東京青山骨董通りをひょいと裏路地に入ると、岡本太郎が実際
に使用していた自宅兼アトリエが現在は、岡本太郎記念館として
建っている。
エントランスの入り口には洒落たカフェ。
その横には、そう広くない庭。そこには、太郎の制作したオブ
ジェが所狭しと展示、いや無秩序に置いてある。なにせ、オブジ
ェの一つ一つが存在感を主張しちゃっているので、独特の計算さ
れていない緊張感を放っているからだ。
若いカップルから、年配の人まで、思い思いに「座ることを拒
否する椅子」に座ったり、「鐘」を槌で鳴らして音階を楽しんだ
り、ただ作品の前で黙祷をしているように何分も立っていたり様
々だ。
玄関で靴を脱いで、入場券を払って右の通路を進めば、当時の
まんま残されている応接とアトリエがある。 応接には太郎の展
示会のポスターが壁一面に飾られ、椅子やオブジェなどの造形作
品が置いてあり、その端には太郎自身の生身から模った蝋人形が
挨拶している。そしてその奥には、まだこの家の主である太郎が
、今まだ製作中の息吹を残したままの状態のアトリエが公開され
ている。
この二階天井ギリ一杯まで吹き抜けで設計されているアトリエ
には、イーゼルに置かれた油絵のキャンバス。作業台の上の絵の
具やブラシ、棚に収まっている数々の作品。
その棚の横にロフトのように垂直に階段で上るように設計され
た書斎が見れる。とにかくそのままの状態がなまめかしく否応無
くゾッと鳥肌が立つ。再現された物や移築されると抜け落ちやす
い何かが、このアトリエには確かに存在しているのだ。
数々のエネルギッシュな作品が生み出された現場。床にはこぼ
れた絵の具の後。言葉に出来ないエネルギーにクラクラした。
一旦ロビーに戻って階段を上がり二階にあがると企画展示。今
回は「遊ぶ字」と題された企画だ。あの凡字のような象形文字の
ような太郎独特の漢字をモチーフにした作品群。
中でも僕は「夢」と言う作品にノックアウトされた。
紙の上にほとばしった筆の勢いを見ると、まさに太郎の表現者と
しての命がパァッと開いた瞬間を「躍動というエネルギー」で感
じずにはいられない。
静止している平面な作品になぜこれほどの躍動が宿っているの
か信じられない。緻密な職人技とは性質の異なる「ほにゃらら」
の仕業なのだろうけれど。
精巧に良く出来た伝統工芸品のようなお行儀のよい物の対極に
ある、次元の超えた芸術に触れたんだと体が瞬間ピンと理解して
しまった。
言葉を使った説明は野暮なのだろうキャプションは無い。
そんな賢い分析、批評は必要ないし役に立たないからだろう。
モーレツな感動・ベラボーな感動は直観から湧き上がる。
とにかく頭で考える事を捨てちゃえばいい。
太郎の魂の波動がこの記念館には在る。
しかしこの波動。強い、強すぎる。
なぜか新鮮なのだ。
電池のように蓄えられている物を消費しているのではなくて、
いまココで発電された出来たてホヤホヤのエネルギーらしい。
だからこそ全国から続々太郎に魅せられた人が集まっているの
ではないだろうか。
間違っても、それは墓参りのようなシミッタレたのではない。
そう全く違う感じ。
例えは稚拙だが、言うなればストーンズのコンサートに出かけ
ミックジャガーから受け取るエネルギーに似ている。
なぜだろう、とても死んで何年もたった人間の芸当ではない。
二階から再度アトリエを見ようと降りてくると、岡本敏子さん
に会った。チャーミングで素敵な人。独特の包容力にグッと心が
つかまれ、思わず声をかけた。
敏子さんの書いた本にサインを頂き、僕の名前の太郎の由来が
岡本太郎であることを伝えた。
僕は今年大阪で「太陽の塔」を見上げ、数冊の太郎の書いた本
を読み、彼の作った椅子に包まれ代表作の油絵に吸い込まれ敏子
さんに会った。
もっと早く太郎に逢うべきだった。逢おうと思えばいつでも逢
えた。しかしどういうわけか逢わなかった。でもなぜか今年は貪
欲に太郎のエネルギーに体を預けている。
心の向くままに、何枚かの心のドアを開け、できる限り素直に
余計な価値観を降ろし太郎を感じることで確実に僕は閃いている。
僕は岡本太郎という個性との出会いで「今この瞬間」の大切さ
を学んだのだ。
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オカザキ・マガジン配信おこぼれ話(by 井手)
「お店を繁盛させる講演会」のお知らせです。
4月8日(火)13:30 から
福岡博多の中洲にある、エクセルホテル東急で「お店を繁盛さ
せる講演会」があります。講師は、日本で初めて明太子を製造
販売した(株)ふくや さんの 代表取締役社長 川原正孝氏
です。
ふくやさんは、創業者の川原俊夫・千鶴子夫妻が1948年(昭和
23年)の10月に、中洲に開店しました(当時、中洲市場は25
軒の店が営業)。
夫婦の二人三脚で始めた「ふくや」は、明太子の商品開発に苦
労すえ辿り着き、55年間で600名近い社員に中洲本店を含め、
全部49店舗 売上げは今期で180億円を超えるほどに成長され
ました。
今回のお店を繁盛させる講演会を企画・主催されているのは、
弊社のニュースレター活用術の勉強会で講師をお引き受け頂い
た、中洲の不動産 福一不動産の 古川社長の会社です。
フクイチの古川社長は、中洲・川端エリアの限定して、不動産
さんの賃貸・販売を主に営業して、中洲・川端エリアの物件シ
ェアNO.1になり、業界でも注目されています。
中洲の中心に商売しているフクイチさんにとって中洲のお店さ
んが繁盛して魅力的な街になれば、結果的にフクイチさんのお
客様がもっと増えるのではと
この「お店を繁盛させる講演会」年に2回、企画・主催してお
ります。
ふくやの川原社長も、
「中洲で仕事ば 始めさせてもらっとうけん、中洲にはもっと
元気になってもらわんといかん」
と、フクイチ 古川社長の主旨に賛同し、今回の講演が実現し
ました。中洲で商売されていなくても、この講演に参加できる
そうなので、本メールでご案内しました。
◆日時 平成15年 4月8日(火)
◆受付 13時 講演 13時30 ~ 15時30
◆会場 エクセルホテル東急 2F
(福岡市博多区中洲4-6-7 TEL 092-262-0109)
◆会費 3000円
◆定員 80名 さま
先ほど、主催のフクイチさんに確認したら、若干まだお席が
あいているようです。参加ご希望の方は、お急ぎご連絡くだ
さい。
お申込みは・お問合せ
株式会社 福一不動産
TEL 092-291-2103 FAX 092-291-2170 です。
明太子の商品開発の苦労に、ふくやが何にこだわっているのか
とってもよくわる、「ふくや物語」
http://www.fukuya.com/history/history.html
ふくやさんのホームページ
http://www.fukuya.com/
明太子オフィシャル・ホームページ(ふくやさん提供)
http://www.mentaiko.com/index.html