ユニバーサルデザイン(Universal Design:略してUDとも呼 ばれる)を、最初に聞いたのは凸版印刷の飯田さんからだっただ ろうか? |
聞いたその時は、あまりピンとこなかったのだけど、
「できる限りいろいろな人にとって街やモノを使いやすくする」
事というUDの概念は幅広く、言ってみればそりゃそうだと思っ
ていたのですが周りを見渡してみると、なるほど使いづらいデザ
インの多い事に気がつきます。
もっとUDを真剣に取り組めば、随分住み易い世の中になるの
でしょうが・・・
ちなみに、ユニバーサルデザインの7原則を見てみましょう。
http://www.udit-jp.com/ud/ud_7rules.html
原則1:誰にでも公平に利用できること
原則2:使う上で自由度が高いこと
原則3:使い方が簡単ですぐわかること
原則4:必要な情報がすぐに理解できること
原則5:うっかりミスや危険につながらないデザインであること
原則6:無理な姿勢をとる事なく少ない力でも楽に使用できる事
原則7:アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること
こう並べられると、まぁデザインする上で当然のように思える
内容なのですが、なかなかどうして、これが奥が深いのです。
例えば、右利き、左利きどちらでも使えるようなデザインとは
いったいどうデザインすればいいでしょうか?実例を見ていくと
なかなか感心させられます。
また直感的で、すぐに使えるデザインのためには、誰にでもわ
かる用語や言い回し、不必要に複雑にしない事など気をつけると
ころが多いわけですが、なかなか、そうはなっていませんよね。
中でも僕が気に入っているのが、「間違っても安全なように配
慮をする」です。リスクをどこまで想定し、考えられる限り排除
する事が出来るかですが、これも実際にはまだまだ不十分な段階
ですよね。
こう見てくると、デザイナーにはもっと意識して考えて頂きた
い分野である事を理解していただけると思います。
たしかに、実際デザインをするにあたっては、コストや技術的
条件等さまざまな現実的な問題があることは否めません。しかし
ぜひあきらめずに挑んでいただきたいと思います。
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なんて思ったのは、トヨタがユニバーサルデザインをコンセプ
トに開発した新型ラウムを見てきたからなのだ。
「RAUM」とは英語のROOMに相当するドイツ語で「空間」をイメ
ージしているらしいが、実車を見て、とにかく驚いた。
開発者のユニバーサルデザインへの思いのただならない強さを
感じたのです。
「とにかくいい車なので、ぜひトヨタのネッツ店で見て欲しい」
ところでどこがスゴイのか?
一番はパノラマーオープンといわれる。これまで見たことの無
いほど、ドデかく開く乗り降り口なのです。
電動スライドドアで、ボタンひとつで開くのも凄いんだけど
前の助手席ドアと後ろのスライドドアを両方開ければ、なんと、
1500mmもの開口を実現しているので、助手席を倒して、シートを
工夫すれば、予想以上に大きなモノまだ楽々積めそうです。
しかし、このパノラマオープンが派手で特徴的すぎるために、
つい他の細かい気遣いに気がつかなくなりますが、新型ラウムに
は他にもいろいろなデザイン・工夫がいっぱい。
例えば、ドアの開閉。文章で説明するのは難しいのですが、
ヒンジの傾斜に工夫があって、ドアが開けば開くほど上の方が大
きく外に傾きながら開くので、搭乗者が荷物の積み下ろし時など
の振り返りざまに、頭をぶつける等の事故を、防ぐデザインにな
っているのです。
確かに普通の車では、ただドアは開くだけなので、振り返ると
ドアの上方の部分に顔を打っけてしまいます。これがラウムだと
まず、腰の部分にあたることで、事故を回避しているのです。
他にもドアまわりだと、ドア開閉の角度が25度40度63度と三段
階に止められる気遣い。狭い場所での乗り降りで隣の車に気を使
った経験は誰でもありますよね。
それから、このラウム「取っ手」が他の車より多いんです。
それもただの取っ手ではなくて「握れる事」を意識したデザイン
になってるんです。その名もアシストグリップ。
まぁ取っ手を使う、いろんな状況を想定して使い易いデザイン
、場所、大きさを調整しているらしいのです。
そんなわけで、実用工業製品として、ユニバーサルデザインが
理解できる「新型ラウム」ぜひ皆さんも実感してみてください。
追伸:開発者、第2開発センター製品企画の主査 多田哲哉さんに
会いたくなりました。それからパンフレットは別にユニバーサル
デザインのコンセプトは感じられないですね。
それから、トヨタさんは、もう少しネットの活用は考えたほうが
いいですね。
HPを見ると他の車となんら代わりの無いデザイン、内容に少
しがっかりしました。ネットならではのコンテンツは?どうある
べきか、開発者の想いをどう発表すればいいのか等考えられた方
がいいのではと思いました。
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オカザキ・マガジンおこぼれ話(ガーリー井手)
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先日、5/30(金)出版記念講演をしました。ちょうど、台風の
接近ということで生憎の天候でしたが、40名以上の皆さまにご
参加頂きました。誠にありがとうございます。
岡崎が講演の中でお話した失敗は、為るべくして起こった事実
ですが
その教訓を活かし、小さな成功に浮かれることなくまた 小さ
くまとまることなく岡崎共々よろしくお願いします。