173-究極の通販リピート商品

ズバリ保険である。

保険とは自動車保険にせよ生命保険にせよ多年度にわたって継続
して支払われる究極のリピート商品といえるでしょう。

通信販売の妙はリピートと言われますから、通販で保険を商品と
してラインナップするのは自然の事と思われます。

リピートつまり再購入で考える事は、顧客の生涯価値いわゆる
ライフタイムバリューでビジネスを設計しなさいといったところ
でしょう。

一回こっきりの購入より、当然ですが何度も続けて購入頂ければ
利益が積み重なる事は明白ですからね。

新規獲得の広告コストとリピートを促すための広告コストが違う
のも当然ですからリピートが増えれば、会社の利益構造が改善す
るわけです。つまり初回の売上げがマイナスでも、LTVで考え
れば、初回獲得のための広告コストをよりダイナミックに掛けれ
るじゃないかといった訳です。

こう書いてみると簡単ですが、実際やってみると「そうは問屋は
卸しません」

通販会社が行う新商品広告戦略シミュレーションの立て方を見て
みましょう

例えば、
仮に1月1日に獲得した新規顧客1000人が
1年間に何回リピートしたかを出す場合。

つまりその年の12月31日までに
2回目の購入で止まってしまった人
3回目の購入で止まってしまった人
4回目の購入で止まってしまった人
同様に5回目・6回目・7回目・8回目で止まってしまった人を、
過去の経験・希望などから設定します。

それぞれの人数を全て足します。(新規の1000件も足します)

その合計を1000件で割ると年間の回転率が算出されます。

予想の年間回転率が出れば、広告経費と粗利からの逆算で損益分
岐点が見えてきます。

この後は、会社の意向とすり合わせです。

例えば、マイナス1000万までは大丈夫だとか
6ヶ月は赤字でもガマン出来るけどそれ以上は出来ない、なんて
そういう都合も勘案して、「予想・この商品は年間何回転はする
だろうから、初回広告コストをこの範囲で実施すれば、半年後か
らは黒字転換するな」と仮説が出来る訳です。

ですが、はじめての商品では、初回の反響がわかりません。
当然リピート件数も返品も未知数です。

反響なんて、広告媒体・原稿・対象・季節等さまざまな条件で
簡単に変動してしまいます。

つまり絵に描いた餅の領域は出ない訳です。

過去の経験、勘や売れる予感などで精度は随分高くはなりますが
所詮、仮説は仮説なのです。

ですからテストマーケティングを繰り返し、仮説を検証しなけれ
ばなりません。たまたま一回のテストが良かったからといっても
それは「ただ当たり」「神様の気まぐれ」かも知れません。

僕は、仮説が悪いといってる訳ではありません。

何通りもの仮説を立て、頭の中にさまざまな想定をする事は、
とても大切なことです。

想定があれば、予想を外れた場合でも、原因の理解が早く、結果
次の一手がすぐに打てるものです。

ただ理解いただきたいのは、仮説を立てるのは簡単ではない。
辛い地道なテスト作業の繰り返しですよと言いたいのです。

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あわせて仮説を立てる作業をすればすぐに世の中には、リピート
しやすい商品とそうで無い商品がある事に気付くと思います。

■リピートしやすい商品かどうか?
■一年に最高何回リピートするのか?
■どのくらい度に必要だろうか?
■紹介しやすい商品だろうか?

例えば一般的に住宅や車は、一年に何度もリピートする商品では
ありません。

リピートされやすい商品はいくつかの型があります。

■消費される物
  一般食品や健康食品や基礎化粧品などが代表的です。
  生協さんで扱うような日配品(卵・牛乳・生鮮食品・パン等)
■生活密着型サービス
  カッターシャツなどのクリーニング。
  ダスキンのような掃除まわりのレンタルサービス。
  
■仕組み型
  農協さんや北海道の海産物等の頒布会形式。

■金融型
  保険や消費者金融(キャッシング)・積立型のファンド等。

■教育型
  毎月教材を届けるタイプ。(ベネッセやアルクなど)
  通信フラワーアレンジメント講座で材料を届ける方式等

■情報型
  投資情報や経営指南情報の本やビデオ等の通販。
  (日経BPの定期購入戦略)

が考えられます。

通販以外に領域を拡大すれば、究極のリピート商品は、
電気ガス水道といったライフラインはもちろんの事ですが。

お客様が、なくなる前に必ず購入してしまう。
わざわざ買うために出向いて行ってしまう商品。

その商品は何でしょう?

答えは明日のメルマガで。

お気づきの方はメールでどうぞ。

 

  2002年12月17日   岡崎 太郎