483-DNYD8 デイリーニューヨーク日記 No8 

10月31日 朝7:00から夜までの出来事。

 朝7時から森君がシビックでフェニックス空港まで送ってくれ
た。昨晩ネットでユナイテッド航空を予約した。
 


 

 だってアメリカンウエストにはもう二度と乗りたくない。
いくら安くたってね。

 アメリカンが乗ったし、デルタは値段が3倍も高い。消去法で
ユナイテッドになったわけだが、これがナイスであった。

 空港について、キャッシュディスペンサーのような機械でチェ
ックインを行う。なんと液晶画面に日本語表示があるではないか
!アリゾナで日本語なんて信じられない。

 まずクレジットカードを挿入する。(マイレージカードがない
ため)次の瞬間なんと俺の名前が表示されている。

 エクセレント!

 続いて座席の指定を行い。バゲージが1つであると選択する。

 隣のカウンターで処理をしていた女性がやってきてバゲージの
処理を行う。パッ・パッパッ。これで終了である。

 なんてシステマチックなのだ!待ち時間ゼロだ。
 これからはユナイテッドしか乗らないと決めた。

 しかしセキュリティーチェックは厳しいね。例外なく全員
10分以上も完璧にチェックされている。機械では探知できない
爆弾でもあるというのか?

 念入り過ぎる。911以降、空港の警備が緩む方向になる日は
やってくるのだろうか?

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 ロスに到着。時差で1時間戻り、出発時間と同じなので妙な気
分だ。隣の席の白人も変な顔をしている。

 彼の名はエイドリアン。LA経由でバンコクに飛びプノンペン
にある縫製工場まで戻るそうだ。

 聞けば出来上がった製品おもにシャツだそうだがマークスペン
サーに全量納入する専用下請け工場だそうだ。

「プノンペンはいいところだぞ機会を作って遊びに来なさい」
名刺を交換しする。

 今度タイに行くついでに足を伸ばしてみよう。

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 今夜一泊だけなので、大きな荷物だけ荷物預り所に預けようと
探すが無い。JFKにはあったのでLAXにもあると思ったのだ
が見つけれらないので、インフォメーションに尋ねるとあっさり
ない事が判明した。

 仕方がなく大きな荷物をタクシーのトランクに積んでホテルに
向うことにする。

 タクシーを待っていると、別れを惜しむ母と娘がずいぶん長い
間抱き合っている。タクシーを待っている15分くらいずーとだ。

 なんか見てるだけで心がキュンとなった。思えば僕は他人を感
動させられるほど人を抱きしめたことはない。

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タクシーで約30分。

 僕はベニスビーチに降り立った。

 時間は10時半ちょっと前。今夜の宿はビーチのまん前その名も
「ベニスビーチホテル」まんまである。

 チェックインは15時からなので、大きな荷物だけ預かってもら
う。なかなか愛想のよいお姉ちゃんだ。少し太目であるが。

 ひと通りビーチを歩く。朝食とランチをあわせて「チキンテリ
ヤキと焼飯」をチリソースと醤油で味を調整しながら食べる。

 まぁジャンクな味わいだ。結構な量だったけれど完食。

 食べ過ぎである。まわりを見渡す。スケボーや自転車、バスケ
にテニスとスポーツに汗する人ばかりだ。

 しかも空は快晴。体を動かさなきゃ!

 やっぱりベニスビーチと言えば「ローラーブレード」だよね。

 さっそく時間5ドルで手に入れる。運転免許証をディポジッド
する。ウィールの片減が気になるブレードだがレンタルなどで仕
方ない。まぁ大丈夫だろう。

 ビーチ沿いの専用レーンを端から端まで流す。

 景色に風!気候も暑すぎず寒くなく気持ちいい。

 でもたった一周で足が乳酸でパンパンだ。とくに脛の辺りが痛
い。かまわず芝生にダイブして靴を脱いで裸足になる。

 ちょうど木陰になっていて涼しい。鳥の声と遠くで鳴ってるア
フリカビートにセスナが空を旋回していく音が聞こえる。

 もちろん雲ひとつない快晴である。

 芝が柔らかいのでそのまま寝っころがる。背中がヒンヤリして
気持ちいい。腰に効きそうだ。

 そのまま少しお昼寝。

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「クシュン!」
 
 ベニスビーチには緩む目的で来たわけだが緩み過ぎて風邪をひ
いてしまったようだ。

 一旦ホテルにチェックイン。

 小さなキッチンの着いたスタジオタイプだ。少し熱めのシャワ
ーで体を温める。長期滞在もいいだろうが風呂が無いのは辛い。

 あいにくこの部屋から海は見えない。

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 夕方からはビーチを裸足で歩いた。大きめの波が足にぶっかる
「冷た!」イメージ以上に水は冷たい。

「よく泳いでいるなぁ」サーファー達は飽きもせず何度も何度も
トライしている。

 アリゾナの夕陽はストンと堕ちて一瞬だけの夕焼けだったけれ
ど、カリフォルニアは粘り長い夕陽だ。

 海岸が遠浅になった砂浜が夕陽に照り返している。

 カモメの集団が砂浜で休んでいる。僕が近づくと一斉に飛立つ
とっさにカメラを構え連写で押さえる。

「夕陽をバックにカモメの集団のシルエット」なかなかいい絵が
とれたかな。カモメには迷惑な話だが、その後何度か追い立てて
はシャッターを切る。

 パームツリーを入れた写真も押さてみる。
 うーんよくある感じの絵で意外とおもしろくない。

 撮影したばかりの画像を確認しては消去する。

 さぁそろそろホテルに戻ろうかと思った、その次の瞬間。

 僕は息を飲んだ。

 空が色を変えた。
今までオレンジだった空は「まっ赤」に表情を変えた。

 とにかくシャッターを押す。露出を変えながらメモリーの限界
まで撮影する。

 ほんの数分だったろうかその後は一気に闇が押し寄せてきた。
昼と夜の境に一瞬だけみせた神秘的な表情だった。

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 僕はてっきり夜中まで馬鹿騒ぎをしているビーチなのかと思っ
ていたのだが、露天売はさっさと店仕舞いをしている。

 さっきまでの喧騒が嘘みたいに人が消えていく。音楽もいつの
まにか疎らに聞こえるだけだ。

 拍子抜けした。

「サブウェイ」でミラノ風カツサンドを食べてホテルに帰る。
さぁ明日は日本だ。
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  2005年11月17日   岡崎 太郎