459-ゴトー式人の使い方

 

「社長のための人材錬金術」と書かれたサブタイトルとメインの
『ダメな奴でも「たたいて」使え』の「たたいて」が、鉄を叩い
て強くするとかけてあるこの新刊。

 

 さすが後藤芳徳!
 僕は奥義を垣間見た気がした。

 数あるマネジメントの本は大企業の役にたっても中小零細企業
には役に立たない場合が多い。

 ところが、この後藤さんの新刊はそんなジレンマを吹き飛ばし
てくれていて読了後なんとも爽快感がある。

 207ページから目次や各章のトビラを外して本文約180ページ中
折り込んでしまったページが57ページ。思わずラインを引くため
に見直したページが112ページ。引かれたラインの長さは多分テ
ニスコートの外周と同じだろう。

 とにかく後藤さんが十年以上戦ってきた中から体得した、部下
の使い方の極意である。

 なかでも女はLOVE・男はリスペクト。男と女は使い方が違
うとのパートは思わず唸ってしまった。

 リスペクトであって尊敬ではない。尊敬も含めもっと広い意味
なのだ!と解説する部分は言葉遊びでは無い凄みを感じた。

 本当にそのとおりだ。フムフムフムと縦に首を何度もうなずき
ながら「リスペクト」の意味を噛み締めた。

 社長と社員の間、両者がリスペクトしリスペクトされる。相互
リスペクトの状態。つまり信頼関係が基礎になければ良い関係に
など、ならん!という訳だ。

 また理論だけでなく「現在その関係に無い場合」の対応策も細
かく解説されている。

 つまりただの精神論をぶった本では無いのだ。

 コーチングは確かに素晴らしい技術だけど、どうも上手く行か
ないなぁと感じている人には必読の書だと思う。

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  2005年10月07日   岡崎 太郎