313-G.W.の出来事

 

沖縄から帰ってきた。

 二泊三日と短い期間だったけれど、
なかなか充実した休暇だった。

 

 天気は、そこそこだったけれど沖縄の自然に脱帽。
 なかでも世界有数の透明度を誇る珊瑚礁の海と白いビーチ
そして深い緑の森に浸ってきた。

 初日は、恩納村という本島の中ではもっとも綺麗といわれる
ビーチが連なるリゾート地区へ。

 とにかく、それはそれは綺麗だ。

 僕が、今まで行ったどの海水浴場より圧倒的だ。


 続いて二日目、慶良間諸島の渡嘉敷島に渡った。

 高速船でたった30分。
 船着場からビーチまでバスで10分。

 那覇から小一時間でさらに別世界が広がる。

 国有地に指定された阿波連という名のビーチは、初日のビーチ
より10倍はキレイでした。

「おいおい?これ以上のビーチがあるのか?」
と思わせる程素晴らしい。

 そこで予定外ではあったが薦められるまま、ボートシュノーケ
リングに参加。

 25人乗のクルーザーで本日のお勧めポイントまで約15分沖へ。

 11歳の長男と9歳の長女と34歳の私。

 ひと目で借り物とわかるウェットスーツを着込んでいざ。

 長男はさっさと海にドボン!

「おお!スゲェじゃん!」と雄たけびをあげると、すっかり
夢中。さすが男の子だなぁと思ったのもつかの間、私のとなり
で長女が緊張で強張っている。

 なにせ、深さ5メートルという到底足のつかない深さ。

 大人でも充分怖い。

 しかも慣れない足ヒレをつけてだからなおさらだ。
海には浸かったけれど、船を固定させる綱を離せない長女。

「このままではトラウマになりそう」なんて考えが頭を過ぎった
けれど、どうにか長女を説得して、海中を覗かせた。

 するとどうだろう!
 あんなに嫌がっていた長女が「わぁお魚がいっぱい!」

 そうなのだ。360度見渡せる。
 完全なパノラマ水槽のようで圧倒された。
 
 さっきのパニックが嘘のように長女は夢中で泳いでいる。

 ピクサーのアニメで人気ブレイク中のカクレクマノミも
見える。「わぁニモだ!ニモがいるよ」

 海の力とアニメって偉大だなぁと心底、感心。
 実際自分でも34年間一度も見た事のない世界。

「いったい俺は何をしていたんだろうか?」
「もしこの景色を見ずに死んでいたら?」とまで考えた。

 世界にはこんな風に思わせる景色がいっぱいあるんだろうね。
みんながダイビングにハマるのが理解できた気がした。

 次回は、ぜひダイビングに挑戦したい。
まぁ似合わないけど、これを機会にがんばってみよう。

 イメチェンイメチェン。

 そしてビーチに戻って驚いた。
 

ここからが本題。

 キレイはキレイなんだけど、さっきほど圧倒的ではないのだ。
充分キレイなんだけど、最高ではない感じ。

 たった数時間で僕の感度というか、目盛りがシビアになってる
んだね。

 これには驚いた。


 さらなるキレイを体験をしたことで、ほんのさっきまでキレイ
と思えたモノがキレイに思えない。

 これって幸せな事だろうか?

 どんどん上を目指していくと、見識は広がるけれど、心底楽し
める領域は狭くなってしまう。

 食べ物が解り易いのだが、昔はファミレスのハンバーグで喜べ
たものが、それ以上に美味しいハンバーグをしってしまった事で
満足できなくなる事と一緒だ。

 つまり大事なのは、カップラーメンも高級フレンチも同じ
レベルで美味しいと思える幅が大切なのだ。

 この幅が高く狭く止まると、幸せではないよね。

 だいたい満足するために、さらにさらに上を目指すというのは
人間本来のプログラムなのだから仕方ないのかもしれない。

 たしかに毎度、同じモノやコトで感動できると、人間は向上し
ようなんて気がなくなるとは思うけれど。

「向上心がないと駄目になってしまいますから」
 アテネを目指す柔道家の発言だ。
 
 最近の私はどうもこの考えは頂けない。

「心配するな!あんたは駄目になんかならない」

 もういい加減にしよう。

 そんな窮屈な向上心なんて要らない。

 そんなプログラムなんてゴミ箱へ廃棄。

 
キレイは相対的なもの。

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前回配信した【ひなびた時計屋】に読者さんからメールが届きました
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 時計つながりでこの前あった話をご紹介します。
 私にとっては、カスタマーサポートにおいて画竜点睛に欠くと
は、こういうことかと思った話です。

私の愛用している時計はヨットマンやダイバーに愛用されている
タフなイメージのある某外国メーカーのダイバーウォッチ。15
年前位に買ったことを考えれば今もきちんと動いているので確か
にタフな時計と言うことになります。

 でもタフなはずのその時計のベルトが壊れてしまいました。非
常に特徴的なデザインのベルトで、ベルトはいくつかのピースと
それをつなぐ軸でできており、その軸をとめているところが馬鹿
になってしまったために、ベルトがバラバラになってしまったと
言うわけです。

 まあ15年使っていたことを考えれば仕方ないかとも思いまし
たが、タフなはずの時計がこんな壊れ方するとはなんとも解せな
いなぁ、と不満を感じつつ販売店へ。

 ところがこのメーカー販売店では修理を受け付けてはくれませ
ん。提携している宅配便業者の引き取りサービスを使ってセンタ
ーへ送ってくれとのこと。

 それもどうかとは思いましたが、電池が切れかかっていたので、
まぁちょうど良いかと思いサービスセンターに送付しました。


 数日後、見積もり回答が届きました。

・バンドの部品交換 8000円
・電池交換     6000円
・分解掃除     10000円

 とのこと。
 そんなになるとは思いもしてなかったのでびっくり!
ベルトの軸を変えるくらいですむかと思っていたらピースも交換
しなくてはならないとのこと。しかもこの分解掃除はなんだ?

よく読むと

「電圧が低下しており電池が早く消耗する可能性があるので分解
掃除をお勧めします」と。

何で分解掃除をすると電池が長持ちするんだ???

 どうも工賃水増しの匂いがしてならないと感じた次第。電話で
バンドの修理と電池交換だけでよいと回答すると、コールセンタ
ーの女性はどうしても分解掃除をして欲しいとの一点張り。

「だってお勧めするだけでしょ、断ったっていいですよね」
というと

「それは私どもの表現が不適切でぜひ分解掃除をした方が良い
  かと・・・」

「でもその上に書いてある症状だったら、必ず分解掃除をしなく
 てはだめっていう項目も有るじゃないですか。それには該当し
 ないなら、分解掃除しなくてもいいですよね。」と聞くと

「担当者と相談して後ほどご連絡いたします。」とのこと。

 まぁその後も何度かやり取りの後とにかく部品交換と電池交換
だけで対応してくれました。そこまでで私の中ではその時計会社
への信頼感は、ずっと崩れてしまってました。

 その後、修理が終わって時計が送られてきました。時計をはめ
てみると時計のケースの文字盤の下あたりにドリルでえぐったよ
うな3mmほどの傷がありました。

こんな傷見覚えない!

ということでまたコールセンターに電話。とりあえず送ってくれ
とのことなのでまた時計を送り返すと、

「これはもともとあった傷だがそれを証明できないので修理して
返送する」とのこと。

 私にはそんな傷は見覚えは無いし、ステンレスのケースにあん
なに深い傷を作れるとも思えない。こちらがゴネているかのよう
に思われたのは不愉快。

でも私にももともとそんな傷は無かったとは証明ができない。
まあ直してくれるってんだからいいかとその場はとりあえず承諾。

数日後、また時計が送り返されてきたのでつけてみるとケースそ
のものを交換してくれたらしく元通りに。そして一緒についていた
のは伝票が一枚。

・ケース交換  40000円
・特別割引  -40000円

う~ん・・・

せっかく直してくれたことはありがたいけどこれって「感謝しろ」
ってこと?
せめて手書きのメモで一枚
「このたびはかくかくしかじかでしたが、こちらにも不手際がござ
いましたので修繕してお送りいたしました。」

とかなんとかあればぜんぜん印象が違ったのにって思ってしまいま
した。

これってユーザーのエゴですかねぇ?

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同じ時計話でもだいぶ違いますね趣が!

寂しい話です。


顧客の気持ちを想像する力が欠如してるんですね。

信じられない話です。

 
  2004年05月06日   岡崎 太郎