促計画には
すぐに次の仕事が組まれているため、そこまで気が回らない等、
理由はいくつかあるようです。

そして最大の理由は、最初にセグメントする時点で、このデータ
にはDMは送らないと決めた事を、覆せない心理作用があるのか
も知れません。

自分で作ったルールに縛られちゃうんですね。


前の項でも説明した通り、DMの製作は、様々な要素が複雑に、
絡まって反響に影響しているわけで、それは、プロ野球選手の
打率のようなもので、同じ担当が製作しても、売れるDMの製作
が毎回出来るわけでは無いのです。

だからこそ、売れるDMが「出現」した場合そのチャンスを
精一杯拡大して、商機をつかむのが経営判断なのです。

またこれが、店舗を持たずに営業をしている通販会社の利点で
あるわけですからね。
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今日のポイント。
一度限りじゃもったいない。せっかくだから使い倒そう!

補足
自社リストでも予想以上に効果の高いDMは、積極的に外部
リストでもテストをスタートさせるべし。

  2002年10月19日   岡崎 太郎