461-韓国2

 

19:00 歩いて10分、飲食店の集まった街の中心に移動する。

 適当なレストランに場所を移すと、妹尾さんが携帯で場所を伝
えた。15分後その男は野球帽をかぶり黒のウィンドブレーカーと
いう軽装で現れた。

 

71歳になるという彼の名は「安さん」。毎朝3キロのジョギン
グを欠かさないそうで健康そのもの。85歳までは現役でがんばる
そうだ。

 恐るべし安さん。

 彼は英語、日本語と話せるので、ハングル・日本語・英語がご
ちゃ混ぜで話まくる。とにかく早口でせっかち。

 きっと仕事も超超速いのだろう。
 
 ハングル版の「1日3分夢実現ノート」にサインしてプレゼン
トする。ハングル版ノタイトルは「夢をかなえる手帳術」だそう
だ。すると彼はまず出版社をチェックし「ほう、韓国で一番大き
なビジネス系の会社だね」と言い、次に僕の経歴をじっくり読む
と「なるほど君は若いのに成功しているんだね」と流暢な日本語
で感想をくれた。

 そして彼は少しの間、目を綴じた。

 僕は少し長すぎる眉毛はほとんど白髪なのだが目尻のシワはそ
う深くなく肌の血色も良い彼の顔を覗き込む。

 何かを考えているようだ。

 彼は僕に向き合うとアイデアが浮かんだよという感じで彼は勝
手に頷いた。

「韓国全土に僕の人脈がある。君はこの素晴らしい手帳のセミナ
ーと通販マーケティングの講演をしなさい。それが一番の早道だ
と思うよ」と早口でアイデアをぶちまけた。

 ありがたい話ではあるが現実感の無い僕は一応「ありがとう」
とだけ返事をした。

 当の本人は、自分のアイデアに満足のようで上機嫌だ。

 僕は、初対面で細かいビジネスの話もなんなので質問は遠慮し
た。実現したらとんでもなく忙しくなる。

 切のいいところで、カラオケに向かい。一時間程度で切り上げ
た「明日も早いので今日はこのへんで」そういって22時にはホテ
ルで就寝した。

 今回アカスリはお預け。

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  2005年10月12日   岡崎 太郎