195-ブランディング

ブランディングについて少し話したいと思います。

ブランドとは日本語で何でしょう。

ある人は「ブランド=のれん」と言います。
ある人は「ブランド=あこがれ」と言います。

また昔どこかの企業のキャッチコピーが「信頼のブランド」と言
ってたからなのかブランド=信頼と思っている人も多いですね。

「昔はブランドだったけれど、最近はちょっと違うよね」なんて
言われるものもあります。
長年ブランドとして君臨しつづけるのはやはり大変ですよね。
短命なブランドがいかに多いでしょう。

一時のブームやトレンドに簡単に流されちゃう。

また一部の人にとってはブランドとして機能しているけれど
全日本人的にはそうでは無いものもあります。

また会社名・企業名がブランド化していたり、その人間自体が
ブランド化していたり、サッカーの中田選手やベッカムなんて
そうですよね。


さて「ブランド」というものはどう捉えればいいのでしょうか?


僕はSONYが大好きです。

自宅にはアイボもいるし、デジカメはサイバーショットですし
ビデオデッキもカメラもハンディーカムですしメモリースティッ
ク対応のメモ用録音機ももってます。

今使っているパソコンは残念ながらVAIOではありませんが
過去に二度ほど使っていた事もあります。

僕にとっても多くの人にとってもSONYというのは多分間違い
なくブランドですよね。

では、「SONY」と聞いてあなたは何を連想しますか?

「プレイステーション」「ウォークマン」「ハンディーカム」
「ベガ」「サイバーショット」「ポストペット」

まずは商品を思い出す人が多いと思います。

他には何を連想しますか?

「小さい」「世界初」「カッコいい」「最新」「センスがいい」

そんな感じではないでしょうか。

他にはどうですか?


松下電器や東芝と比較してはっきりSONYと認識できる
イメージが言葉に出来ないまでも頭にイメージできますか?

つまりそのイメージが「ブランド」なのではないでしょうか!

「SONYぽさ」「SONYだから」「さすがSONY」そんな
感じでしょうか?


次に、このブランド どういう効果があるのでしょう。
今更ですがいくつか考えて見ましょう。


ビックカメラの売り場に足を運んで、電化製品を買おうとしてる
時、うーんそうですねデジカメを選ぶ時はどうですか?

さまざまなメーカーが発売するデジカメの中から、何を基準に
選びますか?価格は20000円から60000円くらいでしょうか。

基準は性能・デザイン・プライス、そしてブランドですよね。

この場合のブランドって「持っててカッコいい」だったり
「壊れにくい」「安心・信用」だったりそれぞれあります。

そしていろいろな要素を組み合わせて検討しますよね。

製品のデザインはカッコいいんだけど、そのメーカーは嫌いだ
なんて場合もよくあります。

車や時計等の高額で自分を主張する商品の場合さらに顕著です。
しかし感覚的で数字ではかれない曖昧なものでもあります。

さらに100人いたとして答えはひとつではなく、100人それぞれの
価値と折り合いの中で決定を出すわけですよね。

言い換えればブランドとは、自己のアイデンティティ表現の
ひとつだと思いませんか?


少しまとめるとデジカメのように、同じくらいのサイズで性能が
同じで値段も同じ保障も同じであるのに、ついSONYを選んで
しまう重要な要素がブランドといえるわけです。


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「高級ブランド」
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ブランドといえば頭に「高級」とつくものがありますよね。

「シャネル」「グッチ」「エルメス」「ヴィトン」「ブルガリ」
「アルマーニ」「カルバンクライン」といったところを連想しま
せんか?

ここだけを見れば「ブランド」と「高級」というのは相性がいい
わけですが、値段が高いというのは物がいいデザインがいい価値
があると連動してイメージさせやすいのですね。

では反対に価格の安い「ユニクロ」はどうでしょうか?

多く大人はブランドとして認知はしていないと思います。
ただし昔のユニクロと最近のユニクロでは随分イメージが
違いますよね。テレビ広告や店舗デザイン・立地の効果だと
思いますが。

最近の中学生にはどう見えているのでしょうか?
http://www.fashion-j.com/student_mid/index7.html
http://www.fashion-j.com/student_mid/br2002-1.html

なんと19位がユニクロです。
ちなみに一位はオリーブ・デ・オリーブです。

つまり世代によって認識が違うのです。
中学生にとってユニクロは立派なブランドなのです。

この世代間での感じ方が違うことを理解しないといけません。

中学生の中でのブランド化はおじさんのブランド化より
高速に「ブランド化」してしまうと考えられないでしょうか。

頭の中のことですから確認は難しいけれど熟成のスピードが
速いわけですね。

では「GAP」はどうですか?
最近では「ジョルダーノ」はどうですか?
http://www.giordano.com.hk/

つまり価格が安くてもブランド化は可能なんですね。
逆に値段が高くてもブランド化できない場合もあるんですね。

しかし国産ブランドと海外ブランド、車でも時計でもアパレル
でもそうですが、海外ブランドの方が強いですね。

これはどういう事でしょうか?

これは考えるに、日本人の白人コンプレックスと海外への憧れ
そして得体の知れなさなんかが作用していると考えます。

ようは少しミステリアスな方がいいのではと思います。

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ではブランドとはどうやって構築されるのでしょうか?

単純に言えば、お金がかかるのです。

広告費だったり、建物内装だったり、素朴で田舎ぽさを売りにす
る外食チェーンでも、その辺の居酒屋より内装にお金のかかって
いる場合が多いと思いませんか?

「ブランド」を演出するには、コンセプトの下に完全に統制した
上でブランドの世界観を作り上げなければいけないのです。

そのためには、お金がかかります。

直接売上げの立たない広告にお金が湯水のようにかかります。

果たして、企業の目指す方向で間違ってないのでしょうか?

ロレックスはテレビで広告をしていませんよね。
(一部通販や販売店がやっていますけれど)

シャネルのテレビコマーシャルってみた覚えがありませんよね。
広告の媒体や手法にもミソがありそうです。

広告をたくさんつかったからといってブランド化できるというも
のでもありません。

ただ売るだけから、ブランドとして認知させるには表面のテクニ
ックではない部分が大きく影響していると思うのです。

つまりスピリッツというか、思いですね。

短期的な戦略でブランドを語るべきではないと思うのです。

多くの人に夢や憧れ勇気を与え続けるブランドになるためには
毎日をどう行動すればいいのでしょう。

社員一人一人が自分の会社のブランドに価値を感じ一体となって
発信するメンバーになれるような風土も大切です。

つまり長年生きつずけるブランドとは、今日やって明日という
具合に出来上がるものではなくそれなりの時間が必要なのです。
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徒然に書いてきましたが、

僕はもっと「僕にとってはブランドなメーカー」「僕の好きな
ブランド」そういう使い方が一般化してきてほしいです。

大量消費されるブランドではなくて、個人にとってのブランドと
言う意味です。

これからはもっと個人の趣味嗜好性がバラバラな時代。

今はまだ一部の企業を除いてブランドで一括りにしたいという企
業のエゴを感じるのです。

小さくてキラリと光る中小零細企業にとってブランディングを考
えろなんて言わても、「いくら広告代がかかるの?」という
思ってしまいます。

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オカザキ・マガジン配信おこぼれ話(by 井手)

先週の、21日(金)に、岡崎太郎の「通信販売まるわかり基礎
講座」を開催しました。

28名さまのご参加者をお迎えして、19時から21時までの
2時間ぶっ通しで、しゃべり倒しました。

早速、ご参加さまからメールが届きました。

昨夜の通販基礎講座お疲れ様でした。
通販という誰でも知っている
商売の中身が少し見えた気がします。
アンケートでは書きましたが、
もっと詳しく勉強したいと思っておりますので、
また機会がありましたらご連絡頂ければと思います。
メルマガも早速購読したいと思います。
<以下省略>


はじめて、ご参加の頂いた方から、このようなメールが届くと
素直に嬉しいですし、今後の励みになり、盛り盛りパワーが沸
いてきます。

もちろん、アンケートには厳しいご意見や苦言も頂戴しており
ます。僕自身まだまだ至らない点も多々あると思いますが、

その分まだまだ、やるべきこと・できることが あるってこと
ですから、背伸びせずに地に足をつけて一歩一歩・着実にそれ
こそ這いつくばってでも前進していきますので、

これからも、本音・本気なご意見をお待ちしております

  2003年02月25日   岡崎 太郎