403-仕事からではなく時間からスタートする

 

今回の連休に久しぶりにドラッカーの『経営者の条件』を読ん
だ。昔から抜粋をしたかった部分を今回は紹介したい。


時間管理について興味深い考察があるからだ。 

 

まずは

-----------------------------------------------------------
「時間は、借りたり・雇ったり・買ったりできません。さらに供
給は硬直的です。需要が大きいのに供給は増えません。しかも簡
単に消滅するので蓄積もできず永久に過ぎ去り決して戻らない」

『経営者の条件』より抜粋
-----------------------------------------------------------

 うーん最初の 借りたり・雇ったり・買ったりの部分は有名で
すが、需要と供給の話に展開するのには参りました。

 とにかく日頃はすっかり忘れていますが時間とは貴重です。
さて、次を見ていきましょう。
-----------------------------------------------------------

 計画から始めなさいという助言が多い。まことにもっともらし
いが問題はそれではうまくいかないことにある。

 計画は紙の上に残り、やるつもりで終わる。

 成果をあげる者は仕事からスタートしない。
 時間からスタートする。
                 『経営者の条件』より抜粋
------------------------------------------------------------
 成果をあげる者は計画からスタートしない?うーんなんて含蓄
のある言葉でしょう。ふむふむ計画の前に何かがあるのですね。
 
 それをドラッカーは「時間」と説いています。

 これは自分が「どんな事(または人)」に「どれだけ時間」が使
われているかを調査し認識することからスタートする。というわ
けなのです。

 そして認識ができれば、あなたの時間を搾取しようとするコト
や人などを排除。つまり「非生産的な要求の排除」です。

 次に新しく生み出した時間を結合し大きくまとまった時間を出
現させるのです。

 そうして生まれた新しい時間に計画の実行に充当すれば成果は
そこにあるという訳ですね。

 なるほど!

 続けてドラッカーの言葉を拾っていきましょう。
----------------------------------------------------------
 時間の管理に取り組むには、まず時間を記録することが必要で
ある。成果をあげるための第一歩は時間の記録である。

 記録の方法を気にする必要はない。

 大切なことは、正しく記録することである。記憶によって後で
記録するのではなく、ほぼリアルタイムに記録することである。

                 『経営者の条件』より抜粋
----------------------------------------------------------
 この時間記録についての記述は、スティーブンコヴィー博士の
「7つの習慣」にも引用されているほど有名な一文です。

 ポイントは「ほぼリアルタイムに記録すること」とあります。
これはまさに!後から記録しようなんてほぼ無理です。

 仕事にかかる前にスタートを記録し、終わったら終了と記録す
ることの重要性を説いているのです。

 またドラッカーは
----------------------------------------------------------
「時間の記録をとり、その結果を毎月見ていかなければならない
。最低でも年二回ほど三、四週間記録をとるべきである。記録を
見て日々の日程を見直し、組み替えていかなければならない」

                 『経営者の条件』より抜粋
----------------------------------------------------------
  なるほど。短い文章にこの説得力。

 無くて七癖。見直しと改善の継続ですね。
 
 モチベーションシートで言えば、グルーピングシートの活用に
なる部分です。(★グルーピングシートについての説明はこちら
http://www.it1616.com/new/mssheet/index.html)

 しかし文章が重たいですね。

 まぁあんまり重たく考えずに、「まずはやってみる」この精
神で行動記録をはじめてみませんか?

 
  2005年05月09日   岡崎 太郎