259-コールセンター

 最近、CRMやCTIといったIT部分の改良が進めば進む
ほどコールセンター本来の問題から離れていってしまっている
気がしています。

 

 数10名規模のセンターから数百名の大規模センターでも、
SVやマネージャーの悩みはITの導入では解決できません。

 今日はそんなコールセンターにまつわる問題を考えてみたい
と思います。


■SV(スーパーバイザー)のミッションが不明

 ともすれば、SVはただの便利屋、まるで雑用係になってし
まいがちです。なにせSVの業務は、オペレーターの採用・教
育・ローテーション管理・モチベーション管理・エスカレーシ
ョンの対応・上司への報告・各部のミーティング・など多忙。

 そんなマルチな業務など最初から不可能に近いわけです。

「SVにとって最優先の課題は何なのか?」

 この問に速やかに答えられないのであれば、再度業務や組織
を見直す必要があると思います。

 とくにSVがオペレーターの通話をモニタリングする業務に
どれだけ時間を割くことができていますか?

 モニタリングよりも報告業務やデスクワークに時間が割かれ
ているなら重症です。

 この状況では、部下や後任の育成ができていないはずです。

 多くのコールセンターでは、一人のSVに何人のオペレータ
ーが最適であるのかを規定はしていますが、つい一人で20人な
んて状態になっているセンターもあるようです。

 業務によってもさまざまですが、OJTベースで教育をして
いく場合、最高10人が限度でしょう。

 SVの力を分散させてはいけません。

 無理な人員配置で業務をカバーするために、応答時間や件数
や売上などを、数値で目標や実績管理しようという空気がでて
くると、それこそ末期症状です。


 オペレーターは機械ではありません。

ましてSVは鬼でもなんでもありません。いうなればコーチな
のです。一流の野球選手が優秀な監督になれないように、SV
にはSVの業務に関しての必要な能力を勉強しなければなりま
せん。

 つまりSV自身のスキルアッププランやキャリアの設計を明
確にしなければなりません。SV自身で解消できる部分ばかり
ではありませんので、潤沢な会社からの支援が必要です。

 たとえば、業務の分担を明確にして、人員を補充しSVの本
来の業務に集中できるようにする。などの対応が考えられます。

 採用や教育、ローテーションの管理などは分業の可能性が高
い分野です。その他にはオペレーター・SV両者の精神面での
バックアップの体制や仕組みを用意するべきですね。


■SVのスキル?

 SVになるには、オペレーターから採用するのか?別部署の
人間を登用するのか、優秀な人材を外部から採用するのか?な
どいくつかの道が考えられますが、そのいずれもスキルにバラ
つきがあり、なかなか要件を満たす人材は少ないのが現状です。

 実際必要なスキルは多岐にわたりますが、SVの主業務は、
オペレーターの管理監督であり、そのため業務の習熟把握、教
育それにコミュニケーションスキルや計数管理、採用計画から
採用ローテーション管理など付随業務がてんこもりです。

 この業務すべてを完璧にマスターしている人材など何人いる
のか疑問です。つまり素養で選び、立派なSVに育てるしかな
いのです。人の問題なのですから時間がかかります。起こって
欲しくない面倒な問題も起こるでしょう。

大切なのは、ミッションの明確化、報奨の仕組み、教育プロ
グラム、人事の体制(サブのSVやアシスタントの活用)の整備
が必要なのです。

 
■ITに頼り過ぎない。

 つまるところ、人の問題なのです。
 
 この本質を見誤り、表面的な解決や数値管理が先行しすぎて
しまうと硬直した組織に成り下がってしまいます。

 通販においてコールセンターは、まさに現場。

 お客様との唯一の接点であり、顧客との対応に時間が振り当
てられるべきであり、その中心は人材なのです。

 ITは業務の運営を円滑にするためのサポートであり中心で
はないのです。使い方を一歩間違えると、顧客不在のサービス
やオペレーターの自主性や会社の理念を無視したカタチになっ
てしまいます。

 また過剰なミーティングやマンネリな会議や自己満足な勉強
会制度、コールセンターが顧客接点の実践の場であることを基
準に自社のセンターの見直しをしてみませんか?

 きっと日頃のモヤモヤが随分解消されるはずですよ。

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  2003年09月25日   岡崎 太郎