339-特別寄稿:岡崎太郎のNY日記 10

 

2004年7月28日水曜

 朝9時に眼が覚める。疲れが貯まっていたのだろう熟睡したよ
うで夢も見ていない。ただあっちこっち20箇所ほど蚊に刺されて
いて痒い&汗だく。

 

ジャマイカにはクーラーが無い。車には装備としてはあるもの
も普段はまったく使わないそうだ。

 まぁ本来こっちのほうが体にはいいのは間違いないのだが。

 朝食はマンゴとサラダそして水シャワー。うーん健康志向だ。

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 朝10時。アレクサスのお母さんが1日観光に付き合ってくれ
るらしく三菱シャリオでお迎え。ジャマイカの95%は日本車。
とくにカローラは新旧色々相当な台数走っている。まぁ海っぺた
で錆が仕方ないのと事故後も修理しないようで車は相当ボロい。

 ローラと弟のデュエインと僕とアレクサスのお母さんの4人で
出発。当初僕はボブマーリー縁のタフコングレコードや博物館に
行く予定だったが「そんなところに行ってもおもしろくない」と
一蹴され、しかも「いい所に連れていくから」とその自信満々な
態度に「じゃあよろしく」とあっけなく変更する。

 まぁ予定の無い旅なので流されるだけ流されてみよう!

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 車はキングストーンの反対側へどんどん田舎を突き進んでいく
普通の公道であるのに制限速度が80kmである時点でおかしいのだ
がその道を100kmで爆走する。(集落のある箇所は50km制限)他の
車も同様にかなり飛ばしている。

 町並みを見ていて気付いたのは、なんとも15年前の沖縄に酷似
していること。レゲエに対しての琉球民謡・台風の被害を避ける
ためのコンクリート住宅・広大な砂糖キビ畑・錆びた車・働かな
い男と肝っ玉母さん・時刻表の無いバス停・外資で開発されたゴ
ージャスなリゾート地・市街と田舎の明らかな差・暑い土地特有
の薄いビールこれは発見だと思う。

 ただし沖縄の運転はのんびりなので、この点のみと深遠なクリ
スチャンが多い点は違う。

 このポイントに気付いてから、日本車が風景に絡むことが多く
どうも日本と錯覚してしまいそうになるが黒人80%なのですぐ
に、あぁジャマイカだと正気に戻る。

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 今日の目的地はポートランド(ジャマイカ東部)らしく、この
スピードでも軽く2時間は掛かるそうだ。

 この地区は美しいビーチがたくさん点在するのとジャマイカの
名物料理ジャークの本場といわれるボストンジャークのお店があ
るのでランチはそこがいいだろうと言う訳だ。

 ちなみにジャークとは、スパイスたっぷりの塩辛いソースに漬
け込んだチキンやポークを炭火でバーベキューしたもの。それぞ
れジャークチキン・ジャークポーク・ジャークフィッシュ・変り
種ではジャーク豆腐というのもある。

 由来はカリブの海賊の保存食だったり台風の季節の保存食だっ
たりそんなところだろう。家庭によってこの味付けが異なるよう
で、お袋の味といったところなのかも知れない。

 海沿いと山道を交互にただひたすら走る走る。

 ジャマイカでビーチと言えば有名なのはオーチョ・リオスやモ
ンティゴ・ベイだが車では6時間以上は掛かるし観光客もたいそ
う多いそうなのでこちらの方がお奨めなのだそうだ。飛行機では
35分ただし乗り継ぎに時間が掛かるので、もし行く場合は直接モ
ンティゴ・ベイを目指すほうが懸命だろう。

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 まず車が止まったのは、走ること1時間45分ロングベイ。
有名なサーフィンの大会が行われることでも有名な11kmにわたる
ビーチ。真っ白な砂とカリブの青い海と空。もう絵に書いたよう
なビーチで心はどんどん癒されていく。サーフィンスポットなの
で波が少し高いが、その波の白さと海のコントラストが印象的。

 写真をパシャリパシャリ。

 お腹が空いてきたので、次のポイント、ボンベイ・ベイへ移動。

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 ジャークを焼いている香ばしくまたスパイシーな煙がモクモク
と辺りを充満しているジャークのメッカへ到着。数件の露天が軒
をつられね、ノニの健康ジュースやラスタカラーのアクセサリー
を売っている。

 煙草を吸っていると必ず「俺に1本」と乞われるのはまだ許さ
れるが「よう1ドル恵んでくれよ」と現金を明るく要求されるの
はどうも慣れない。

 お土産に丁度いいとアクセサリーを物色する。割引を要求する
も「俺のオリジナルデザインだ!他には売ってない」と言うので
そのまんまの価格で購入する。

 味見も含めてジャークをチキン・ポーク・魚と一種類づつと同
時に揚げパンとブレッドフルーツと呼ばれるパンの実を購入。

 お隣の入り江になっているボストンベイのビーチでランチ。
海を見ながらの食事ということもあってか初めてのジャークはめ
ちゃ美味い。予想はチキンが一番かと思っていたが、余計な油が
落ちたジャークポークは絶品。ブレッドフルーツは確かにパンの
味がするがやっぱり野菜臭いのでどうも馴染めず残念。

 しかしこのビーチ、ほんとに木々の緑と海のブルーが美しく。
泳いでいる人もまばらでナイスナイスナイス。こんな美しい場所
に計画無しで来れるなんて!計画が無いから、計画に拘らないか
ら来れたのではないかと強く思う。

 食事の後は「泳ごう!」という自然な成行きなわけだがローラ
とドゥエイン達はちゃっかり水着を用意しているが泳ぐなんて聞
かされていない僕はパンツ?てな感じ。まぁそれも大丈夫。問題
ないさぁ気軽に行こうぜぇ!ってな感じでジャボン。

 後先考えさせない程美しいカリブの海・最高。お陰でこの後は
ノーパンにジーパンという結果に。小1時間ほど楽しんで次のポ
イントに移動。

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 僕はこの場所の名前を聞いて驚いた。

「Blue Lagoon」

 そう「ブルー・ラグーン」ですよ。って聞いた事はあるけれど・・・
若かりし頃のブルックシールズの映画「青い珊瑚礁」の舞台とな
ったかの有名リゾート地ですぞ。

 うーんなんかわからないが感慨深い。

 森の中の泉という風情で実は海という不思議な場所なのだが、
海を眺めていると、上から果実が落ちてきたので拾って「これは
何?」と聞くと「アーモンドの実」だという。「食べれるの?」
と聞くと「当然だ」というので食べてみた。なんともスターフル
ーツのように少しすっぱく少し甘い。しかしアーモンドとは種を
ドライして食べるだけでなく実も食べれたとは初めて知った。

 ジャマイカではアーモンドはそこいらに自生しているそうで、
普通に食べるそうだ。うーん知らない事が多すぎるね。

 ところでブルーラグーンはダイビングスポットとしても有名な
ポイントらしく機会があればぜひ試してみたいっす。

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 ポートアントニオにあるマリーナへ。映画カクテルに出てきそ
うなカリブなバーでブルーマウンテンのアイスコーヒーでお茶を
して少し休憩。その後ボブマーリーのT-シャツを買いに街一番
の繁華街へ。土産品屋はあるものの観光客らしき人は歩いておら
ず中々デンジャラスな雰囲気。

 ローラ達がいなければ車を降りれないほど怖いと僕の毛穴が危
険信号を発している。

 ボブマーリーのT-シャツは別格らしくこの店でもディスカウ
ントは出来ずに言い値で購入。
 
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 2時間掛けてローラ宅へ帰宅。今回のお礼の意味で昨日行った
デボンハウス(Devon House) にあるレストランへローラの家族と
アレクサスとお母さんの6人で食事をご馳走させてもらうことに

 このレストランはジャマイカの中では高級店らしく全員ドレス
アップをして参上。気付いたのは、味はまぁまぁだが、サービス
はNYよりも気が利いていて満足。またしてもおいおいNYがん
ばれよと思う。とは言っても総合点では日本には全然敵わない。

 僕はロブスターを頂いたのだが、半分に割ったロブスターが3
つ出てきて後1つは何処に行ったのだろうと不思議に思うが、ま
ぁとにかく楽しいひと時を過ごせて大満足。

 全員で記念撮影。

 さぁ明日は大変な長旅なので今日は早々に就寝しよう。
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  2004年08月03日   岡崎 太郎