303-溢れた情報

巷に情報が溢れかえっている。

 インターネットで溢れかえっている。
 ニュースでバラエティーで氾濫していく。
 企業は新しい広告手法を使って情報を囃し立てる。
 消費者は、苦痛を強いられ鈍感になっていく。



 

 この情報は、こうでああで。
 こっちの情報、こうだからこうで。

 情報が整理できない。


 さて通販業社は情報を広告をどう扱えばいいのだろうか?

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 僕は、単品通販の販売を通して、消費者はある一定以上の情報
のパケット(塊)を受け取ってはじめて購入という意思決定をする
と考えている。

 高額の商品になればなるほど購入の意思決定には、ある一定以
上の情報の量がなければ決定は出来ないからだ。

 「欲しい」と「買う」は全然レベルの違う話で、「買う」とい
う意思決定は「欲しい」より数段レベルの高い領域である。

 欲しいモノはいくらでもあるけれど、財布の中身と相談しなけ
れば「買う」という行為は実行できない。

 がんばれば買える範囲の高級ブランド、当然欲しくても買えな
い人はたくさんいる。

 欲しい人はたくさんいるけれど、買っちゃう人は一握りだ。
納得いただけただろうか。

 車や住宅の購入を考えると、試乗すること。モデルルームに足
を運ぶことで実際の商品に触れ、細部を確認することで欲しさに
拍車が掛かり、勢い買ってしまうのだ。

 そんなわけで「欲しい」と思わせるだけの情報と「買っちゃう
」までの情報には量と質が関係していると考えたわけである。


 しかし質の問題はさておき、量だけを捉えて、なんでもかんで
も情報を発信すればいいかと言うと、そうではない。

 秘密の部分がなくなると急速に興味が消失してしまうのと同じ
で、使ってみて、付き合ってみてはじめてわかる楽しみは残して
おくのが「粋」というものである。

 ところが「粋」など考える以前に、インターネットでテレビで
大量の情報が流出している。

 たしかに大量で多量な情報がである。

 ではなぜ消費者は商品を買わないのだろう?



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 情報には、方向性がいるのである。


 散漫した情報では、情報を受け取った側が、いちいち判別整理
する手間が必要となる。その過程ではミスも起こるだろうし、煩
雑な作業に疲れてしまう事さえ充分に考えられる。

 消費者の情報処理能力の領域には限界がある。

 情報には方向性に沿って「順番」と「流れ」が必要なのだ。


 では本題に戻って通販においての情報と広告を考えてみよう。
さて、通販では焦点をどこに当て方向を決めればいいだろう?


 通販メディアの目的は、「販売」であり、消費者に注文行動を
取らせる事。つまり受話器を手に取り、フリーダイヤルで注文セ
ンターに電話していただくことである。

 間違うことなく焦点は「注文」に置かなければならない。

 品よくセンスよくイメージだけの広告で「欲しい」をいくら喚
起したところで注文までの、もう一歩を、後押しする力が無い広
告では通販の広告は勤まらないのである。


「欲しい」の先である「買っちゃえ」を見据えることが大切な
のであり、情報は全て「注文」に回帰していくDNAを持つ事が
必要なのである。

 
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先日、市内の豆腐屋さんにお邪魔しました。

もともと有名デパートさんと取引をしていましたが、デパート
さんの体制変更ともに、納入価を下げるか、取引をやめるかの
選択に迫られたすえ、その豆腐屋さんでは

1Fで手作り豆腐をはじめ、おからコロッケなど30種類以上の
商品を販売。2Fでは、豆腐料理を堪能できるお食事処がある
店舗を構えました。

しかし、オープンして3ヶ月目。この2F豆腐料理を出す、お食
事処の集客に困っているので、相談にのってほしいと言われて
お邪魔したわけです。

そこで、詳しいことを聞いてみると

ランチタイムは、そこそこ人が入っているけど、夜はさっぱり
で閑散としているので、どうにかならないものかと。


今回の場合、集客に関して言えば、簡単です。

なぜなら、お食事をしたお客様にアンケートを依頼し、回収し
ているからです。

このお客様への連絡先が入ったアンケート用紙は
ボクには、『壱万円の札束』に見えてしかたがありません。


というのも、通信販売的に言えば

お客様のデータ(お名前・住所・連絡先)を、1件入手するの
に広告費をどれくらいつかっているかと言えば

およそ8000円ぐらい、1件の注文を取るのにコストがかか
っています。

実は、8000円なんて、優秀なほうでしょうか。
中には、1万円以上もかけて、集客している場合もザラにあり
ます。


ということは、この豆腐屋さんのように

わざわざ、お客様が足込んでくれてアンケートに連絡先を残し
てくれたら

単純に、8000円×枚数 の コストが浮いたことになります。

つまり、1000人分のアンケートを回収できたら
(もちろん、連絡先が記入されていること)


8000円×1000人=8,000,000円

800万円の帳簿には出てこない価値があるのです。

ねっ、『壱万円の札束』に見えるでしょ。


そして、さらにこの連絡先リストは


これから、2回目、3回目へと自分達とお付き合いしてくれるた
めの、販売促進活動できます。
俗に言う、リピーターお客さまへの育成です。


というか、しないと意味がありません。


ようは、お客様への連絡先を把握しているかどうかが
重要なポイントです。


じゃ、どのタイミングでどういったアプローチをすればいいのか?

(この続きは、ガーリー日記をご覧ください
 
 http://plaza.rakuten.co.jp/fujin1616/diary/2004-03-05/ ) 


通販では、直接お客さまに対して販売しないので、お客様の
顔が見えないハンデがあります。

そこで通販では、お客さまのことを考えるために、データベ
ース(DB)を活用しています。

お客様の

a)個人データ(お名前・住所・電話番号など)と
b)購入履歴(日時・商品・個数・金額)など

をDBとして蓄積しています。

このDBもとに、通販では100%お客さまを識別できるのです。
識別とは、物事の相違を見分けることです。


上記の豆腐屋さんのような、飲食店・サービス業において
VIPのようなお客さま(お得意様)が

・最終来店日から、何日たっても来店しないと要注意なのか
・要注意な時には、何をすればいいのか

お客さまのDBをもとに識別し、次の一手をうつわけです。
お客さまを識別ができると、商機のチャンスが倍増します。

通販では、購入していただいたお客様の最終購入日からどのタイ
ミングで、どんなアプローチすればいいのか、効率よくするため
にDBを分析して活用しています。

いわゆる、新規のお客さまをリピーターへと育成に力を入れる。
新規のお客さまを集めるには、何らかのコストがかかります。
そのコストは、安いものではありません。

だからリピーター育成が、企業の収益に大きく貢献します。


自社の商品・サービスにおいて、一度でもお取引していただいた
お客さまを2度目以降、できるだけ永くお付き合いしていただく


そのために、顧客識別の考え方が必要なのです。


@ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ 

 
  2004年03月10日   岡崎 太郎