156-ダイレクトメールの基本4-2(いくら誠実に正直にコピーを書いてみても)

消費者からみれば、どんなに正直に書いた広告であろうと

「ほんとかな?」「またまた大袈裟だな」「胡散臭いぞ」
と、まずは疑っています。

製作者は、この事実を念頭に表現を考えなければいけません。

大袈裟過ぎても、消極的でもいけません。

消費者心理・視聴者のちょうど良いセンスのところに落ちる広告
表現が大切なわけです。

広告は正直であれば「よい広告」というわけではありません。

これは、事件の再現フィルムを作るときに、本人(素人)が出演
して演技をしたところで、TVを見ている視聴者にとっては、
なんとも物足りなく、俳優(他人)が上手に演じた方が伝わった
りする事と共通しています。

つまり正直や誠実に表現する以上に伝えるための演出が大切なん
です。当然、嘘や紛らわしい表現はいけませんが、ある程度の調
整が必要なのです。

では信じてもらう為には、どのような事に気をつけたらよいので
しょうか?

本当らしさ、本物らしさ、真実のニュアンスとはどんな感じでし
ょうか?

一つの方法は、いい話ばかりするのではなく、過去の失敗や上手
くいかなかったジレンマや落ち込んだことなど軽い失敗の事例を
上手に紹介することで、グンと真実味が増します。

通常の会話でも、異性にモテタ話より、フラレ話の方が面白いも
のですよね。

つまり失敗した話にはガードを緩める効果と、真実を際立たせる
スパイスの効果があるわけです。

もう一つの方法は客観的な数字や権威を利用することです。

意見でなく「事実」に基づいて展開している、雰囲気が出ます。
出来る限り、日時や名前・職種・置かれている状況・場所など
数値や客観的事実を詳細に紹介することで、文章が締まります。

とくに使用感の報告や感激の体験談を書く場合には必須です。

ただただ、大袈裟な形容詞を連呼すればするほど、胡散臭さを
助長してしまうものです。

ついつい広告の世界にいると、一般消費者の使わない言葉を、
使用してしまいがちであることを気をつけ、馴染み感のある
平易な言葉・生活感のある言葉を心がけましょう。

あなたの文章、肩に力が入っていませんか?

  2002年11月07日   岡崎 太郎