パーティーの主役は北方謙三さんだった。 一旦僕はホテルでシャツを着替えると地下鉄を乗り継いで待ち 合わせの神保町に向かう。 |
予定より30分早い17時半についた。
本屋で北方謙三さんの新刊「絶海にあらず」上下2冊を購入する
せっかくなのでサインを貰おうという魂胆だ。
しかしイマイチ実感がない。
少しでも購入したばかりの本を読もうと喫茶店に入ろうとあた
りを見回す。
そこで目に入ってきたのは喫茶店ではなく古本屋だった。神保
町なので当然なのだが、この店は雑誌専門のようだ。
一歩店内に入る。不思議と古本特有の臭いがしない。かといっ
てけして清潔な店ではないが別に嫌悪感は無い。
何気に棚に目をやった。その瞬間。滅多に無いことだが勘が働
いた。
「ワンダーランドだ!」
ワンダーランドとは僕の大好きなJJこと植草甚一が責任監修
した1973年晶文社発刊の雑誌だ。
多分サブカルチャーの祖的な雑誌でコアなファンに絶大な支持
を獲得した歴史に残るハイでスペシャルな雑誌である。
そんな32年前に刊行された雑誌である。
それが目の前にある。
しかも創刊号。
全身を電気が走り鳥肌が覆う。
なんて言う事だ。「しかもこのワンダーランド。創刊3号目で
『宝島ワンダーランド』に改名するわけで、何を隠そう今から落
ち合う月刊宝島の32年前の姿なのだ。
あまりにも出来すぎてる。
買いである。
間違いない。この雑誌は今日ここで俺に会うために待っていた
んだ。
ついでに2号目も購入する。
後で聞いたのだが、宝島社でも創刊号は保管がないそうだ。
まぁ本気で手に入れようと思えば手にはいるのだろうが・・・
本屋に入って購入して本屋を出るまで5分間。
この話だけでもアリエナイ話なわけだが、実はこの後もっと
予想外の展開が待っていた!
次回に続く
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