180-商品選定

自分の会社は何を販売する会社なのだろうか? 

商品を考える場合どこを出発点にするかで分類できます。

 

まず自分が得意な商品・経験のある商品・自分の販売したい商品

つまり自分を出発点においた品揃えを考える場合

次に既存のお客さまの視点で、いったいどんな商品だったら喜ん
でお買上げいただけるのかを熟考する場合。

それから、もっと枠を広げると、これから未来の市場がどうなっ
ていくのかを考えて商品を考えるという場合。

さてどれが正解という事ではありませんが出発点で考えるとこう
なります。初めて商売をするなら、一番自分が得意な商品・経験
のある商品がお勧めです。


難しく考えてはいけません。

単純に「売れる商品」を売るというのも全然有りです。
それだけで別に他に理由はいりませんもんね。

買いたい人が沢山いるのであれば、それは必要とされてる訳です
からね。

充分立派なコンセプトです。

売れる物ならなんでも売るなんて体裁が悪いですか?
ちょっと利益が出ると、急に賢くなったようになっちゃいがちで
すよね。社会の為になんてね。

でも相当な高等技術です。
センサーが狂えば、いきなり売れなくなって淘汰されます。

商品を考える上において、よく「おたくは何屋さん?」って聞か
れますよね。

どうでしょう、あなたは何屋さんですか?

スグに答えられましたか。

この質問にあまり狭義に答えると行動範囲を狭めてしまいます。

狭く定義した職業観に囚われてせっかくのチャンスを逃すのも勿
体ないですし、あまり広げすぎてそれこそ何屋かわからなくなっ
たという場合もありますから慎重に行動しなければいけません。

しかし考える事自体は別段問題ないわけですよね。

頭の体操と思えばいいわけです。


うどん屋さんなのに、とんこつラーメンやレバニラ炒めを売るの
はやはりNGだと思いますよね。

でも「うどん」に使うカツオダシで作った特製親子丼であれば、
まぁ違和感なく大丈夫ですよね。

であれば、うどんのダシを使った「鍋」も大丈夫でしょうか?

そのお店のうどんのダシが素晴しく特徴があるのであれば成立
しそうでは無いですか?

でも「ダシ」という枠を外れ「ハンバーグ定食」になると、どう
でしょうか?

当時「カレーうどん」が登場した時は違和感があったと予想され
ますが今はとても普通にメニューに君臨しています。

そういえば、あるうどん屋さんのメニューに
「キムチチゲちゃんぽんうどん」や「長崎ちゃんぽんうどん」
「クリームシチューうどん」など変わり種ものをラインナップ
するお店がありました。

本場四国の讃岐の平たい麺を使用していて、白濁したちゃんぽん
スープには意外に絡みがよく、おいしかったのを覚えています。

「この麺での"つながり"で商品を考えてたんですね」

鍋物の最後に「うどん麺」を入れますものね。

しかし「てりやきハンバーグうどん」「和風ステーキうどん」
「本場インドカレーうどん」はまだお目にかかっていません。

国内すべてを探せばあるのでしょうか?

トンカツの中に「ビターチョコ」が入ってるなんてのもあるくら
いだから、まったく無いとはいえませんが、メジャーでは無いこ
とは間違いありませんよね。

整理できませんが、意外な組合せで成立する場合があるのです。
だから頭の体操なんです。


うどん屋の範囲でも出来ることを考えるのです。

伝統的なうどん屋の反対側にアバンギャルドなうどん屋があって
いいはずです。

それにうどん屋を広く定義して、麺屋とすれば、「らーめん」
「ちゃんぽん」「パスタ」があっても平気な訳ですよね。

しかし「うどんと蕎麦を併売する店」より「蕎麦だけの店」の
方が美味しそうに感じるのはナゼでしょうか?

これが消費者の一般理解な訳です。

しかし「うどん蕎麦の併売店」にもお客は入っています。

これは、お客様のニーズが、手頃な料金で素早く手軽に食べたい
だからなんです。

文章にすれば当たり前ですけれどね。

年始にあたって、自社のスタンスを考えて見ませんか?

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オカザキ・マガジン編集局だより

今回のメール配信から、メールの件名を変えました。

旧)売るためのマーケティング心得000号

新)売るためのマーケ心得180(商品選定) 

本編に書いてある内容のテーマを、件名に入れるようにします。
以前から、「あの話は何号に書いていたっけ」と、探すのに一苦
労な作業を繰り返していました。

これで、読者の方の整理(保存)に、お役にたてれば幸いです。

編集局長 井手省吾(いで・せいご)

  2003年01月10日   岡崎 太郎